報道機関に期待したいこと。放課後児童クラブ(学童保育所)の現実、ありのままの様子を特集して報じてください。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台にした(とても長い)人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン (https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。ぜひ手に取ってみてください! 「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く成長ストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!

 毎日新聞が北海道の紙面にて、放課後児童クラブに関する連載記事を掲載しています。全4回の連載のようで、毎日新聞のウェブサイトでは、2025年12月19日から掲載が始まっています。(https://mainichi.jp/%E5%AD%A6%E7%AB%A5%E4%BF%9D%E8%82%B2%E3%81%AE%E7%8F%BE%E5%9C%A8%E5%9C%B0/
 児童クラブのことがメディアで取り上げられることは、運営支援は大歓迎です。しかも現場や運営の現実を伝えてくれる報道は本当に貴重です。ぜひ多くのメディアに児童クラブの現実を多角的な方面から伝えていただきたいと期待しますし、弊会もお手伝いいたします。
 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)
 New! いわゆる日本版DBS制度を専門分野の1つとして事業者の取り組みを支えたいと事業活動を始めた新進気鋭の行政書士さんをご紹介します。「行政書士窪田法務事務所」の窪田洋之さんです。なんと、事務所がわたくしと同じ町内でして、わたくしの自宅から徒歩5分程度に事務所を構えられておられるという奇跡的なご縁です。窪田さんは、日本版DBS制度の認定支援とIT・AI活用サポートを中心に、幅広く事業所の活動を支えていくとのことです。「子どもを守り、あなあたの事業も守る。」と名刺に記載されていて、とても心強いです。ぜひ、ご相談されてみてはいかがでしょうか。お問い合わせは「日本版DBS導入支援センター | 行政書士窪田法務事務所」へどうぞ。

<骨太の連載です>
 毎日新聞で始まった連載は「学童保育の現在地」というシリーズタイトルが付けられています。もうそこですでに、現状をありのままに伝えたいとする記者の決心がうかがえます。実に力強いですね。
 ウェブサイトによると、1回目は「子ども支える「専門職」 待遇の低さ改善進まず 支援員「休憩も取れない」(12月19日)です。
https://mainichi.jp/articles/20251219/ddl/k01/100/030000c
 2回目は「行き渋る子も 過密化で個々把握困難 待機児童ゼロ、対応には苦慮」(12月20日)です。
https://mainichi.jp/articles/20251220/ddl/k01/100/022000c
 3回目は「民設クラブの課題 保護者運営、負担多く 手厚い保育 児童確保には苦戦」(12月21日)です。
https://mainichi.jp/articles/20251221/ddl/k01/100/020000c
 4回目は、ウェブにアップされた後に追記します。

 有料記事ですから、契約していないと全文を読めないのですが、取材で得た情報や取材を基にした意見、オピニオンや主張は(一定の期間については)有料でこそ価値があって無料であってはならないとわたくしは考えるので、これは仕方ないですね。ただいずれ無料で公開される期間があると聞いていますので、記事が公開され次第、運営支援ブログでもご紹介いたします。

 わたくしはこの連載を手掛けている記者に取材を受けました。連載3回目には顔写真とコメントも記事の中に掲載されています。紙面に掲載された記事も全部読んでいますが、まさに「現場を知った記者でしか書けない記事」が掲載されています。
 しかも、単に「現場を知っている」だけではありません。取材対象となる世界、この連載記事の場合は児童クラブという世界ですが、その世界に関して事前の学習、調査をしっかりとして知識や問題点の把握を済ませていないと、現場を見に行ってみたり現場にいる人の話を聞いてみたりしたぐらいでは、表面的な事柄しかつかみとれず、記事もなかなか深みがあるような強い訴求力を持ち得ません。その点、「学童保育の現在地」の連載記事は、記者が事前に児童クラブの世界について十分理解をしてから多角的な取材を重ねていることが、少なくとも元記者のわたくしには感じられます。実に骨太の内容です。児童クラブのありのままを社会に発信してくれる記事で、本当にありがたいですね。

