<運営支援ブログ・ミニその15> 夏休みが終わると放課後児童クラブ(学童保育所)は、小さな別れの季節。保護者へ特に伝えたい。
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者をサポートする「運営支援」を行っている「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台に、新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く、成長ストーリーであり人間ドラマ小説「がくどう、 序」を書きました。アマゾンのみで発売中です。ぜひ手に取ってみてください! (https://amzn.asia/d/3r2KIzc) お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
本日(2025年8月20日)は所用のため<ミニ>。毎年繰り返されていることですが、夏休みが終わった放課後児童クラブのことをつづります。小さな別れの季節のことを。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
(おしらせ)弊会代表萩原が2025年9月1日付で社会保険労務士の登録を埼玉県社会保険労務士会(大宮支部所属)で行い、同日付で「あい和社会保険労務士事務所」を自宅住所にて開設いたします。これに合わせて、9月以降、当ホームページのリニューアルを行います。あい和学童クラブ運営法人のページと、あい和社会保険労務士事務所のページの2本立てになる予定です。
<夏休み明け、児童クラブはどっと入所者が減ります>
夏休みの間の児童クラブは、夏休み期間のみ入所を希望する世帯が大変多いことから分かるように、どこもかしこも大混雑です。国の基準で定められている、こども1人あたりおおむね1.65平方メートルを割り込む状態は「大規模状態」ですが、あちこちで大規模状態。こどもたちでギュウギュウ詰めです。
でも、夏休みが終わると、こどもの入所人数は、ぐっと減ります。そうです。退所者、退会者が増えるのです。やっぱり夏休みの、朝から夜までの留守番が不安な保護者が多いのです。夏休みが終わるのと同時に、8月末日で、児童クラブを退所するこどもは、ごく普通に大勢います。退所、退会するこどもたちは「やった!これで家で自由に動画が見られる!」と喜んでいるでしょうか。児童クラブ、学童は、親が働くために自分が行かなきゃいけない大事なところだと、こどもなりに理解はしていても、費用対効果などいろいろなことを考えて保護者が児童クラブ退所を決めると、うれしがるこどもたちは大勢いるものです。学童を辞めたくない、退所したくないと訴えるこどもの家は、よほどのことがないと年度途中退所はありませんし、そういうこどもの親自身が児童クラブ、学童が大好きな場合も多いので、夏休み明けだからといって途中退所は、あまりありませんね。
思いを巡らしてほしいのは、「仲良しが、夏休みの終わりとともに児童クラブを退所してしまった、引き続き児童クラブを利用するこども」と、その子の気持ちです。ずっと一緒にクラブで遊んできたのに、9月になったらもうクラブに仲良しはいない。そりゃ学校ではいつも顔を合わせているけれど、「学校での関係」と「児童クラブ、学童での関係」は、違うんです。ここ、大人は分かっていない。学校と、学童・児童クラブでの人間関係は違うんですよ。よくいう「さんま(三間)」でも、学校と児童クラブでは、同じ仲間同士でも「空間(場所)」が違う、その場で流れる「時間」の性質も違う。「仲良しの〇〇君、〇〇さんは学童を辞めちゃったね。でも学校で遊べるからだ以上だよね」と、親はこどもに話して聞かせるかもしれませんが、全然違うんです。学童で会えなくなった仲間とは、(学童の場所の限りにおいては)永遠にお別れなのです。
それが、児童クラブに残るこどもにとって、どんなに寂しいことか。保護者は、秋になっても引き続き児童クラブを利用するこどもの、小さな別れについてぜひ、思いを巡らしてくださいね。こどもだって大人と同じ1人の人間です。悲しく思う、寂しく思うことは大人と同じ。こどもだからすぐに他の子と遊ぶようになるから大丈夫と、内心はそう思う事は構いませんが不用意にこどもに言って聞かせることは、ちょっと控えてほしいなあ、というのがわたし(萩原)からのお願いです。
<職員もまた、寂しいことがあります>
