【特報】放課後児童クラブ(学童保育所)で長年、真摯に働いてきた放課後児童支援員が受けた「許しがたい仕打ち」を伝えます。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 今回の運営支援ブログは、とても悲しい内容です。放課後児童支援員として約10年、仕事を続けてきた児童クラブ職員が、運営側に受けた種々のハラスメントについに心折れ、児童クラブと決別したことを伝えます。わたくし萩原が書面インタビューをしました。この方は日本のどこかで、同じようなことが起きているのではないだろうか、私のような職員を生んではならないという強い覚悟で、萩原に打ち明けてくださった内容です。ぜひ、目を通してください。日本の児童クラブにはまだまだ世間に気づかれないままでひどい仕打ち、ひどい職場、ひどい労働関係があるのだということに気づいてください。
 ※当面、ブログ投稿をSNSで告知いたしません。外部URLをX(旧ツイッター)に投稿することを繰り返すとアカウントが凍結されるおそれがあるようです。凍結されたら一大事です。
 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)

<書面インタビュー>
 島根県内の放課後児童クラブで約10年、放課後児童支援員として勤務を続けてきながらも児童クラブの仕事をあきらめざるを得なくなったAさんに、萩原からの質問にご回答いただきました。Aさんは、育成支援の内容や職員の処遇に疑問を感じて改善に向け運営側に提案をしていたところ、多くのハラスメントを受けるようになっていて、弊会にもかねて相談を寄せておりました。そして昨年(2025年)秋以降、さらなるキャリア向上のため業務に役立つ公的な資格を取得しようと2026年度の勤務日数を減らしたいと相談したところ、さらに目に余る嫌がらせを受け続け、ついに仕事を続けられない状況に追いつめられたということでした。以下、書面インタビューとなります。

