大波乱の世界経済。放課後児童クラブ(学童保育所)の運営者は「遠い世界の話。関係ない」で思考停止しないこと。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした(とても長い)人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 世界情勢が大混乱となっています。言わずもがな、米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発した中東危機です。日本は備蓄している石油の放出に踏み切りました。ガソリン高は補助金対応で踏みとどまっていますが、ナフサの不足、また天然ガスと一緒に取れる希ガスのヘリウム不足が叫ばれています。「それがどうした? それが児童クラブと何の関係が? 今は春休み体制で忙しいんじゃボケ!」と、怒るようでは児童クラブ運営者としては失格です。こどもを受け入れ、保護者の社会経済活動を支え、職員を雇用している責任を負っているのが児童クラブ運営者。「この先、待ち受ける脅威は何か? 事業継続のために何が必要か?」をしっかり考えてください。
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 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)

<このままの日常を続けられるか?>
 日本でごく普通に暮らすたいていの人は、とりたてていつもと変わらない春を過ごしていると思っているかもしれません。ガソリン高も収まったし、アメリカはいつも世界のどこかで爆弾落としているけれど、だからといって日本に影響あるかといえばいままそんなことなかったじゃん、というぐらいの認識かもしれません。ですが、今までは確かにまったく普段の児童クラブ運営に影響はなかったかもしれないが、それは結果論であって、いま進行している中東での危機がこの先、どのように展開するか、正確に予測できる人はいないでしょう。何がどうなるのか、1日先ですら分からない日々が続いています。

 ということは、「起こりうるであろう最悪の危機」を想定しておくのが、事業を営む立場の者が背負っている当然の責務です。起こりうるであろう最悪の危機は石油を由来とする物質の供給停止、供給の大幅減です。また、世界的なエネルギー不足に連動して天然ガスの価格が上昇し、天然ガスを原料とする火力発電のコスト増による電気料金の高騰です。

 エネルギー不足や電気料金高騰によって引き起こされる、児童クラブ運営にも関わるであろう心配事を挙げてみましょう。
・在宅勤務の事実上強制
・ガソリン使用抑制のため自動車利用の自粛要請。送迎に影響。
・光熱費の増加。電気、ガス、暖房用灯油代の高騰。
・光熱費の増加を防ぐため家電製品の使用抑制。特にエアコン
・おやつなど食品価格高騰

<もっと最悪の事態も>
 国全体でエネルギー消費を抑制するとなれば、あの新型コロナウイルス流行期のような、全面的な在宅勤務の実施や、学校の授業のオンライン化、限定登校などの施策が打ち出されるかもしれません。月水金は奇数学年、火木土は偶数学年が登校、ということもあるかもしれませんし、午前中だけで給食なしの短縮授業のスケジュールが組まれるかもしれません。

 実際、どうなるか分かりませんよ。中東危機が数日内に劇的に終息するかもしれません。しかしダラダラと長く続くかもしれません。わたくし萩原個人的としては「そう短期間に終息しないであろう。これはイスラエルの思惑(イラン核開発の完全破壊=体制の転覆)とトランプ米大統領一派の思惑(イラン産原油を多量に輸入している中国への圧力強化。米国が軍事介入して政権を倒したベネズエラも中国が最大の石油輸出先だったことを思い出してほしい)が一致している限り、そうそう短期間で終わるとは思えない」という素人予想をしております。

 さて、在宅勤務せよと言われて児童クラブは在宅勤務は不可能ですし、小学校が短縮授業になれば、こどもを長時間、クラブで受け入れることになります。ということは、クラブの運営経費が普段より多く必要となる、ということです。しかも、ありとあらゆる値段が上昇している時期に、です。

 在宅勤務が奨励されて児童クラブ利用者の多くが在宅勤務になったとしても、児童クラブに登所するこどもが減るわけではありません。在宅勤務の保護者によるこどもの利用については、改めてルールを確認し、周知しておきましょう。

<備えよ常に>
 児童クラブは、余裕を持った予算を組んでいる事業者はほとんどないでしょう。だいたいカツカツです。というか無い袖を絞って運営を続けている事業者ばかりです。あるいは本当は児童クラブで使える予算はあるけれど事業者本体の利益として計上している分を減らさない限り、現場で使えるカネがない事業者だってあります。電気料金やガス料金が上がる中で、短縮授業などによる長時間開所による経費増、もちろん人件費もそうです。増える出費への対応は、児童クラブ運営事業者ならとっくに考えておかねばなりません。
 今すぐにでも「もしもの時」に備えて行政担当課や地域の議員に話を始めておきましょう。

