3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(2025年1月5日~2025年1月11日)

 あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2025年1月5日から2025年1月11日までに掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・令和6年度の放課後児童クラブの実施状況調査その5:育成支援の内容の充実が、おろそかになっている懸念があります。実証状況の調査項目に、「平日の開所時刻の状況」があります。徐々に遅い開所時刻のクラブが増えていることが気がかりです。子どもが登所してくる放課後の、そのちょっと前に開所するクラブが増えているということです。それは、子どもの受け入れ準備に費やすことができる時間が減ることを意味します。単純に、受け入れ準備の支度(清掃や整理整頓)の時間が減ることよりも、「子どもの育成支援について職員同士で討議し、検討し、話し合い、その日または中短期的な支援、援助の方針を職員同士で打ち合わせて確認する」時間が減ることになります。それは、児童クラブの最大の事業目的である育成支援の質の低下をもたらす懸念があるのです。(1月6日掲載)

・放課後児童対策パッケージ2025に、「スキマバイト」への対応が新規掲載されています。説明には「放課後児童支援員及び補助員が業務を行うにあたって、こどもとの安定的・継続的な関わりという観点から懸念があることを踏まえ、その活用についての考え方を整理し、周知する。」とあります。文字通りの解釈をするなら、一定の前提のもとにスキマバイトの活用を認める、と読み取れます。その前提の内容によっては、育成支援が重要としてきた、子どもとの安定的かつ継続的な関わりという根本原理を損ねる可能性があります。そのような場合は、放課後児童健全育成事業は表向き児童の健全育成という看板を掲げながらその実態は「子どもを見張る場、預かる場」と堕落する可能性があります。(1月7日掲載)

・放課後児童対策パッケージ2025は、小学1年生の待機児童対策に特に力を入れるとしています。しかし、待機児童数で最多の小学4年生の5,700人を超える待機児童数は、実質的にもっと増えている可能性が大いにあります。私は小学4年生を中心に高学年児童が、本来は児童クラブが必要なのに、低学年に席を譲る意味合いで自主的に退所を選択せざるを得ない状況を「小4の崖」と呼んでいます。児童クラブに入れないのは「壁」、入っているのに半ば無理やりに退所退会せざるをえないのは「崖」です。新1年生の優先順位を上げることは間違っていないと私は考えますが、それは相対的に小4の崖をはじめとする他の学年の対策がどうしてもおざなりになることを意味します。私はそれを不安視します。感覚的な例えですが、仮に待機児童対策のリソースが100あったとしたら、新1年生に100を全振りするのではなく、新1年生70、4年生30、ぐらいに分けてもいいのではないでしょうか。(1月8日掲載)

・放課後児童クラブの待機児童数が増え続け、大規模化もさらに進行していることは、子どもの居場所としての放課後児童クラブの整備が進んでいないことを示しています。国は、児童クラブ以外の子どもの居場所づくりに本腰を入れているようですが、運営支援はこのような状況こそ、児童館の価値を再評価するべきだと考えています。今回は、ある児童館で長らく館長を務めているベテラン館長さんから、児童館の現状や魅力を発信してもらうべく、寄稿をいただきました。ぜひご覧ください!(1月9日掲載)

・次年度の保護者会の役員を決める時期もそろそろ大詰めでしょうか。役員の成り手がいないと緊迫していませんか? 役員を決めるタイミングこそ、保護者会への参加の強制性を含め、保護者会の活動に何が必要なのかを話し合ういい機会です。結論は先に設定しないで、ゼロベースで話し合うことが大事です。その結果的に今と同じという結論になったとしても、いいじゃないですか。「考えてみる」ことが大事ですし、「考えてみる機会を持てた!」ということで、大きな前進ですから。(1月10日掲載)

・放課後児童クラブの運営事業者であれば、備えておくべき規則規程類にはどのようなものがあるでしょうか。運営支援の立場で、必要と思われる規則規程類を列記して紹介しましょう。(2つだけ抜粋して紹介します。<倫理綱領>=事業者の構成員が心がけるべきものです。すべての構成員が深く理解しておきたいものです。 <育成支援(又は保育)綱領>=事業者が目指す事業の大方針を定義しているものです。児童クラブの事業者なら必ず設けておきたいものです。運営支援としては、「育成支援」の文言や概念を世間に広く知らしめたいので「育成支援綱領」という名称をお勧めしたいですね。)(1月11日掲載)

〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは2025年1月5日から2025年1月11日まで25の市区町村を紹介しました。(紹介済み1,095市区町村/全1741市町村)
埼玉県所沢市
高知県土佐市
高知県土佐町
高知県土佐清水市
山形県戸沢村
東京都豊島区
東京都利島村
鹿児島県十島村
佐賀県鳥栖市
埼玉県戸田市
栃木県栃木市
奈良県十津川村
鳥取県鳥取市
沖縄県渡名喜村
富山県砺波市
茨城県利根町
香川県土庄町
三重県鳥羽市
愛知県飛島村
愛媛県砥部町
北海道苫小牧市
北海道苫前町
北海道泊村
群馬県富岡市
福島県富岡町

〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 放課後児童クラブを舞台にした小説を完成させました。2025年2月から3月にかけて、POD出版する予定で準備を進めています。「おとなの、がくどうものがたり。序」と仮のタイトルを付けています。これは、埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子ども達の生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ご期待ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)