放課後児童クラブは何のためにありますか

 2つの目的があります。1つ目は前提条件とも言えますが、「保護者が安心して仕事をしたり学校に通ったり、介護や看護などができる時間を確保できるため」です。そして2つ目が、「児童が放課後児童クラブで健全に育つこと」です。

 子育ての第一義的な責任は保護者にありますが、保護者が仕事等の用事で家庭を不在にする時間帯に、児童を安全安心な場所におき、その場所で児童が児童クラブの職員から支援、援助を受けつつ、自らの力で育っていくこと。これが放課後児童健全育成事業の中心であり、その事業が行われる場所が、放課後児童クラブです。

 言い換えれば、「児童に対して育成支援を行う場」が放課後児童クラブである、ということになります。学童保育所は、その指し示す範囲が大変広く、「育成支援」を必ずしも必要としません。英会話やダンス、スポーツなど各種活動を主たる活動として児童にサービスとして提供することは育成支援ではありませんが、そのようなサービスを提供する施設も学童保育所と一般的に理解されています。よって、放課後児童クラブで行われることが、すべての学童保育所で行われるとは言えませんし、すべての学童保育所で行われるサービスが放課後児童クラブでも同様に行われることではまったくありません。放課後児童クラブは、学童保育所の1つの形態であるという理解が最も正解に近いでしょう。(ただし、正解はありません。放課後児童クラブも学童保育所も、市区町村が、「うちはこれが放課後児童クラブ・学童保育」とみなせば、そうなるからです。つまり市区町村の数だけ、正解があるとも言えます)

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)