何度でも書きます。地震と津波に備えて。放課後児童クラブ(学童保育所)は安全計画を確認して避難と連絡の訓練を。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 三陸沖でマグニチュード7.7という、とても大きな地震がありました(2026年4月20日16時52分発生)。この地震を受けて政府は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。該当地域は1週間、大地震と津波への備えをしつつ平常生活をすることが求められています。こどもたちと職員が過ごす児童クラブも大地震への備えが必要。今回の運営支援ブログは、前回の後発地震注意情報が出た後の2025年12月9日付ブログで記した「児童クラブが大地震に備えるために心がけたいこと」を再掲載します。
 ※当面、ブログ投稿をSNSで告知いたしません。外部URLをX(旧ツイッター)に投稿することを繰り返すとアカウントが凍結されるおそれがあるようです。凍結されたら一大事です。
 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)

<いきなりの本番>
 津波警報も発令された今回の地震。児童クラブにこの4月から入所した新1年生や途中入所した多くのこどもたちにとっては、いきなりの地震、津波からの避難行動になったことでしょう。地震が起きた時刻は、もしかするとおやつの準備中や、おやつを食べていた最中だったでしょうか。こどもたちの避難対応、保護者への連絡対応に追われた児童クラブの職員のみなさま、とても緊張した時間だったでしょう、本当におつかれさまでした。
 日本にいる限り、ありとあらゆる自然災害から逃れられません。世界有数の地震国ですし、台風も来る、集中豪雨も毎年どこかで発生しています。夏は酷暑、冬は豪雪。いろいろな自然災害が起こりうる国です。多くの人間が過ごす児童クラブは、いろいろな災害からこどもと職員を守るための備えが絶対に必要です。絶対に手を抜いてはいけない、不備があってはいけないのが、災害への備え=災害対応に関するマニュアル(緊急時避難マニュアル)の整備、避難訓練の実施です。
 児童クラブは2024年度から「安全計画」を策定することが義務になりました。安全計画では年間の訓練スケジュールを定めたり各種マニュアルの整備策定状況を記すことになります。今回のような大地震がきたときはこどもも保護者も職員も防災に関する意識が刺激されますから、この機会を使って全国どの児童クラブにおいても改めて安全計画を確認したり研修や講習を行ったり、こどもたちと避難訓練をしたりするなどして、「命を守る」意識を徹底的に植え付け、育てていってください。
 この安全計画はじめ、こどもと職員を守るにあたっては運営主体、運営事業者の責務が重要です。国は児童クラブの安全計画について次のように求めています。
「策定した安全計画について、事業所・施設長や法人の理事長など放課後児童クラブ等の運営を管理すべき立場にある者(以下「事業所長等」という。)は、実際に児童への支援等を行う放課後児童クラブ等職員に周知するとともに、研修や訓練を定期的に実施しなければならない。(放課後児童クラブ新省令第6条の2第2項、児童福祉施設新省令第6条の3第2項)」
「放課後児童クラブの運営を管理すべき立場にある者は、利用する児童の保護者に対し、事業所内外における児童の安全に関する連携を図るため、事業所での安全計画に基づく取組の内容等を入所時等の機会において説明を行うなどにより周知しなければならない。(放課後児童クラブ新省令第6条の2第3項)」
「事業所長等は、PDCA サイクルの観点から、定期的に安全計画の見直しを行うとともに、必要に応じて安全計画の変更を行うものとする。(放課後児童クラブ新省令第6条の2第4項、児童福祉施設新省令第6条の3第4項)」
(以上は「放課後児童クラブ等における安全計画の策定に関する留意事項等について」 厚生労働省子ども家庭局子育て支援課 令和4年12 月21 日事務連絡より)

 現場の職員に対して、ただ単に「避難訓練をしっかりやってくれよ!」と命ずるだけが児童クラブ運営事業者の行動だと考えていませんか? 現場で従事する職員以上に、運営担当者に求められることが多いのですよ。ここがしっかり理解できていない運営事業者は児童クラブ運営をする資格ナシ! です。安全計画に定めたことを改めて確認し、年間の避難訓練や研修が確実に実施されるよう指示をする、各種マニュアルも「作りっぱなし」ではなくて内容の確認や修正、改定を必要に応じて実施することは、運営主体の責務ですよ。