ー勤めている児童クラブでの仕事を、半ば閉ざされる形で退職せざるを得なくなったとききました。まず確認ですが、お勤めの児童クラブのあるのはどこの市町村でしょうか?
(Aさん)島根県の出雲市です。海の近くにある、観光地として有名な場所の近くに児童クラブはあります。
ー勤めているクラブの運営形態ですが、保護者運営系(運営委員会や保護者会)、あるいは企業の運営、または公営のクラブですか?
(Aさん)運営委員会のある、公設民営の児童クラブです。
ーそのクラブで勤務を始めて2026年度は本来なら何年目になるところでしたか?
(Aさん)約10年になるところでした。
ー今年(2026年)は週1日での勤務を希望したということですね。クラブ側からは何と言われたのですか?
(Aさん)最初のうちは週5日から週1日になることの理解を得ていたのですが、やがて、運営側が私に何の知らせもなく私が働くことになる勤め先に、「うちの職員がそちらに勤めるということになっているが、いったいどういうことか」と問い合わせするようになりました。(2026年度の勤務に向けての)面談の際には運営委員長から、「あんたは、〝どうしても(ウチで)勤務したいから勤務する〟のか、〝仕方なく勤務しよう〟と思っているのか、どちらなんだ?」と威圧的に聞かれましたので、「勤務したいから継続します」と答えました。
ー週1日の勤務にしたかったのは、もっと資格を取るための勉強時間を確保したいという理由もあったと?
(Aさん)そうです。次の公的な資格を取るためには児童クラブを週1日の勤務にしないと、実務経験の時間が間に合わないため、そうしました。
ー2026年度の雇用契約書にも署名したのですよね?
(Aさん)はい、署名をしました。面談をした際、運営委員長から、承認のハンコも押して貰っていました。
ーそれなのに責任者に呼びつけられた。なんて言われたのですか?
(Aさん)現場の責任者のような立場の人から、「あんたがいると困る」とか「こどもにも良くない」と言われました。
ー週1日の勤務では困ると、いろいろ言われたそうですね。どういうことを言われました?
(Aさん)運営委員長から、「なぜ週1日でも(仕事に)来るのか、意味がわからない」と言われたので、私は「長年ここで勤め、こどもや保護者さんに思い入れがある」と伝えると、「それはあんたの独りよがりで、こどもはそんなこと思ってない」と言われました。
ーこれまでの勤務実績から年次有給休暇も付与されていたのですよね?
(Aさん)例年の、およそ3分の1以下に減らされましたが、今年度は3日間のみ付与されていました。
(萩原注:所定労働日数が週1日の場合の付与日数通り)
ーシフトやその他のことでも嫌がらせがあったと?
(Aさん)シフトがアプリ配信にて出ましたが、通常、午後2時からの勤務を1時間遅い午後3時に変更されていました。もちろん、私にはなんの打診も無く、勤務時間を減らされていました。そのアプリでの通知は、運営からの私への嫌がらせだと受け取りました。有給日数にしても、勤務時間の無断削減にしても、やりたい放題の運営です。
 私は昨年秋まで週5日の勤務でした。欠勤者が出たときには休憩なしで8時間30分の勤務をしました。一方で、管理職が〝お気に入り〟の職員には、週の所定労働日数を減らしても例年通り付与できる上限の有給を与えていました。前年度(2025年年度)末に支給された年度末の手当は、私に何の通知も説明も根拠もなく一方的に減額されて支給されました。
ーもともと児童クラブで働きたかったのはどういう理由があったからですか?
(Aさん)小学生の保育、育成支援をすることが心から楽しく、また、1年生から6年生までの成長を間近で実感することも出来て、育成支援に心からやりがいを感じていたからです。保護者さんへ、今日のこどもたちの姿をお伝えして成長に共感してくださることも、やりがいのひとつでした。日々勉強し、どのような対応したら良いか、各機関の研修にも自費で参加し、研鑽を積んでいました。小学生さんの保育を勉強することは、本当に楽しかったです。
ー今まで勤めてきて、運営の責任者の方の言動に疑問を感じたことは多かったのですか?
(Aさん)たくさんあります。その中でも次のことがひどかったです。
・些細なことで、児童、保護者、職員の前で大声で叱責されること
・研修に参加したい希望を出しても開催すること事態を告知されないこと
・娘の運動会があっても出勤しろと言われること
・個別にお気に入りの職員を呼び出し、「週1日勤務しかしていない職員がいるが、どう思うか」と、裏取りのような面談をすること
・以前勤めていた職員に会ったときに「週に一回でもいいから来て」と勧誘していたこと
 以上のことが特につらかったです。
ー周りの職員も、パワーハラスメントのような行為を受けて退職したことがあるのですか?
(Aさん)大勢います。今現在も、私以外にも困っている職員がたくさんいます。
ー今まで働いてきて、児童クラブの職場環境について、「もっとこうなればよい」と思うところはありますか?
(Aさん)職員の声も、こどもの声も、保護者の声も、たくさん届くような風通しの良い、みんなに取って居心地の良い環境になってほしいです。また、保育の質を確保するため、研修の機会を保障してほしいです。
ーずっと関わってきたこどもたちと離れることは、とても寂しいことと思いますが、どんな気持ちでしょうか?
(Aさん)長年勤め、そのこどもさんの兄弟姉妹関係、ご家族関係まで見えてきました。「○○さん(わたしのこと)がいる、この曜日だから、児童クラブに来ている」と言ってくださった保護者さんもいらっしゃいました。児童クラブを離れることで、こどもたちの成長を間近で見ることができなくなったことはもちろん、こんな環境の児童クラブに置き去りにするような、こどもたちを裏切ってしまっているような気持ちになり、胸が張り裂けそうです。
 でも、あの児童クラブのことを考えると、つらくなり、涙が出て、今の仕事にも家事にも支障が出ます。
ー児童クラブで働くことでつらかったこと、理不尽だと憤ることは、多かったですか?
(Aさん)とても多かったです。今の職場で勤務を始めてみて、児童クラブとはまったく違って、こんなにも福利厚生やコンプライアンス、職員の共通意識や連携がしっかりしているのかと驚きました。日々を単にやり過ごせばいい、という(私のいた児童クラブの)管理職の考え方では、児童、保護者にとっても良くないことかと思います。
ーどういう児童クラブであれば、職員同士が円満に連携を取って業務に打ち込めると思いますか?
(Aさん)運営委員会には、支援が必要なこどものことをしっかりと告知すること。勤務年数だけではなく、その実績や勤務態度などを鑑みて評価をすること。特定の職員を私情でえこ贔屓しないこと。行政には、運営委員会の内情までを隅々まで監査すること。職員と利用者の声を聞くこと。職員の相談窓口を確保すること。
 こちらが揃えば、円満に勤務できると思います。
ーそういう理想的な児童クラブであれば、また放課後児童支援員として働きたいですか?
(Aさん)放課後児童支援員として働きたい気持ちはもちろんあります。ですが、今現在のような運営形態が大半である、出雲市の児童クラブ、ひいては児童クラブの世界である限り、もう働きたくありません。
(以上)
 Aさんはこれまでのハラスメントによって明確に体調に異変を感じるようになってしまったとのことです。何より、最初こそ、クラブ側とも同意の上で雇用契約を結んだにもかかわらず、雇用契約を結果的に反故にされたことがどうしても許せないとしています。なお、最初は年次有給休暇の付与分も使用も認めないというクラブ側の姿勢だったといいます。それは明確に法令違反であると指摘をして、しぶしぶながら年休の行使を認めるようになった、とAさんの話です。そもそも「しぶしぶ年休の行使を認める」ということ自体、おかしな話です。

