3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(11月17日~11月23日)

 あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年11月17日から11月23日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・全国学童保育研究集会にオンラインで参加したことで感じたこと。保護者が運営する児童クラブが「絶対的な善である」という大前提が出発点。である限り、どのような問題や課題が報告されたとしても「絶対的な善である保護者運営の児童クラブの存在はゆるがない」。それでは現在、積もり積もっている問題や課題は解決しない。なぜなら、大前提が守られる限りにおいて問題や課題は「仕方がないもの」となってしまう。大前提が守られるならば許容、受容しなけばならないものだとして片付けられてしまうからだ。本来は「本当に、保護者運営の児童クラブには致命的な弱点がないのだろうか」ということも考えねばならないのだ。なぜ、これほど保護者運営系の児童クラブが減少しているのかその事実を直視すれば、致命的な弱点があることは容易に想像できるはずだがその現実を踏まえていないので、議論を広めようがない。(11月18日掲載)

・病気で休むときに使える特別休暇は、特に現場職員にとって大変ありがたいものです。ぜひ制度を整備しましょう。職員が、手取り額を気にすることなく、安心して病気の治療に専念できることは、病気の快復にも効果的でしょう。なにより、職員を安心させることが事業者の務めです。(11月19日掲載)

・新潟市はこのほど、児童館等の指定管理者選定において、市内の中小企業に5点の加点をする審査基準で選考を行いました。たった5点ですが、されど5点。白根南児童館の選定では、評価表による評価では1位が82.3点、次点(2位)だった社は78点だったものが、この加点の5点を受けた次点の社が逆転し、指定管理者の候補者に選定されたのです。 同様に、白根北児童館でも、評価表による評価で1位だった社は84.8点、次点は80.6点だったものが、次点の社のみに市内中小企業の加点5点を受けて85.6点となり逆転で候補者に選定されました。味方児童館でも同じような現象となり、こちらも次点の社が5点の加点を受けて0.7点差で逆転で候補者に選定されたのです。市内の中小企業に与えられる5点が最終結果を左右することになったのは、極めて印象的です。(11月20日掲載)

・公営クラブを民間委託して、民間のノウハウで支援員確保に期待する。その理屈ははたしてどうなのか。公営クラブである限り職員の待遇改善は見込めません。民間委託をすれば職員が集まりやすくなるという外形的な動きは、民間のノウハウの活用ではなくて、単に、賃金水準を上げることができるからでしょう。公営クラブでは事情があって賃金を上げられない。だから民間委託をする。私は、そう考えています。民間のノウハウの活用といっても、他地域で働いている職員を欠員対応で応援派遣できるか、有料求人サイトに求人広告をばらまくぐらいのことしかできませんよ。行政側はそれを知っているでしょう。ただ「自分たちでは給料を上げられないので、民間にします」とは言えないだけです。「上げればいいじゃないか」と批判を受けるだけですから。(11月21日掲載)

・ またしても放課後児童クラブ職員による児童への性犯罪の報道。事業者は、職員に対して、日本版DBSについて、子どもへの性加害の問題について、何も注意喚起、啓蒙をしていなかったのでしょうか。わたしのまったく個人的な感想(このブログがそもそも、そうですが)ですが、児童クラブで働く職員は正規職員であっても、子どもの保育や育成支援については熱心ですがそれ以外のこと、特にニュースで伝えられる社会情勢や政治、経済の動きについてはほとんど興味がない人が多いと感じます。はっきりいって「常識を知らない」方が多い。よく児童クラブからは「専門性があるのにこんなひどい待遇」という恨み節が上がりますが、専門性は常識、教養が備わったその上に成り立つもの。この報道のように、日本版DBSについてまさに世間が話題にしていた時期に子どもへの性加害を行っていたことが事実であるなら、たった1人のふるまいであっても、世間は「児童クラブの世界は、ろくでもない人間がやっぱり多いんだな。そんな世界の給料なんて最低賃金で十分だ」という認識に落ち着きますよ。(11月22日掲載)

・国が公表した総合経済対策に、保育士と幼稚園教諭の給与を10.7パーセント引き上げる処遇改善策が盛り込まれました。運営支援はこの決定を歓迎します。と同時に、報道で「保育士と幼稚園教諭」となっている点に留意します。公式発表には、放課後児童支援員が対象となるとは記載されていません。大事なことは「確認」です。ここは、業界団体が政府に必ず確認することが必要です。直接でもいいですし、国会議員さんにお願いして確認してもらうのもいいでしょう。「こんどの経済対策の、保育士等の処遇の抜本的な改善には、放課後児童クラブで従事する職員が対象になっているのかどうか」の確認を必ずしましょう。(11月23日掲載)

〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは11月17日から11月23日まで18の市区町村を紹介しました。(紹介済み978市区町村/全1741市町村)
富山県立山町
香川県多度津町
福島県棚倉町
和歌山県田辺市
高知県田野町
岩手県田野畑村
山梨県丹波山村
愛知県田原市
山口県田布施町
東京都多摩市
福島県玉川村
三重県玉城町
熊本県玉名市
岡山県玉野市
群馬県玉村町
福島県田村市
佐賀県太良町
熊本県多良木町

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 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。(ぜひとも萩原からの直接購入をご検討ください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!)

 現在、放課後児童クラブを舞台にした小説を執筆中です。とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説になりそうです。放課後児童クラブに関わる大人たちにスポットを当てた小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。出版にご興味、ご関心ある出版社さんからの連絡をお待ちしております。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。

※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営事業者に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演や、放課後児童クラブについて行政担当者・議員への勉強会講師のご依頼、大歓迎です。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
 メールアドレスは、info@aiwagakudou.com  になります。