民間の学童保育とは何ですか?
学童保育とは、放課後や夏休みなどの小学校が休みの日(休業日)に、働いていたり学校に通っていたりする理由のために自宅を留守にする状況がある保護者の子どもに、過ごす場所を用意しておき、保護者が再び子どもの監護ができるまでの状況まで子どもを過ごさせておく仕組みを指します。その仕組みが行われる場所が一般的に「学童保育所」と呼ばれています。
学童保育を行っているのは市区町村だったり企業、保護者会だったり、いろいろな組織、団体があります。その中でも民間が行う学童保育は増えています。その「民間」の学童保育にもいくつかの種類があります。大きく分けると、法律で定められた「放課後児童健全育成事業を行っている民間の学童保育」と、「放課後児童健全育成事業とは関係ない事業を行っている民間の学童保育」の2つに分けられます。マスメディアで民間の学童保育という文言が使われる場合、後者の、放課後児童健全育成事業とは関係ない事業を行っている民間の学童保育を指すことが多いようです。
放課後児童健全育成事業と関係ない事業というのは、英会話だったり学力向上の学習時間だったり、あるいはスポーツ、ダンスなど、特定のプログラムを中心に子どもたちにサービスを提供する事業です。学習塾やスポーツクラブ、英会話スクールの拡大版と思っていいでしょう。放課後や夏休みなどの時間に子ども達を受け入れて、そこで英会話や学習指導などのサービスを提供する施設ということです。
国が定めている放課後児童健全育成事業ではないので国や自治体からの補助金は基本的に交付されませんから、利用者が支払う利用料、月謝で事業を営みます。よって費用が比較的高額となります。5万円から、いろいろなサービスを利用すれば10万円近くになる場合も珍しくありません。その代わり、放課後児童健全育成事業である施設と比べて、夕食提供や送迎サービスがあるなど利便性の向上には力を入れている施設がほとんどです。
利用する、しないはあくまで保護者が決めるものです。比較的高額な利用料ゆえに、数千円から1万円台半ばが多く相対的に安い料金の放課後児童クラブ、学童保育所とはそう簡単に比べられませんが、家計に余裕がある、特定のサービス内容に魅力を感じるという世帯であれば、利用の選択肢に十分入ってきます。施設の数も増えていますから、今後はさらにサービス内容の拡大も期待できそうです。
ちなみに、厳密には、放課後児童健全育成事業を行っている株式会社やNPO法人、一般社団法人や保護者会も「民間」ですから、民間の学童保育所に含まれます。市区町村が設置して運営は企業が行っている児童クラブ、学童保育所も「民間の学童保育所」としては間違っていないので留意が必要です。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)