3分30秒で読めます!先週の運営支援ブログ・短縮版(7月28日~8月3日)

 あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年7月28日から8月3日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・ 1つの小学校に複数の児童クラブがある場合、学年別や、近い学年に分けて児童を受け入れる地域が目立ちます。そのメリットは管理が楽になること。一方で、異年齢集団の中で子どもが育つにあたって、子どもたちが学んでいってほしい複雑な局面を減らすことであり、様々な体験をする機会を減らすことです。高学年にとってみればリーダーシップを発揮していく場面が減ることです。異年齢集団でのややこしさ、面倒くささを経験することで得られる知見をみすみす放棄することです。このことは、多くの市区町村で、児童クラブを人間の成長の場として捉えるよりも、子どもたちを預かって指定の時間を問題なく過ごさせる場として認識していることを示しているのではないでしょうか。 (7月29日掲載)

・放課後児童クラブで、子どもが、自分がやりたいこと、したいことに夢中になって過ごした経験を持っている子どもが、中学や高校、専門学校や大学で、どう他者との人間関係を構築して過ごしているのか、社会人になってどれだけ仕事において成果を出しているのか、そういうことが調査で分かればいいなと思うのです。児童クラブにおいて、子どもが主体性や自主性をのびのびと育てることができた場合、大人になって、何か好影響をもたらすことはないのか、と私は考えるのです。(7月30日掲載)

・横浜市の放課後児童クラブで、昼食として提供した弁当の献立表からアレルゲン(卵)表記が抜け落ち、児童が健康被害に遭う重大な事案がありました。横浜市の発表資料による限り、昼食提供業者の失態であることは確実です。業者は別の業者から調理品の提供を求めていましたが、その業者はしっかりと卵の記載をして昼食提供業者に情報を伝えていた。しかし、そのアレルゲン情報を昼食提供業者が、保護者が確認するためにも使用する献立表に記載しなかった。これは単なる記載ミス、転記ミスとして片付けられる失態ではすみません。さらに恐ろしかったのは、卵の記載漏れがあった同じ日に、「えび」「かに」「ごま」「ゼラチン」も記載漏れがあったということです。えび、かには、卵と同じく食物アレルギー表示対象品目8品目に含まれます。つまりそれだけ重篤な症状を招く可能性があるアレルゲンを含むものです。本事案は1人の児童の健康被害に留まっているようですが、これらえび、かに等についても健康被害が起きていても不思議ではなかったのです。これは単なる幸運であったに過ぎないと考えておくべきです。(7月31日掲載)

私は保護者運営系やNPO、株式会社の放課後児童クラブについて見聞きしたり取材をしたり、実際に運営していたりといくらかの知見は得ていますが、社会福祉法人系の児童クラブについては正直なところ、どのような育成支援が行われているのか、ほとんど想像の域を出ないのです。つまり、それだけ、社福系の児童クラブについて、どのような運営方針で具体的にどのように子どもの育成支援や保護者支援が行われているのか、その情報を目にする機会が少ないということです。本当はこれが最も重要なところです。 (8月1日掲載)

・横浜市の児童クラブで、提供された昼食で児童がアレルギー症状を起こしてしまった事案について、関係者の方が運営支援ブログに託したことをお伝えします。「昼食を提供する場となった学童保育所に、まったく、なんの落ち度もない」ということです。この関係者の方は、大変に心を痛めておられます。各種の報道における見出しからは、いかにも学童保育所側の落ち度やミスがあって在籍児童にアレルギー被害をもたらしたように読者に連想させる可能性があって、普段は丁寧に子どものアレルギー対応を行っている学童の職員に心労、心痛を及ぼしてしまうことを、とても心配されているのです。昼食を提供した業者と、その業者の管理監督に当たる横浜市にこそ問題があると関係者の方は憤っています。(8月1日掲載)

・放課後児童クラブの問題を考えるとき、量(数)と質の2つの観点をバランスよく考えることが必用です。利用料金やクラブの入所人数に焦点を当てて議論する、あるいは報道する場合に、時間や文字数の制約があるとしても、量(数)だけではなく質の問題がおおむね影響を受けることに、せめて一言でも触れていただきたいと私は思います。料金を安く求める意見がある。それはそれで大事だ。しかし安くなると困る問題があるということ。安くすればすべてが正義ではない、ということをつい利用料を支払う側は忘れがちですが、議論をする際はそこに注意喚起をしてほしい、報道する際はその部分にも言及してほしい、ということです。(8月3日掲載)

・3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは7月28日から8月3日まで、以下の14市区町村を紹介しました。(紹介済み689市区町村)
青森県五戸町
宮崎県小林市
和歌山県御坊市
東京都狛江市
長野県駒ケ根市
愛知県小牧市
石川県小松市
徳島県小松島市
三重県菰野町
長野県小諸市
青森県佐井村
長崎県西海市
大分県佐伯市
愛媛県西条市

※インターネット上で扱われる、放課後児童クラブに関する質問や疑問に、運営支援の観点から回答する記事を掲載しています。8月3日までに掲載した記事は次の通りです。
学童クラブの職員は午前中からの勤務が必要ですか?(7月28日掲載)
放課後児童クラブで働く人の悩みは何ですか?(7月29日掲載)
学童保育の仕事の魅力は?(7月30日掲載)
放課後児童クラブの運営元は?(7月31日掲載)
学童保育のおやつ代はいくらぐらいですか?(8月1日掲載)
夏休みの間、ずっと学童に子どもを行かせることはかわいそう?(8月3日掲載)

<PR>
 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。お近くに書店がない方は、アマゾンが便利です。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)

※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営陣に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演は大歓迎です。お気軽にお問い合わせください。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
 メールアドレスは、info@aiwagakudou.com  になります。