3分30秒で読めます! 運営支援ブログ・短縮版(2025年8月31日~9月6日)
あい和学童クラブ運営法人は「運営支援ブログ」で、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2025年8月31日から9月6日までに掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
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※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設に限る)と同じです。
・(あい和社会保険労務士事務所としてのブログです)<社会保険労務士としての決意> わたくしが、放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援アドバイザーとして事業を始めたのは、児童クラブで働く人たちの雇用労働条件を改善するには、児童クラブの運営そのものを改善する必要があると感じたからでした。利用者として児童クラブに関わってから、運営にも足を踏み入れていけばいくほど、「こんなにも、こどもの育ちを支えるとても重要で大切な仕事をしているのに、どうして児童クラブで働く人たちは、その仕事を社会から正当に評価されていないのか。それは社会正義に反する」と感じることばかりでした。いろいろな事情があって独立を決意し、児童クラブの運営と、児童クラブで働く人を支える運営支援アドバイザーとして2022年11月から活動を始めました。私が取り組んできた、児童クラブの運営に関する様々な事項において、社会保険労務士が、かなりの分野で、お役に立てるのではないかと気づきました。2024年の試験に合格することができ、このたび、社労士としての活動を開始することができるようになりました。 今後は、放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援アドバイザーとしてのみならず、社会保険労務士としての専門性を自身で深めつつ、児童クラブの世界がもっともっと社会から正当に評価され、児童クラブで働いている方々が、児童クラブの仕事を一生の仕事として存分に打ち込めるような社会となるよう、活動を続けて参ります。(9月1日掲載)
※ 9月2日は投稿を行いませんでした。
・放課後児童クラブの利用料(保護者負担金)の金額は地域差がある、都内のクラブは2万円から4万円超、というユニークな切り口の記事がインターネットで配信されていました。運営支援が補足しますと、都内の「児童クラブ」料金は数千円で済むことが多いのです。都内とりわけ特別区である二十三区内で、放課後のこどもの居場所として多くの区が整備している仕組みは、放課後児童クラブと、それとは別の事業である「放課後子供教室」(文部科学省所管)の趣旨を合体融合させた、いわゆる「放課後全児童対策事業」(さらに通称として「全児童対策」と、児童クラブ業界で呼んでいます)とされる事業である場合が多いのです。この事業はおおむね、午後5時までは放課後子供教室(=だれでも利用できる居場所の確保)、午後5時をこえると放課後児童健全育成事業に衣替え、という仕組みです。例えば世田谷区の「新BOP」というものがまさにそれで、利用料は5,000円程度です。港区は3,000円です。都内以外でも川崎市や横浜市、札幌市や名古屋市や大阪市など多くの大都市で導入されています。(9月3日掲載)
・<運営支援ブログミニ・16> こども家庭庁の令和8年度予算概算要求が公表されました。これ、すごいですよね? 誰か説明して! 放課後児童クラブの基本的な補助金として「運営費」と呼ばれるものがあります。令和8年度概算要求の資料には「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブの運営費)」として2,061億円の内数+事項要求、とあります。また「(2,013億円の内数)」との表記があり、この丸ガッコの中の数値は令和7年度の予算を示しています。ということは今年度の運営費は2,013億円だったの? と、ふと思ったのです。一方で、令和7年度の予算概算要求の金額は、「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブの運営費) 1,209億円+事項要求 (1,223億円)」とあります。令和7年度は事項要求でどどんと上乗せがあって、2,013億円になったのでしょうか? からくりを教えてください!(9月4日掲載)
・東京都世田谷区の放課後児童クラブで派遣職員がこどもの顔を蹴ってけがをさせたという児童虐待事案が発覚し、報道されました。インターネットでは、世田谷区の児童クラブである新BOP勤務の派遣職員は時給1,900円や2,000円で求人広告が出ています。東京都の最低賃金は2025年10月2日までは1,163円ですから最低賃金をはるかに上回る時給額です。世田谷区はHPで学童クラブの会計年度任用職員の募集記事を掲載していますが、その中で最も時給が高いのは「指導員A 報酬月額214,119円」であって、1日6時間月20日勤務が原則である旨の記載がありますから、時給換算では1,784円になります。その時給額では、都内ではなかなか人が集まらないでしょう。今回は、派遣職員が事案を起こしたのですが、1,900円や2,000円の時給であれば派遣職員として学童で働くことを希望する人がいるわけです。だったら、世田谷区も、最初から会計年度任用職員の時給をもっと上げればよい、だけの話です。そもそも派遣職員を活用するには派遣会社へのマージンが必要ですから、時給1,900円の職員を派遣で集めるとしたら、それ以上の時給換算額の費用を区は派遣会社に支払うことになります。その分を含めて人件費として用意できるのであれば、区が直接、その分を上乗せした時給額で職員を募集すればよろしい。であれば、派遣職員に頼ることなく職員を直接雇用できるのです。(9月5日掲載)
・おもしろい切り口の報道がありました。放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)を利用している場合に、電車の遅延で迎えの時間に間に合わなかった場合の児童クラブの延長料金(時間外利用料金)を取り上げた記事です。ヤフーニュースに配信されています。わたし(萩原)はそのヤフーニュースにコメントをしましたが、あのスペースではとても書ききれないほどいろいろな事情が詰まっている話ですので、運営支援ブログでみっちり取り上げます。この「迎えの時間に間に合わなかった場合の延長料金」は、現実に運営に関わる立場ではとても悩ましい問題であると断言できます。ヤフーニュースのコメント欄では「延長料金請求は当然」であふれていますが、実際に支払いを要求される立場になればそうは言わない人も出てきます。ズバリ言えば、保護者とのトラブルに発展することが多い問題です。(9月6日掲載)
〇2024年3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースですが、最後となる埼玉県蕨市まで到達し、1巡目が終了しました。2025年9月から2巡目に突入しています。2巡目の確認事項は特設ページで順次、掲載していきます。また、2巡目の調査で新たに確認したデータは、1巡目の投稿記事に反映させていきます。
(お知らせ)
〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。
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運営支援からの書籍第2弾として、放課後児童クラブを舞台にした小説「がくどう、序」を発売しました。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。もちろんフィクションですが、リアリティを越えたフィクションと、自信を持って送り出す作品です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いたハートフルな作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説です。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。
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「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(ここまで、よくぞこの大変長いブログをお読みいただき誠にありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)