3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(9月15日~9月21日)

 あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年9月15日から9月21日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・放課後児童クラブの入所手続きについて、「〇月〇日から始まります」という案内が始まる時期になりました。来年の春、児童クラブに子どもを入所させないと生活が成り立たない世帯は準備を進めていることでしょうが、もしまだ何も準備をしていないなら、すぐに準備にとりかかりましょう。待機児童という言葉がありますが、かつては保育所、保育園に入れなかった子どもの数を指して使われることがほとんどでした。いま、待機児童といえば、児童クラブの問題です。それだけ、児童クラブの入所が難しくなっているともいえます。(9月16日掲載)

・児童クラブの世界には様々な性の問題があります。生物学的な性や社会的に固定された役割としての性の双方で、もっといろいろな議論が盛んになっていくことこそ、業界のさらなる改善のために必要でしょう。男の子は、女の子はと、いろいろな場面で性別で区別している今の児童クラブの運営の在り方がこのまま続いていくのかどうか。職員の性も固定して考えることがいまや不適切な時代にもなっています。そういった難しい問題に継続的に取り組むためには、児童クラブの運営はよりプロフェッショナルな立場の者が取り組む必要があるでしょう。(9月17日掲載)

・放課後児童クラブ運営指針の改定案。「放課後児童クラブは、自ら進んでこどもの権利について学習を行った上で、育成支援を行う必要がある。」とあります。この内容、当たり前だよと簡単に思わないでください。これが実際に実践できているか、あるいは実践しようと努力しているクラブ運営事業者やクラブ職員が、どれだけいるのでしょうか。少なくとも、私のもとに寄せられるクラブ職員からの相談には、まったくこどもの権利について学びも理解もせずに子どもを単なる支配下の存在として扱っている職員や事業者のひどい実態がつづられています。このことを児童クラブ側が着実に実践しないと、児童クラブの社会的評価は今のままで変わりませんよ。(9月18日掲載)

・「#PTA放棄は子育て放棄」というトンデモ理論は、私に、放課後児童クラブの「任意性」について改めて考え直すきっかけにもなりました。PTAはその加入は任意にもかかわらず事実上の強制加入が強いられていることがPTAをめぐる問題の大きな一つと私は考えていますが(他には行政が本来費用するべき負担=コストを保護者に肩代わりさせている問題)、放課後児童クラブには任意性の問題も、強制の問題も共に存在するからです。(9月19日掲載)

・こども性暴力防止法(日本版DBS)施行を目指す国の第1回会議が開催されました。認定事業者を目指す児童クラブ事業者は、もう、施行に向けて準備にとりかからねばないのです。今の時点で「日本版DBSについて学ぼう」はそれはそれでいいのですが、運営事業者と、運営事業者をまとめる団体は、「具体的な実務についての助言」を出さねばならない時期にすでに入ったといえるでしょう。児童クラブが認定事業者にならないことには2つの重大な懸念があります。「子どもをクラブに通わす保護者が、職員の無罪潔白を求めないことで納得するか」ということと、「行政から補助金を受けて運営している場合、行政が認定事業者でなければ今後は補助金交付対象としない決定をする可能性が極めて高そうだ」ということです。(9月20日掲載)

・世間一般が抱く児童クラブへの印象が、あまりよくない。これは長年、児童クラブの程度の低さ、質の低さが利用者たる保護者に実感されてしまったことが積み重なった結果だと考えています。特に何もなく無事に数年間、児童クラブを利用していた保護者にとってはそのことが当たり前なので、格別に高評価を付けることは期待できないでしょう。むしろ、ちょっとした不手際や運営のまずさ、個人的に困った資質の職員の行動によって悪い印象だけが利用者である保護者、つまり社会を構成する人々の脳裏に刻まれ続けてきた結果なのだろうと、私は残念な想像をしてしまうのです。(9月21日掲載)

〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは9月15日から9月21日まで24の市区町村を紹介しました。(紹介済み800市区町村/全1741市町村)
三重県志摩市
静岡県島田市
長崎県島原市
北海道島牧村
大阪府島本町
高知県四万十市
高知県四万十町
北海道清水町
静岡県清水町
北海道占冠村
福岡県志免町
奈良県下市町
北海道下川町
奈良県下北山村
福島県下郷町
長野県下條村
長野県下諏訪町
静岡県下田市
栃木県下野市
茨城県下妻市
群馬県下仁田町
山口県下関市
北海道積丹町
北海道斜里町

〇インターネット上で扱われる、放課後児童クラブに関する質問や疑問に、運営支援の観点から回答する記事を掲載しています。9月21日までに掲載した記事は次の通りです。
放課後児童クラブの職場の特徴は何がありますか?(9月15日)
学童保育に行っている子どもは「荒れる」と聞きますが、なぜですか?(9月16日)
放課後児童支援員になるにはどうすればいいですか?(9月17日)
「学童落ちた」とは何ですか(9月18日)
放課後児童クラブはどうして子どもだけの帰宅を認めないのですか?(9月19日)
学童保育に関係する法律を教えてください(9月20日)
放課後児童クラブに必要な広さは?(9月21日)

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 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。お近くに書店がない方は、アマゾンや楽天ブックスが便利です。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)

※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営事業者に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演や、放課後児童クラブについて行政担当者・議員への勉強会講師のご依頼、大歓迎です。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
 メールアドレスは、info@aiwagakudou.com  になります。