 児童クラブに関する記事は、こども家庭庁や行政機関の発表したデータ、報告によるものもあれば、こうした取材記事、ルポルタージュ的な記事もあります。どちらも児童クラブを取り上げてくれる記事ですので運営支援は歓迎ですが、前者のようないわゆる「発表モノ」(最近は「コタツ記事」と揶揄されているようですが)だけではなくて、取材を重ねた現場ルポ(昔は「足で稼いだ記事」と呼ばれたものです)を、とりわけ児童クラブの世界では必要としていると、わたくしは感じています。

<現場で見えてくるもの>
 まず先に言っておきますが、わたくしは「あいつは現場を知らないから」という見方や批判には懐疑的です。典型的な例では、企業や組織における役職が上にある立場の者に対して、下位の立場にあって現場を知っている者が「偉い人は現場を知らないからね」と吐き捨てる様に言うことがありますが、わたくしはそれを全否定します。まず、役職が上の者はその立場において必要十分な仕事をするにおいて、「現場の様子をつぶさに見る」ことは、百聞は一見に如かずと言っても、こなすことが必要な業務としては必須ではないとわたくしは考えます。それは、実際に現場に足を運んで見聞きする者が、的確に正確に現状、問題点そして今後の課題の解決に関して上司に報告すればよいことです。仮に「上司が現場を知らない。分かってくれない」というのは、もちろん上司の現場軽視の姿勢は影響するでしょうが、諸々の点で仕事ができる上司や役職者なのに現場のことについては理解が欠けるとしたら、それは下位の者、部下が、現場についてしっかりと上司や役職者に報告や分析の解説をできていないという可能性が高いはずです。

 ですので必ずしも現場に足を運べ、ということは絶対条件ではないとわたくしは考えるのですが、その代わりに現場をしっかりと伝える手段や方法が必ず必要です。まさに今回の毎日新聞の連載記事のような存在が必要です。

 ただし、行政のトップや政治家が現場を視察するパフォーマンスがありますね。「仕事をしているポーズ」を内外に見せつけるしぐさです。これについては、「本当に困っている現場、課題が山積している現場」こそ見に行くべき、足を運ぶべき現場だとわたくし萩原は信じて疑っていません。ところが、大臣や首相が現場を見に行くときは、万全に整えられた現場、うまく円満に事が進んでいる現場を周囲が訪問先に選定して連れていくことが多いのではないですか。児童クラブなんかまさにそのようにわたくしには感じられます。こども家庭庁は、大規模で大変な現場に大臣を案内するべきでしょう。あるいは、職員がとても足りなくて疲弊しきっている現場を案内するべきです。

 そうではないと、現場で見えているものが社会に伝わりませんし、物事を変えることができる立場にいる人に届きません。実際に現場訪問、視察の機会はそうそうないですから、だからこそ、今回の毎日新聞の「学童保育の現在地」のような、実態をしっかりと伝える記事が必要なのです。そういう記事、それも連載によって多角的に、様々な課題や問題点をありのままに伝える報道が必要です。児童クラブでいえば、職員の劣悪な雇用労働条件、大規模状態に伴うこどもが過ごす環境の悪化、保護者が運営する民設児童クラブにおけるガバナンスや事業運営上の困難な問題、などをしっかりと伝える内容の連載や特集記事が、必要です。

<まさに必要なのが「日本版DBS制度」の特集や連載だ>
 いまから1年後、日本において新たな制度が始まります。通称・こども性暴力防止法による、いわゆる「日本版DBS制度」です。学校や保育所のような義務となる業界と、学習塾や放課後児童クラブのように任意で制度の受け入れを判断できる業界があります。こどもに関わる(この場合の関わるというのは、短期間に遊んで交流するという意味ではなく、継続的な上下関係が閉鎖的な空間、環境において存在しているという関わりを意味しています)業界に、性犯罪を抑止する施策を強力に求めることと、特定の性犯罪の前科がある人物の存在を把握して、その人物をこどもと関わる業務に就かせることについて事業者は慎重に判断する、という制度です。法制度の建前はそうなっていますが、わたくしはこれは事実上の就業制限になるものと予想しています。つまり、どんな内容であっても特定の性犯罪の前科があると判明した人物はこどもと関わる業務には事実上、就かせないという判断が事業者もっと言えばこの社会によって当然に下されるであろう、ということを予想しています。罪を憎んで人を憎まず、ということばがありますが、それは、自分のこどもが性犯罪に遭うかもしれないリスクを極力ゼロにしたい保護者にしてみれば、「どんな内容であれ前科がある人物に、うちのこどもに関わってほしくない」と思うところを、「いやいや、罪を憎んで人を憎まずですよ」と言われてすんなりと受け入れられるはずがないからです。
 (もっといえば、これは日本社会の傾向なのでしょうか、過去の失敗を許さないとか、低く評価するという風潮もまた影響しているのではとわたくしは感じます。失敗した者を執拗にたたく、さげすむというのは、わたくしには残念な風潮に感じます)