 また「物質そのものの入手不足」があるかもしれません。「買い占め」を決して勧めるものではありませんが、石油関連物質、といっても今のこの時代に使われている物質の多くが石油関連物質ですから、「児童クラブで無くなっては困るもの」は、徐々に買い増しておく必要は決してムダではありません。徐々に、でいいのです。

 車を使ってこどもを送迎している事業者にはガソリン代、軽油代の高騰は頭が痛すぎます。補助金で対応しきれないことも考えられます。政府が物価高騰対応の補助金を打ち出してくれるかもしれませんが、確実ではないですし、対応されたとしてもタイムラグ、時間的な差がありその間は出費がかさむ、とても苦しい時期になります。なにか打てる手はないか、考え始めることを運営支援は勧めます。

 職員の通勤手当や業務上の車の使用によるガソリン代の実費精算も、1回ごとの金額は少なくても回数が増えれば多額となります。このピンチをチャンスに、慣行の見直しに踏み切ることも良いでしょう。

 ほか、クラブや運営事業者の個々の状況や環境によって、いろいろ見直しや対策が必要な分野がきっとあるでしょう。

<大事なことは運営者の意識>
 運営支援が言いたいのは、児童クラブは重要な社会インフラであって、継続して安定的に運営されることが何よりこどもと保護者の利益をもたらすことであり、かつ、職員を雇用する事業者としての責任があることを、運営に携わる者は常に心してほしい、ということです。それは、ボランティアで年度替わりで運営担当が交代する保護者運営形式の児童クラブでも同じことです。「ただくじ引きで役員やっているだけ」の保護者であっても、運営担当の地位にいるなら、事業運営の重い責任を背負っていることを自覚せねばなりません。
 まして、完全なボランティアによる保護者運営から一歩進んだ法人運営をしている児童クラブ運営事業者であれば、事業運営を継続して安定的に行うことの社会的な責任を大いに自覚することが必要です。こういう事業者には、まだ保護者のボランティア感覚が抜けきれずに「学童を運営しているけれどそれは行きがかり上であってプロの経営者じゃないから。だいたい児童クラブ運営というとても評価されるべきことをやっているだけでとてもエライ人たちなんですよ私たちは」という、あまりにも軽薄な意識で運営に従事している者も残念ながらいるように見聞きします。「こどものことが優先」はいいのですが「こどもの居場所となる場所が継続して安定的に存在できるような運営を続けることが優先」とはなかなか意識が向かないのが、児童クラブ業界における保護者意識のあまりにも残念なところです。

 児童クラブを運営するということは、事業運営であってビジネスです。ビジネスであれば、問題なく事業が続けられるように、先を読み先を読み続けて、あらゆることに準備対応していくことが重要です。当然、事業継続計画はしっかり用意してあり、それも事業に影響を及ぼしかねない要因を複数想定しての事業継続計画が求められます。その準備もなく、ただ「こどもが安心して過ごせる場所であることが私たちの願い」だけをお題目のように繰り返すだけでは、現実の物価高騰や社会急変にまったく対応できません。こどもの幸せだけを口にしていれば許されるというような甘い考えでは、社会の急変は乗り越えられません。

 この先、何が起こるか分からない激変の世界になってしまったのです。児童クラブはそんな大きな世界の動きとは関係ない、ではありません。まずはニュース、報道にたくさん触れ、大勢の人と意見を交わすことで「どういう危険性があるのだろうか?」ということを考えておくこと。そして必要に応じて事業者としての対応を考えて実施すること。これを児童クラブ運営事業者、運営担当者は肝に銘じてください。いざというときでも児童クラブは社会活動を支える重要な役割であるがゆえの、責任感なのです。 

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 New! 日本版DBS制度について相談したい事業者さんにぜひともお勧めします。さいたま市南区の「エリーネ行政書士事務所」(https://www.eri-ne.com/)さんのご紹介です。行政書士の入澤えりな先生が、日本版DBS制度を中心に児童福祉施設や児童福祉の事業者様からのご相談に対応してくださいます。日本版DBS制度以外にも遺言作成・相続、介護タクシー等をメインにご相談に応じているとのことです。営業時間は平日9:30~17:00で、土日祝は応相談とのこと。ぜひ、困り事がありましたら頼ってくださいね。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也