早ければ1年生の夏休み明け、けっこう増えてくるのが2年生の夏休み明け、3年生の夏休み明けともなると、かなりのこどもが退所していくことでしょう。むろん、「うちは全然、上級生になっても退所しないよ」というクラブだってあります。わたしが非常勤で役員をしている愛知県津島市のクラブは高学年でもほとんど退所しません。つまりそれだけ、「こどもの理想的な居場所」として機能しているという素晴らしい実例です。ただ、それは全国的に見たらきっと少数派でしょう。
仲良しがいなくなるこどもは寂しい秋を迎えますが、児童クラブの職員もまた、胸中、いろいろな想いを抱いています。職業ですから、こどもの退所はこどもの入所と同じように当たり前に繰り返されることですから、そのこと自体に郷愁や哀愁を感じるということは、まあ、そんなにないでしょう。
ただ多くの、まっとうなクラブ職員は、常勤や正規、非常勤非正規の職員に関わらず、こどもが退所、退会した後でも、ふと、「元気にしているかな」と思いを至らすことが当たり前にあります。まして、ちょっと心配なところがあるこどもについては、後ろ髪を引かれるような思いで、こどもの退所手続きを粛々と処理していきます。「大丈夫かな、もうちょっとクラブで過ごして、いろいろなことの経験を重ねていったほうが、きっと将来、困らない場面が増えるのにな」と、内心、忸怩たる思いを抱くことが、あるのです。
ただ、「もっとクラブに通ったほうがいいですよ」とは、なかなか職員から口に出せない。よほど互いに信頼感がある保護者との間なら言えるでしょうが、今の時代の、児童クラブサービスを提供する側と、そのサービスを対価を払って受ける立場の者との間の関係性では、仮に「心配なので、もう少しクラブで過ごしたら?」と話しかけようものなら「ちょっと、クラブの職員に、退所について妨害されたんですけれど、一体どういうことですか!」と激しいクレームとなって襲い掛かって来ることが大いにあり得るのですから。やむを得ません。職員は胸中におしとどめるだけです。「学童を辞めても、元気で過ごしてね」と。
(これもまた現実ですが「やっと退所したよ、やっと辞めたよ!」とこどもが退所して喜ぶ職員がいるのも、あまり言いたくはありませんが事実。夏休み明けの退所によって児童数が減ってようやく適正規模のこどもの人数になるのを待っている職員だっています。児童クラブのこども全員を児童クラブ職員は大事にしているかといえば、そんなきれいごとではない現実があちこちに横たわっています。ただそれは、何かしら、うまくいかない事情があることがほとんどです。職員だって、もっと有能な職員がクラブに必要な人数だけもっと多く配置されていれば、こどもと関わる時間が増えるのに、そうはさせない状況がある、そうさせない構造があるからです。それは職員のせいではありません。ま、ごくごく少数ですけれど、こどもの行く末、保護者の子育てに思いを全くいたらせない残念な職員も、いないわけではないですが)
ぜひ、世間に知っていただきたい。児童クラブの秋の初めは、小さな別れの季節、だということを。それは、児童クラブが単なる「こどもの預かり場」ではないから。だって預かり場だったらそれは児童数の増減だけの話で片づけられることですからね。児童クラブは「人と、人が交わる場所」だからこそ、こどもも大人の職員も、別れを感じるのです。はたからみたら、小さなドラマかもしれない。でも、児童クラブに残るこども、児童クラブでいろいろなこどもと関わる職員にとっては、小さくても1つ1つが大事なドラマ。そのドラマを乗り越えてまた明日、あさってと、児童クラブがより良い場所であるようにと願いながら、そこで人が過ごしていくのです。
(お知らせ)
<新着情報!>
2025年6月から放課後児童クラブ(学童保育所)の新規設立と日本版DBS制度への対応に際してご相談者様、ご依頼者様からのニーズに万全対応を期すべく「イオリツ行政書士事務所」(佐久間彩子代表)と、業務上において連携することと致しました。
弊会に寄せられた児童クラブ新規設立のご相談、ご要望に際しては、児童クラブ全般の説明や業務設定の支援を弊会にて行い、クラブ設立に関する具体的な相談や手続きにつきましては、イオリツ行政書士事務所にて対応となります。また、日本版DBS制度につきましては、弊会は事業者の労務関係面の対応助言や必要規程の整備を担当し、イオリツ行政書士事務所が制度の説明や、認定事業者を得るための具体的な手続きの説明や代行面を担当いたします。