 なお、保護者に緊急連絡を取ろうとしても停電や通信制限等で、連絡アプリが機能しない状況があるかもしれません。いわゆる「アナログ」の連絡方法、情報伝達方法があるかどうか探して確保することも必要だと運営支援は考えます。通信各社が災害時に解説する「災害伝言ダイヤル」のような連絡手段にも慣れておくことが必要だと考えます。
 以下は2025年12月9日付ブログの再掲載となります。改めてご確認ください。
<設置主体と運営主体に求めたい対応>
1 地震発生時の対応マニュアルを確認する。また現場クラブ勤務職員に確認を指示する。
 →マニュアルがあっても、理解していなければ意味がありません。マニュアルは活用できてこそ意味があるからです。「マニュアルは作った。それがどこに片づけてあるか分からない」ではダメです。策定していないのは論外です。児童クラブの立地場所ごとに即した内容になっていますか。点検しましょう。地盤が弱い地域に立地する建物は同じ規模の地震でも地震動が激しくなります。
2 避難訓練を実施するよう指示をする。
 →こういうときに行うことで臨場感が増します。揺れを感じた地域にある児童クラブは当然、西日本で今回、揺れなかった地域でも極力、避難訓練を実施しよう。地盤の弱い低湿地地帯、海や川に近く津波の恐れがある地域はなおさらです。
3 施設近くに「崖(がけ)」や「ブロック塀」がある児童クラブ施設では、避難経路を確認するよう厳重に指示する。津波の恐れがある地域に児童クラブがある場合も念には念を入れて避難経路を確認するよう指示をする。
4 地震動によって児童クラブ施設内外の物品や設置品が転倒、崩落してこどもや職員が巻き込まれないように片づけるよう点検を指示する。
5 職員や保護者からの問い合わせや対応の確認には、即座に返答できるようにする。
 →大きな地震が起こると、保護者や職員から「施設の建物の耐震性は大丈夫か」という問い合わせが増えます。そのときに即座に返答できなければ不安をかきたてます。即答できるよう手元に資料を準備しましょう。
6 児童クラブ施設の耐震性について点検確認する。
 →よもや、建築基準法の旧耐震基準の建物を補強することもなくそのまま児童クラブとして使ってはいないでしょうね。そういう施設が万が一、あるならできる限り早く、別の施設への移転をするべきです。「旧耐震なのを知っていて補強もせずに漫然と利用していたら、大地震がやってきた」ということには絶対にならないようにしてください。こどもと、職員が、死にますよ。
7 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について正しく職員、保護者に伝えましょう。こどもにも当然、説明をしましょう。
8 防災士や消防機関など防災の専門家を招いて職員と保護者に研修の機会を講じましょう。こどもには当然ながら、こどもに向けて専用の「防災を知る、学ぶ時間」を確保しよう。防災士の原則的な考え方にある「自助」「共助」「協働」のいずれも児童クラブが日ごろから大事にしている理念のはずです。自分たちで考えて行動すること、職員集団や保護者といったメンバーで一緒に行動すること、地域や行政と共に児童クラブを盛り立てていくこと、いずれも平常時から行っていることです。防災も同じで鵜s。

