3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(2025年2月9日~2月15日)

 あい和学童クラブ運営法人は「運営支援ブログ」で、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2025年2月9日から2月15日までに掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・群馬県高崎市が来年度の予算案で放課後児童クラブの支援を強化する市政を打ち出しました。「放課後児童クラブ支援課」を新設するとありました。高崎市は人口が約37万人、つまり40万人に近い大都市で、保護者会や運営委員会形式の民営クラブが多数を占めているようです。人口の多さと、それによる放課後児童事業によるニーズの高さで100を超える施設があるのですから、児童クラブを単独で所管する部署があっても不思議ではないですが、改めて単独で児童クラブを扱う部署を設置するというのは、人員削減や機構縮小に動きがちな昨今の地方自治体の動きの中で、とても心強いことです。なぜなら、児童クラブに対する市政の中での優先順位がそれなりに高いことを意味するからです。(2月10日掲載)

・放課後児童クラブの利用者、つまり保護者がお客様であるのは当然です。「お客様化」はある意味において当然です。児童クラブ側が注意したいのは、「取り決めた内容以上の役務を無償で提供すること」の取り扱いだけです。つまりは保護者を「困ったお客様」にしなければいいのです。(2月11日掲載)

・衝撃的な「児童クラブの常勤職員0人」。中核市として名を連ねている長野市は、令和6年の放課後児童支援員1,004人のうち常勤職員が0人です。つまり全員が非常勤職員です。信じられません。長野市はつい最近、運営主体を変更したようです。以前は社会福祉協議会による運営が主体だったようです。それを、市が出資する一般財団法人ながのこども財団に運営を任せることにしたようで、2024年度は同財団の運営に移っています。その影響なのでしょうか。ちなみに、令和5年の実施状況では、長野市は1,026人の放課後児童支援員に対して常勤職員389人、37.9%の割合でした。(2月12日掲載)

・児童クラブの職員の仕事は、「子どもが児童クラブに登所している時間帯(及びその前後のわずかな準備時間、後始末時間)」で完結するものでは、ありません! 世間は大いに勘違いしています。スーパーマーケットなど小売店の「レジ係」の仕事では、ありません。レジ係であれば、店の営業時間とその前後のわずかな準備・後始末時間で勤務は完了するでしょう。児童クラブの仕事は違うのですよ。レジ係のような、対面の業務だけではなく、スーパーマーケットでいえば、「店長業務、総務業務、発注業務、経理会計業務、渉外業務、店舗経営業務」など、そのスーパーマーケット店内で行われているありとあらゆる業務を、児童クラブの職員は、行っているのです。店の営業時間とその前後のわずかな時間だけで完結するような業務ではありません。(2月13日掲載)

・放課後児童クラブの鉄則。それは「その日のトラブルは、その日に解決するように努力する。解決の糸口を当事者が必ずつかんでいる状況にまで、時間をかけずに一気にトラブルの処理を行うこと」です。そして、「当事者というのは、子どもであればその保護者を含むこと。またトラブルの様子を見ていた子どもやトラブルに関わった職員をも含む」ことです。 (2月14日掲載)

・元新聞記者の視点で、放課後児童クラブの報道記事を裏読みします。愛知県岡崎市の新年度予算案に関する記事を読みながら私は大変残念に感じました。厳しい財政事情があるとして児童クラブへの補助金を約1000万円削減するという、では来年度予算は総額でもマイナスになっているのかと思いきや、9.5%も増えている。「厳しい財政事情といいながら1割近く予算を膨らませておるやないかい! この予算案発表の会見で記者は当然、その不整合について厳しく追及したんやろな!」と私は残念に感じた次第です。(2月15日掲載)

〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは2025年2月9日から2月15日まで19の市区町村を紹介しました。(紹介済み1,169市区町村/全1,741市町村)
長野県長野市
群馬県中之条町
石川県中能登町
群馬県長野原町
滋賀県長浜市
北海道中富良野町
福岡県中間市
山形県中山町
長崎県長与町
千葉県長柄町
千葉県流山市
長野県長和町
岡山県奈義町
沖縄県今帰仁村
長野県南木曽町
沖縄県名護市
熊本県和水町
愛知県名古屋市
栃木県那須町

〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイス、メディア対応が可能です。ぜひご連絡ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 放課後児童クラブを舞台にした小説「がくどう、序」を完成させました。2025年2月または3月初旬にPOD出版する予定です。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。もちろんフィクションですが、リアリティを越えたフィクションと、自信を持って送り出す作品です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いたハートフルな作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説です。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ご期待ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)