「打倒!小1の壁クエスト」第9話。やっぱり現れた!ど、どうすりゃいいんだ!デモンズウォールか!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性、学童保育のあらゆる問題の解決を訴えています。

 「打倒!小1の壁」クエストです。主人公は、来春にお子さんが新1年生となるご夫婦。小1の壁に困らないよう、ちょっと早めに動き始めたはずでしたが、世の中って厳しいです!

 ~打倒!小1の壁クエスト~第9話:やっぱり現れたか!ど、どうすりゃいいんだ!

(前回までのあらすじ)入所申請時に見かけたトラブル対応に、いろいろな人がいるものだと思った勇者夫婦。そして年が明け、待望の決定通知には、まさかの(あるいはやっぱりの?)入所不可の文字が!

 決定通知所に記された、4月からの入所が不可の文字。学童保育所に見学に行って、他の人よりもずっと学童保育について知ろうと努力していたのに、まさかの入所不可の通知。これが「小1の壁」なのかと、愕然とする勇者夫婦です。どうしよう、このまま学童保育所に入れなかったら、4月からどうやって生活すればいいのだろう。
 途方に暮れる2人。とりあえず、何か、解決策の糸口でも見つかればと、ハギを訪ねることにしました。

ハギ「久しぶりじゃの。その顔は、待機児童になってしまった、どうしたらいいのかと思い悩んでいる顔に見えるがの」
勇者ママ「ええ、本当に悔しいです。小1の壁がきちゃいました」
勇者パパ「とりあえず、どうしたらいいのか、何かヒントになることでもあればと思って」
ハギ「ほほう。そうじゃな、一番簡単なのは、待機児童を絶対に出さない地域に引っ越すことじゃよ。必ず4月に学童に入れる地域は、探せばあるものじゃ。まあ、そういう地域で行われている学童は、実は本当の意味の学童保育でないことが多いがの」
勇者ママ「引っ越すっていったって、そう簡単じゃないですから」。相当、不機嫌です。
ハギ「まあの、一戸建てを買ったりマンションを買ったりした夫婦には、引っ越しは無理じゃの。だがそうでなければ、えいやっと、待機児童が無い地域に越すのがいいんじゃよ。なんていっても、いまだに、学童保育で待機児童を平気で出すような地域は、子どもに関して予算を投下していない地域と思ってよい。ということは、今後も、子どもの施策について、その地域はお金をかけたくないということじゃから、満足のいく子どもへの行政サービスが、質も量も期待できない、ってことじゃ。そんな地域は見限って、よそに越した方がよいのじゃよ」

 確かに、小1の壁が騒がれ出してもう結構長い間になるようです。それなのに、待機児童を出すという地域は、学童保育の事というか、子どもの育ちに関して、あまり熱心に取り組んでいない地域だということは、それもそうだなと思い始めた2人でした。ただそれでも、学童に入れないから引っ越しだなんて、なんでこちらが、迷惑をこうむらなきゃいけないのか。
勇者パパ「おかしいですよね。学童にしっかり入れるようにしない行政が問題なのに、割を食うのが保護者だなんて」
ハギ「その通りじゃ。小1の壁対策では、よく、保護者側の対応や工夫が勧められておる。働き方を変える、異動をお願いして早く帰れる部署にしてもらう、あるいは近くの親類に頼むなど。引っ越しもまあそうじゃが、本来は、不十分な行政の施策のせいで、子育て世帯が働き方やライフスタイルの変化を余儀なくされる方が、まあ程度の問題ではあるが、大きく変化をさせられることのほうが、おかしいんじゃよ。だが、なかなか、大きな組織というか社会は、そうは変わらぬ」

 ため息が出る勇者夫妻。ハギは続けます。
ハギ「とりあえず、頼れる人はおるかの?」
勇者ママ「いいえ。引っ越してこちらに住んでいるので、私もパパも、親類は近くにいません。そんなに仲が良い人たちも、このあたりにはいません。保育所で同じクラスの人たちも、会えば挨拶はする程度の付き合いだから」
ハギ「まあ、今じゃ当たり前じゃの。この地域には児童館があるが、おぬしのお子さんが児童館に通うにはちょっと距離がある。小学生がいられる開館時間も午後6時までじゃ。あとは、ファミリーサポートという制度があるが、今から申し込んでも4月に間に合うかどうか。それにファミリーサポートは、こちらが頼みたい条件を引き受けてくれる人が見つからないと、利用できないんじゃ。便利なようで、なかなか制約もある」

勇者ママ「どうしたらいいんでしょう」
ハギ「まあ、そんなに不安がることはない。決定通知所に、待機番号が1番とあったようじゃな。であれば、繰上げで多分、入所はできるじゃろ。約束はできんぞ。だいたい過去の例からして、じゃ。学童保育に入所を申請しても、急に引っ越しが決まったり、習い事に行くことにしたり、祖父母が面倒を見てくれるなどの理由で、辞退する人もいないわけじゃないからの」

勇者パパ「それは期待できるんですかね」
ハギ「期待しつつ、ダメな時のことを考えたほうがよかろう。おそらくは、夫婦のうちどちらかが短い就労時間の部署に異動させてもらうよう勤め先に相談することが最優先じゃな。仕事を辞めてまでとなると、生活がかかってくるだろうからの」
勇者ママ「これが小1の壁の怖さなんですね。どうしてこんな壁があるんですかね。もう全く理解できません」
ハギ「昔、保育園落ちた日本死ね、って大騒ぎになったことがあってのう、あの時は保育所不足だったが、当然、何年かしたら学童不足になるのは目に見えていたんじゃ。国も学童利用者が増えると予測して、新放課後子ども総合プランなどで対策を打っていた。だがそれ以上に学童が必要な家庭が多かった。予測を誤ったの」
勇者パパ「予測は予測だから間違うことはあるでしょうが、予測が違っていると分かった段階ですぐに手を打ってほしかったですね。こっちは生活がかかっているんですからね」

 しばらく2人は勤め先に4月以降の勤務体系について相談をしていました。中々、いい条件の話が進まない間、2月に入ってしばらくして、学童保育の運営本部から通知が届きました。そこには、「4月1日から入所が可能となりました。希望の方は1週間以内に手続してください」と記されていました。待機番号1番だったおかげで、入所辞退者が出たのでしょう、繰上げ入所が可能となったようです。

勇者ママ「よかった!本当に良かった!でもそれはそれで、会社にまた話をしなきゃいけない。本当にもう、面倒くさい!学童面倒くさすぎ!!」

 入所手続きを済ませ、なんとか小1の壁は、ラッキーもあって回避できたようです。でも、それはこのクエストだから。しかもどちらかといえば棚からぼたもちでの幸運。現実には補欠入所、繰上げ入所もままならず、小1の壁に打ちひしがれて仕事を辞めざるを得なかった保護者が大勢いるのです。そのことは忘れてはなりません。さてこの後、勇者夫婦は安心の学童ライフを迎えられるのでしょうか。「打倒!小1の壁」のクエストで、小1の壁について学んで一緒に打倒法を考えましょう。(たぶん続く)

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育に関連する多くの問題、小1の壁の問題解決や、保護者の負担感といった学童保育に立ちはだかる多くの問題の解決について、学童保育の運営に関して具体的な実践と経験を積んだ代表が、具体的な解決策を提示することが可能です。

 学童保育の運営についても、育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供するとともに、個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

 (このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば、当ブログの引用はご自由になさってください)