<児童クラブの職員、スタッフさんへ>
1 避難訓練をしよう。
 →日本のどこでも大地震が起きる可能性があるのです。「いま揺れたら一番、イヤだなぁ」という状況でこそ避難訓練をしましょう。おやつ準備中とか、外遊びと中遊びで職員が分散している状況は、対応がしづらい場面です。そういう場面でこそ避難訓練が必要です。「こどもが全員、施設内で座って待機している。職員も全員が施設内でこどもを見ていて、避難訓練開始時刻を全員で時計を見ながら待っている」状況で行う訓練は、訓練ではありません。そんなのは「訓練ごっこ」です。
2 書籍、おもちゃ、家電類など、施設に固定されていない物体を片付ける。高い位置に置かない。高い位置に置かざるを得ない場合は固定する。本棚やロッカーの固定具合を確認する。
 →地震は「揺れる」のは当然ですが、地震の規模や、地震の震源との位置によっては「物体が飛ぶ」のです。地震の揺れの勢いが「重力加速度」を超えた場合、物体は空中に飛び上がります。ロッカーの上に置いてあった書籍や遊具、家電類が「飛んで」周りにぶちあたるのです。本棚やロッカーの固定は当然しているはずですが、改めて固定具合を確認してください。地震動で物体が飛んできて室内にいるこども、職員に当たらないように整理整頓、片づけよう。
3 マニュアルの確認。とりわけ、「緊急時の連絡」について確認する。
 →地震動による被害を食い止めたら、次は「情報の伝達」を確実にすることです。地域の警察や消防、児童クラブの運営本部、そして保護者と、情報を確実に伝える必要がある相手先はたくさんあります。連絡手段や連絡方法について確認しましょう。保護者にも確認を求めましょう。連絡アプリもいざというとき必ず使えるかどうか分かりません。それなりに大きな災害時には通信制限が発動されるのでスマホ利用の連絡手段が確実に使えるかどうかなんともいえません。災害伝言ダイヤルといった今ではアナログっぽい手段が有効になることだってありえます。
4 「デマ」に惑わされないこと。
 →地震や台風、噴火のような「自然災害(天災)」には、科学的な根拠を持たない「デマ」がつきものです。特にSNSなどインターネットにはデマがたくさんあります。児童クラブの職員のみなさんは、あえて失礼なことを申し上げますが、科学的な根拠、合理的な理由を確認することなく「知ってる? こんなことがあるんだって」と素朴に信じてしまいがちな人がいます。多数ではないですがいます。地震は予知できるとか、「次はここで大きな地震が来るって話だよ」というのは、デマです。地震の確実な予知は現在の科学技術水準では不可能です。「〇月〇日〇時ごろ」という日付を特定して災害が起こるという情報は「デマ」です。デマを職員が信じてはなりません。まして、こどもに話すなんてことは、絶対にしてはなりません。
5 備蓄品を確認しよう。
 →通常、放課後児童クラブは避難先に指定されていないことが多いのではないでしょうか。小学校建物内にあるならともかく、独立した棟であれば、近くの小学校や公民館などの施設が避難先に指定されていることでしょう。そうであっても、突然の大地震でたとえ近場であっても移動に危険が伴う場合は児童クラブに留まることも大いにあります。臨機応変の対応が必要です。そのような状況で、半日あるいは1日、児童クラブに留まることになったとしてもやり過ごせるぐらいの最低の備蓄品が必要です。賞味期限を確認しましょう。

<保護者さんへ>
1 こどもには、常に「地震」のこわさを話しておこう。
2 利用している児童クラブの建物内の様子を見てみよう。危ないと思われる状況があったら遠慮なく職員に声をかけよう。
 →職員は当然、落ちて当たっては困るようなものを高い場所に置かないように意識をしているはずですが、そうはいっても、日々繰り返される日常の、「慣れ」の中では、重い図鑑が本棚の上にあったり、ロッカーにちょっとした家電類が載せられていたりと、「それ、落ちたら危なくない?」という状況が起こりがちです。前にも書きましたが、地震によっては「物が飛ぶ」揺れに襲われることだってあります。それでこどもや職員がけがをしたり命を落としたりしないように、保護者の視点で「危険チェック」をしましょう。
3 緊急時の連絡先を確認して児童クラブに最新情報を伝えましょう。
 →落とし穴です。職場が人事異動で変わった、転職した、いろいろな事情で連絡先が変わることはあるものです。必ず最新の連絡先を伝えましょう。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf

(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

 「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」にて2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事が公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。わたくし萩原が編集部の依頼に応じて寄稿しました。ぜひご高覧ください。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

投稿者プロフィール

萩原和也