 日本版DBS制度そのものについて、理念や考えられる運用について、いまこそ特集や連載による報道が必要です。とりわけ、児童クラブの世界には、「認定事業者になる道を結局は選ばざるを得ない事情」や、「戸籍取得など一連の手続きと、その手続きの負荷に伴う新規就労希望者確保の問題点」や、「現在働いている人(現職者)に特定の性犯罪の前科が確認された場合の、中小零細規模の児童クラブ事業者が直面する課題」や、「不適切な行為を指摘された後の対応」について、現場に確実に混乱をまねきかねない種々の事態が想定されているのです。このことを、ぜひとも、報道機関が、専門家の意見や分析を交えて報道してほしいのですね。
 これらは実のところ、まだ児童クラブの現場については残念ながら、ほとんど意識されていない点です。わたくしが思うに、児童クラブの圧倒的多くの現場は、(まずはそもそも政治や社会のニュースはあまり見ない、知らないという状態がある中で)「日本版DBS? 過去に性犯罪をした悪人を現場から追放する制度でしょう? だったら素晴らしい制度ですよ」という表面的な理解に留まっていて、もともと歓迎の姿勢があるのでその先に隠されている問題点や課題があるとはついぞ想像しないのでは、ということではないでしょうか。あまりにも児童クラブの運営や現場職員に、この日本版DBS制度についての理解が広まっていないことを、わたくしは本当に心配しています。

 だからこそ、テレビや新聞、ネットニュース、雑誌などありとあらゆるメディア、報道機関が、日本版DBS制度について「1年後に始まる」というタイミングがあるのですからぜひともどんどん報じてほしいのです。できれば連載や特集記事でお願いします。児童クラブに関する日本版DBS制度については、わたくし萩原がコメント対応OKですし、法制度を踏まえた問題点は、児童クラブの運営者でもあった弁護士の鈴木愛子氏が積極的に対応できています。手続き上の問題点や懸念点は行政書士の戸田大介氏をはじめ多くの行政書士の先生が今、声を上げています。いずれもご紹介できますので、メディアの方はぜひともお気軽に運営支援にお問い合わせください。(実は昨日21日もテレビメディアからDBS制度の取材依頼がわたくしにあり、適任者を紹介したところです)

 児童クラブを悩ます職員の劣悪な雇用労働条件、こどもたちの生活環境を脅かす大規模問題、運営に関わる保護者の苦悩と負担、日本版DBS制度、児童クラブにまつわる種々の問題は、世間にまだまだ知られていません。「こどもを預かる気楽なお仕事」という誤解がまだまだ根付いています。そうではないんです。とっても難しくて、でも大切な重要な専門職なのです。(残念ながら、その専門職という仕事を自ら否定するようないい加減な仕事をしている児童クラブ職員も、まだまだいるのも事実です)児童クラブの健全な発展のために、どうぞメディア、報道機関は児童クラブのことをどんどん世間に伝えてください。ドラマ、漫画、映画によって伝えられるならなおさら効果的です。そこには人間ドラマが渦巻いていて、とても魅力的な題材です。まして今や小学1年生の2人に1人は児童クラブを利用しているのですから、簡単にいえばこの国の子育て中の保護者の半分は児童クラブに何らかの形で触れている、つまり知っている世界になっているので、ドラマや漫画、映画にしたときに親和性をもたらし、描かれる内容の連想が用意であったり、共感を沸き起こしたりすることが可能ということです。わたくしの小説「がくどう、 序」も使えますよ! 

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

投稿者プロフィール

萩原和也