高学年になったら学童保育は不要?そんな考えの支援員が存在することが残念です。
学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。
私が学童保育に運営者としてかかわってきた中で、いろいろな疑問や課題に直面してきました。その中でも、毎回、うんざりすることの1つが、「高学年になったら、もう学童保育は、いらないでしょ」という趣旨の発言を聞くことでした。
それは例えば、行政関係者から聞くことがあります。趣旨としては、学童保育所の在籍者数が大変多くなっているので、できるだけ低学年の子どもを入所させたいがゆえに在籍中の高学年には退所していただきたい、という意味を込めていたことが多かったと記憶しています。「学童保育は保育所と違い、受け入れの義務はない」「高学年になれば、学童保育所で過ごさなくても、いろいろなことができるようになるでしょう」という見方が、その根底にあります。
その見方は実のところ、学童保育所で子どもの育成支援に向き合う放課後児童支援員や補助員、運営担当者にも、結構はびこっているのではないでしょうか。SNSにおいても、高学年は学童で過ごさなくてもいい、高学年は自立しているから、という趣旨の投稿を見かけます。
子どもが高学年になり、自分で、自分のやりたいことを認識して、それが学童保育所では実現できない状況になったとき、学童保育所を退所することは当然のことと私も思います。それは、子どもが、その時点において必要な自主性や社会性を身につけられたということです。まさに、自立なのでしょう。
ですが、子どもの自立を体現できる機会は、学童保育所で過ごす高学年にもたくさんあります。一定のグループ(生活班など)でリーダーとなって、異年齢の子どもたちのグループをまとめて率いることは、とても重要な体験です。それこそ、社会性を存分に発揮できる機会です。
放課後児童クラブ運営指針には、「おおむね11歳~12歳の子どもへの配慮」として、育成支援上の配慮事項を上げています。そこには、「ある程度、計画性のある生活を営めるようになる時期であることを尊重し、子ども自身が主体的な遊びや生活ができるような関係を大切にする」などと記されています。つまり、学童保育所の中の世界であっても、高学年がその成長発達の過程に即した、学童保育所での過ごし方を実践することで、さらに子どもの主体性や社会性が伸長できるのです。むしろ、多くの人とのコミュニケーションを図る機会が学童保育所には存在します。
その、とても貴重な体験ができる学童保育所から、高学年になったからといって、「もう学童には来ないでいいのに」という感情を持ってしまう放課後児童支援員や運営責任者がいるとしたら、私はとても残念です。
繰り返しますが、学童保育所の外の世界で、自分の活動を見出した子どもは、それは素晴らしいことであり、ぜひとも学童保育所ではない世界でチャレンジを続けてほしい。しかし、「高学年になったから学童保育所はもういらないでしょ」という短絡的な考えを、学童保育の関係者には持っていただきたくはないのです。大規模で人数を少しでも減らしたいというのは、別の次元の課題(施設整備の不備の問題)であり、学童保育所から子どもを追い出すような形の思考に結びつけることは、重大な過ちです。
高学年だから学童はいらないとか、育成支援が使命であり任務であるにもかかわらずに相変わらず指導員と呼び続けているとか、学童保育の中の人間が学童保育の存在価値や使命、専門性を自ら貶めるような言動を見聞きするたびに、私は本当にがっかりし、うんざりしています。これでは、いくら年月が過ぎても、学童保育と言う世界は「それなりの、子どもを預かるだけの施設」としか評価されませんよ。学童保育を必要としている子育て世帯があるなら、そのニーズに応じていくことと、学童保育に子どもが通い続けることができるように必要な援助を行うことは、学童保育所の最低限の責務です。
改めて、学童保育所は、子どもたちにとってどういう存在なのかを、学童保育の内部の人が考えていかねばならないと私は思っています。
「あい和学童クラブ運営法人」は、子どもの主体性や社会性、創造性を伸ばす場所である学童保育所における育成支援の重要性を社会に伝えるべく、具体的な提言をしています。また、育成支援の質の向上に直結する研修、教育の機会を提供できます。学童保育業界が抱える種々の問題や課題について、具体的な提案を行っています。学童保育所の運営について生じる大小さまざまな問題について、取り組み方に関する種々の具体的対応法の助言が可能です。個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に講演や具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。
子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。
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