3分30秒で読めます!先週の運営支援ブログ・短縮版(7月21日~27日)
あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年7月21日から7月27日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。
・夏休みに放課後児童クラブでアルバイトをする方、特に学生の方へ。「アルバイト」というと気楽なイメージがついてまわるかもしれませんが、「雇用契約に基づいて働く」わけですから、定められた契約に従う立場です。そして、労働時間の対償として賃金を受け取ることになります。その賃金は、税金だったり保護者が支払った利用料だったりします。働いて賃金を受け取るということは、社会経済に組み込まれた存在になるということです。社会の歯車の1つになるということですよ。「アルバイトとして働く時間は社会人。遅刻や無断欠勤は最低最悪ことと受け止めなさい」と、まずお伝えします。時間にルーズな人は、アウト。それは「人間として信用できない」と判断されるからです。(7月22日掲載)
・放課後児童クラブにおける昼食提供が広がっています。保護者の利便性の向上から求められる昼食提供ですが、学校給食が栄養とカロリーの補給に重要となっている貧困世帯、経済的に困窮している世帯への食の機会提供という児童福祉の増進として児童クラブにおける昼食提供は考慮されるべきです。児童クラブの利用料の減免に連動した費用設定は当然、就学援助世帯を基準に無料とする、しないの設定が理想でしょう。受益者負担という経済原則よりも、児童福祉の観点を重視してください。メディアはその観点で昼食提供の重要性を社会に訴えてほしいですね。(7月23日掲載)
・放課後児童クラブを開業するには手持ちの貯金2,000万円で始めたほうが良いでしょう。私の個人的な意見ですが、開業資金の全額をクラウドファンディング、いわゆるクラファンで集める事には否定的です。児童クラブも他の事業と同じ。ビジネスです。開業に関して、そしてその後当分の間の運転資金は、私は自前の貯金もしくは金融機関から借り入れて行うべきだと個人的には考えています。金融機関から借り入れができることはすなわちそれなりに社会的に「評価」されていることの現われです。返済は確かに大変ですが、それこそ「覚悟」です。もっとも、非営利法人や団体がすでに児童クラブを運営していて、補助金の交付時期がずれている間の運転資金が必要といった個別の独自の事情に際してのクラファンには私は異議はまったくありません。むしろ行政が悪いことを自助努力で何とかしているということですから。(7月24日掲載)
・最低賃金が過去最大の50円を目安に引き上げられる方向になりました。この引上げは2025年度以降の、国の児童クラブへの補助金額に反映されます。ところがこの引き上げ額がそのままそっくりと職員の給与に転嫁されるのでしょうか。残念ながら答えはノーでしょう。この数年の最低賃金引き上げもなかなかの上げ幅でしたが、そのままの賃金上昇となっているかといえば決してそうではない現実があります。とりわけ、業界トップ級の広域展開事業者で働く人の話を聞く限り、正規・常勤職員の基本給はここ数年、据置きになっています。では増えた補助金はどこに消えた??言わずもがな、です。つまり、最低賃金引き上げ→補助金の増額→「クラブ運営事業を効率的に行って経営努力の結果として生まれた利益は獲得してよいので、しっかりいただきます」と事業者だけが喜ぶ、という構図にさらに安定性を与えるだけです。(7月25日掲載)
・小学校の校庭で、衝突により相手を負傷させた小学生に損害賠償が命じられた裁判。児童クラブ職員は子どもの管理監督が義務ですから同種事案による訴訟リスクを低下させるには「最善を尽くす」ことしかありません。その最善とは、「与えられた環境、条件で、最も効果的に、事故や事案の発生を防止すること」であり、「与えられた環境、条件を改善できるようにクラブの現場側は運営側に対して常に事態改善を求める要求を発信し続けること」です。いわば、前者は、不利な条件の中で子どもたちを何とか守ろうという行動であり、後者は、不利な条件の中で不幸にも事故や事案が起こってしまったときに自己防衛に役立つ、ということです。後者については、事故や事案の起こった責任を現場の職員だけが負わされるということを回避するために必要です。(7月26日掲載)
・保護者同士がトラブルの解決のために話し合う手法が、今の時代に果たして通用するかどうか、実はもう無理な時代になっているのではないかとも私は考えます。保護者同士が膝を突き付け合って話し合い、ある程度まで歩み寄れるまで話をすることで互いに解決点を目指すという、本来なら人間同士の関係として当然に求められることが、なかなか今の保護者には理解されない、あるいは経験がないのでその価値が理解されていないのではと思うからです。もっと言えば、「人間関係は、お互い様」「もちつ、もたれつ」という、ある意味で旧態依然としている、人間関係の潤滑油的な手法についてその意義を認めない、あるいはそもそも知らないという保護者同士での交渉は、「いかにして相手を論破するか、相手の主張を打ち破ってこちらの意見を全面的に受け入れさせるか」を目標に行われてしまいがち、だということです。(7月27日掲載)
・3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは7月21日から7月27日まで、以下の21市区町村を紹介しました。(紹介済み675市区町村)
東京都小金井市
東京都国分寺市
大分県九重町
静岡県湖西市
秋田県小坂町
和歌山県古座川町
埼玉県越谷市
北海道小清水町
奈良県五條市
秋田県五城目町
青森県五所川原市
山梨県小菅村
奈良県御所市
新潟県五泉市
東京都小平市
福岡県小竹町
静岡県御殿場市
長崎県五島市
鳥取県琴浦町
香川県琴平町
滋賀県湖南市
※インターネット上で扱われる、放課後児童クラブに関する質問や疑問に、運営支援の観点から回答する記事を掲載しています。7月27日までに掲載した記事は次の通りです。
放課後児童クラブの運営主体は?(7月21日掲載)
学童の支援員は何歳までできるのか(7月22日掲載)
児童クラブの問題点はなんですか(7月23日掲載)
学童保育のバイトはどのような人がむいていますか(7月24日掲載)
放課後児童支援員になるにはどんな資格が必要ですか?(7月25日掲載)
学童はなぜ小3までしか通わせられないのですか?(7月26日掲載)
放課後児童クラブと民間学童の違いは何ですか?(7月27日掲載)
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放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。お近くに書店がない方は、アマゾンが便利です。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)
※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営陣に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演は大歓迎です。学童保育に関する職員、保護者の方の個別の相談には原則、無料で応じております。お気軽にお問い合わせください。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
メールアドレスは、info@aiwagakudou.com になります。