託児所と学童の違いは何ですか?
一般的に、学童は小学生の託児所のような施設と理解されがちですが、全く違います。学童は単に小学生を預かるだけではなくて、小学生が遊びを通じて自己の能力を成長させ、生活の場として過ごすことで生活習慣や社会的なルールを身に付けていく場所です。子どもを預かって様子を見守る、宿題をさせる、その他の時間は自由に遊ばせて時間をつぶす場では、まったくありません。学童をめぐる大変大きな誤解といえます。
そもそも学童と一般的に呼ばれる施設は学童保育所ですが、学童保育所は大変幅広い事業を含んでいます。その中核は、児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業を行う場所である「放課後児童クラブ」です。この放課後児童クラブを学童保育所と呼ぶことが多いのです。この場合の学童保育所は放課後児童クラブであり、それはつまり、放課後児童健全育成事業が実施される場所です。この放課後児童健全育成事業には、子どもを預かることが目的であるとは、まったく記載されていません。留守家庭の子どもに「育成支援」を行うとなっています。
なお、託児所もまた一般的な名称で、いわゆる未就学児(0~5歳)を受け入れて過ごさせる施設を指します。認可施設で行われる場合もあればまったくの任意事業で行われる場合もあります。小学生を対象とした、単に子どもを受け入れて過ごさせるような託児所的な機能しかもたない施設も実は存在しています。そのような施設が「学童保育所」と自称していることもあります。実は学童保育というのはあくまで一般的な名詞なので、誰であっても自由に「学童保育所」と名乗ることができ、罰則も何もありません。託児所的な機能しか持たない学童保育所はそういう意味では存在が可能、ともいえます。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)