学童の夏休みは何をしていますか?

 学童保育所(この場合、学童保育所の中核的存在である放課後児童クラブを念頭に考えます)では、夏休みの間、朝から夜まで過ごす子どもたちが大勢います。学童保育所ごとに違いはありますが、おおむね、「宿題」「遊び」に区別でき、さらに「おやつ」の時間があります。

 保護者にとっては「夏休みの宿題」を学童でたくさん、しっかりやってほしいという希望が多いでしょう。かつて、今ほど夏の気温が異常なほど猛暑ではなかったころは、午前中の時間を宿題の時間に充てて、午後は外遊びをする、という過ごし方が多かったようです。ところが今は熱中症警戒のため日中に外遊びができない日が増えており、その時間を室内での宿題や学習の時間に充てる学童保育所が増えつつあるようです。まだ気温がそれほど上がり切っていない午前中や、夕方に外遊びをする、ということです。

 宿題の時間は1~2時間ほどです。とかく、子どもの集中力は長く続きません。遊びも外遊びや室内遊び、あるいはDVD鑑賞などといろいろな種類があります。所外活動で博物館や映画館、公園、プール、あるいはキャンプに出掛けることもあります。所外活動の場合、保護者にも要員として参加を求められる場合もあります。

 ほかに「掃除」の時間を設けている学童保育所も珍しくありません。学童保育を含む「放課後児童健全育成事業」では、児童クラブを生活の場として位置づけています。生活の場ですから、子どもたちが整理整頓、掃除をするのもおかしなことではない、ということです。もっとも児童クラブの運営事業者によって異なります。低学年が多い、あるいは低学年に区切って受け入れている場合には「午睡」、つまりお昼寝の時間を設ける場合もあります。その間に職員は事務仕事を片付ける、ということです。

 保護者はじめ社会においては、「学童保育所で一日、ずっと過ごす子どもたちのために、どういうことが必要か」を考えていただきたい。ストレスなく安心して過ごせる環境の整備が必要なのです。ギュウギュウ詰めの大規模学童保育所や、エアコンをフル稼働させても室温が30度を下回らない環境の施設は大変多い。そのような場所で長い時間を過ごすこどもたちの身にもなってください、ということです。保護者が期待する、宿題の片づけだって、そんなひどい状況ではなかなか進みませんよ!
 (運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)