<氷山の一角>
 わたくし萩原が一番、胸が張り裂けそうになったのは最後の問いで、「もう働きたくありません」という気持ちをAさんが強く強く感じていることです。法令順守を最優先としつつ児童クラブの事業運営の「プロ」による運営が行われるべきなのに、専業でないがゆえに事業責任を負わない人物による恣意的な事業運営が可能である仕組みがある児童クラブにおいては、よほど行政がしっかりと児童クラブの運営を管理監督しない限り、Aさんのような、まじめでこどものため、保護者のために頑張りたいという方に、しわ寄せが集中することが起こりうる。そしてそれは、Aさんだけが追いつめられたのではなくて、全国あちこちの恣意的な運営のクラブー法人格のあるクラブ運営事業者でも起こりうるし、利益計上のみに偏った事業運営でもまた同じーで、第二、第三のAさんがいて、苦しんでいるのだろうと、わたくしは思わざるを得ません。それは同じような悩みや相談が弊会に寄せられている現状から、否定できないのです。
 Aさんのことは氷山の一角であると、言わざるを得ません。

 わたくし萩原は、児童クラブの職員がその職務の専門性、責任感を胸に日々、長時間の激務を受け入れてなおその正当な対価を得ていない現状に、社会正義の観点で是正が必要だとして、この運営支援の活動を始めました。職務に見合う報酬の実現、労働時間や休日休暇が法令通りに遵守されるようにということは、基本中の基本です。それは裏返せば、まだまだ過酷な境遇に置かれている児童クラブ職員が存在しているということです。なお、職務を自覚せず理解せず、やりたい放題やっている児童クラブ職員もまた、残念ですが存在します。そういう輩のせいで、児童クラブ全体の評価が向上しないものとわたくしは残念でなりません。
 Aさんは私への最後のメールでこうつづってくれました。
「こどもの〝最善の利益〟とはなんなのか。保護者にとっても、こどもにとっても、〝こどもの居場所〟となりえる児童クラブとはなんなのか。今現在、保育に携わるすべてのおとなが真剣に、真摯に考え、取り組まなければいけない問題かと思います。社会的なインフラとなっている児童クラブが、素質のない管理職によって、好き勝手できる場であって良いはずがありません。自治体、ひいては日本という国が今すぐに、児童クラブの処遇の改善、制度の見直しを図ることを強く望んでいます。
そうでなければ、わたしのように、児童クラブを生涯の職にしようとさえ思っていた人間が次々に倒れ潰れていく未来しかないと思います。その影響を受けるのは他でもない、未来を担っていくこどもたちです」

 いつの日か、Aさんがまた働きたいと思えるような児童クラブがどんどん増えるよう、わたくしも精一杯、活動を続けていきます。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 放課後児童クラブ事業を考えている民間企業の方へ朗報! 児童クラブ参入の手引きとなる「埼玉県 放課後児童クラブ新規参入スタートブック」が公開されました。全40ページ。フルカラー。冊子は2部に分けて埼玉県福祉部こども支援課のページで公開されています。なお本スタートブックは弊会が作成受託しました。
(前編)
 https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook01.pdf

(後編)
https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/166938/r0803_houkago-jidou-club-startbook02.pdf

 「Wedge ONLINE(ウェッジオンライン)」にて2026年4月13日、「「こどもが学童に入れたから仕事も安泰!」なのか?小1、行き渋り、夏休み…いくつも存在する“学童保育の壁”とその対処法」という記事が公開、配信されました。(https://wedge.ismedia.jp/articles/-/40473)。わたくし萩原が編集部の依頼に応じて寄稿しました。ぜひご高覧ください。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

投稿者プロフィール

萩原和也