3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(2025年1月26日~2月1日)

 あい和学童クラブ運営法人は「運営支援ブログ」で、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2025年1月26日から2月1日までに掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・これから児童クラブに関わることになる保護者さん、関係者さんに向けて、児童クラブのことについて運営支援の独断と偏見による、分かりやすく(そしてなるべく短く!)紹介するシリーズ「児童クラブのトリセツ」シリーズ第4回目。<その13:入所ができる放課後児童クラブには保護者会(父母会)があります。入りたくないので入らないでも大丈夫ですか?>
<その14:子どもが入る予定の児童クラブは午後5時ごろまでは希望者が全員入所できるのですが、それも放課後児童クラブですか?>
<その15:児童クラブの利用料が月ぎめなんですけれど、利用する日だけ料金を支払えばいいじゃないですか。おかしいです>
<その16:児童クラブでは子ども同士のトラブルが多いと聞きます。トラブルを起こす子どもは厳しく対応して、クラブをどんどん辞めさればいいと思うのですが、間違っていますか?>(1月27日掲載)

・当ブログでもたびたび取り上げている、滋賀県栗東市の民営児童クラブにおける、子どもへの不適切な対応事案、はっきり言えば児童虐待の疑いが濃厚な事案。児童が児童クラブ管理者の厳しい叱責(土下座を強要されたと被害者側は主張しています)で、心的外傷後ストレス障害を発症して今なお苦しんでいるという事案です。原因は不明ですが、被害を受けた児童が存在している以上、子どもへの人権侵害が児童クラブ内で行われた可能性が極めて高いと言わざるを得ません。その人権侵害の態様について、被害者側と児童クラブ側の意見が厳しく対立しています。そして児童クラブの設置者で事業に責任を負うべき栗東市役所は、この事態の解明に後手後手の対応ばかり続き、滋賀報知新聞社の記事で何度も厳しく批判を受けています。この事案には、直ちに第三者委員会の設置を行って事態の解明に尽くすべきです。(1月28日掲載)

・保育所の管理職を対象とした民間の資格が話題を集めているようです。放課後児童クラブの世界では、放課後児童支援員という公的な資格にもすでに民間団体による資格があります。放課後児童支援員という資格の取得の難易度は著しく低い。一方で、放課後児童クラブでの仕事はとても難しい。放課後児童支援員という資格を必要とする業務がそれなりの難易度があることを世間に知らしめることをが必要だと運営支援は考えます。放課後児童支援員という資格が貧弱なので民間のサブ資格が誕生していく背景があるのでしょうが、資格の上に資格を重ねることよりも、資格そのものを磨き、強化することが、私は王道だと考えます。(1月29日掲載)

・放課後児童クラブの職員の勤務に必要な時間は、小学校の授業がある日は放課後の時間であると受け止められているようです。そもそも国は学校がある日について3時間以上を開所時間としています。この「開所時間」は、「児童受入(可能)時間」と言い換えるべきです。そして「開所時間」は、「児童クラブの職員が育成支援を行うために必要な作業を含む時間」と定義するべきです。そもそも放課後の時間だけを児童クラブ職員の出勤時間として、それだけの時間で育成支援業務が遂行できるはずはありません。育成支援に必要な職員同士の連携、協議の時間が必要です。とても1日4時間程度の所定労働時間では、まっとうな業務はできないのです。(1月30日掲載)

・1月31日に、栃木県栃木市の「とちぎ市民活動推進センターくらら」さんの依頼を受けて、放課後児童クラブと協働をテーマにした講演を行いました。私は常々、放課後児童クラブは地域社会、自治体とともに発展していくことができる社会資源であるはず、という考えを持ってきました。実際、実務で児童クラブの運営事業者の長を務めていたときは、その考えでいろいろな活動計画も考えてきました。運営支援という視点において、児童クラブが地域社会にしっかりと「組み込まれて」、地域社会および自治体の発展に寄与することは、児童クラブの持続的かつ安定的な事業運営を担保する意味でも、とても重要なことと捉えています。その視点で、お話をする機会を賜れたことはとても光栄ですし、その視点を持って児童クラブの今後を考えたいと思われた栃木市さんには、本当に先見の明があると私は感じた次第です。(1月31日掲載)

・日本版DBS時代は2026年12月までに始まります。運営支援ブログでの結論をズバリ申せば、「過去に性犯罪の前科がある人、あった人で、現在、放課後児童クラブで働いている人は、今がどんなに幸せに暮らし、もう二度と過ちを起こさないと誓って自信をもって仕事をして、生活をしているとしても、日本版DBSが実施されるまでの間に、転職を考えたほうが良い。いや、転職した方が、ご自身が辛い目、ひどい目に遭わないで済む」ということです。こんなこと、なかなか、面と向かって言いにくいことです。しかし、運営支援ブログはあえて言い切ります。その方が、ご自身も、周囲の人も、児童クラブ事業者も、泥沼の混乱を避けられる可能性が高まるからです。(2月1日掲載)

〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは2025年1月26日から2月1日まで19の市区町村を紹介しました。(紹介済み1,137市区町村/全1,741市町村)
北海道奈井江町
香川県直島町
茨城県那珂市
徳島県那賀町
山形県長井市
神奈川県中井町
静岡県長泉町
新潟県長岡市
京都府長岡京市
福岡県那珂川市
北海道中川町
栃木県那珂川町
長野県中川村
沖縄県中城村
愛知県長久手市
長崎県長崎市
北海道中札内村
北海道中標津町
鹿児島県長島町

〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイス、メディア対応が可能です。ぜひご連絡ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 放課後児童クラブを舞台にした小説「がくどう、序」を完成させました。2025年2月にPOD出版する予定で準備を進めています。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子ども達の生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ご期待ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)