佐久間氏は、「日本一、学童保育に詳しい行政書士を目指す」として2025年度から事業を開始された気鋭の行政書士です。児童クラブに関しても豊富な知識を有しており、また実際に保護者運営系の児童クラブの利用者であり運営にも関わっておられるので、児童クラブに関する業務についてはまさに最適任です。
児童クラブの新規設立や運営主体の変更の手続き、また日本版DBS制度の全般的な相談には、ぜひとも「イオリツ行政書士事務所」まで、お問い合わせいただけますと幸いです。
「イオリツ行政書士事務所」(https://office-iolite.com/)
代表者:佐久間 彩子(さくま あやこ)
所在地:〒231-0048 神奈川県横浜市中区蓬莱町2-6-3 KOYO関内ビル406
もちろん、イオリツ行政書士事務所は日本版DBS制度についてきめ細やかな事業者様のサポートが可能です。
・認定取得に向けた申請書類の整備/相談
・導入/管理体制の構築、運用のサポート
・職員/保護者向けの説明サポート
・制度や法令に関する最新情報の提供
・就業規則等の整備、労務関係面の対応助言(弊会も連携して対応いたします)
日本版DBS制度についてのご相談は、弊会並びにイオリツ行政書士事務所まで、ぜひご相談ください。(https://dbs.office-iolite.com/)
☆
2025年9月1日以降は、社会保険労務士としての業務は「あい和社会保険労務士事務所」で、放課後児童クラブ(学童保育所)の個別具体的な運営支援については「あい和学童クラブ運営法人」で分離してお引き受けいたします。「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽に児童クラブについての講演、セミナー、アドバイス、メディア対応についてご依頼ください。
※新着情報はここまで。「お得情報」が下にあります!
〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。
☆
放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。
さらに運営支援からの書籍第2弾として、放課後児童クラブを舞台にした小説「がくどう、序」を発売しました。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。もちろんフィクションですが、リアリティを越えたフィクションと、自信を持って送り出す作品です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いたハートフルな作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説です。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。
この2冊で、放課後児童クラブの世界をかなり知ることができると運営支援は自負しています。いわゆる日本版DBS制度において、放課後児童クラブと関わりができるであろう弁護士や社会保険労務士、行政書士といった各士業の方々には、放課後児童クラブの世界を知るにはうってつけの書籍となっています。他の業種、業態とかなり異なる、ある意味で異質の業界である児童クラブについて知ることができる、運営支援からの2冊を士業の方々には、ぜひご活用ください。
☆
「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
☆(お得情報!)
(放課後児童クラブのエアコン機器の点検と清掃を考えている方に朗報です。弊会をバックアップしてくれている、埼玉県上尾市の「SVシステム株式会社」(埼玉県上尾市の電気・空調設備施工管理会社|点検・修理・メンテナンス|SVシステム株式会社)が、「児童クラブ限定」で、格安にエアコン機器の点検と清掃を承ります。埼玉県や上尾市に比較的近い地域であれば県外でもお伺いできます。見積はもちろん無料です。技術者のスキルは超一流。私が以前、児童クラブ運営事業者だったときからの長いお付き合いです。弊会お問い合わせメールで連絡先をお送りいただければSVシステム社に転送いたします。直接のご連絡も、もちろん大丈夫です。夏前にぜひ、エアコンの点検を!)
☆
(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)