3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(11月3日~11月9日)
あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年11月3日から11月9日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。
・弊会は、放課後児童クラブ(学童保育)の「運営支援」という概念を掲げ、児童クラブの運営や事業遂行を支え、困っている職員と運営者、保護者に安心をもたらすことを事業目的としています。このような目的で設立された法人は日本でもおそらく弊会だけでしょう。そして2022年11月4日に登記を申請してから、2年が経ちました。これから3年目を迎えます。皆様からの相談や「こんなことがあるんですよ」という打ち明け、それがあってはじめて運営支援の土台は作られていきます。ぜひどうぞ、皆様にはお気軽に、どんなことでも運営支援にご連絡ください。 (11月4日掲載)
・私は、児童クラブの運営を民営化することについて反対していませんし、むしろ賛成の立場です。公営の、あまりの融通の利かなさや、投下する予算の少なさに起因する利便性の低さがひどすぎて、民営化して予算を増やして使い勝手が良くなる児童クラブが増えることの方が社会全体にとって利益があると考えているからです。しかしそれは公営クラブの存在を否定してはいません。非営利の法人であっても事業継続に困難な状況が起これば「民」である以上、撤退や廃止は当然の選択肢となります。ですが、放課後児童健全育成事業は児童福祉サービスです。国民が受ける権利を持っているものと私は考えています。であれば、民間事業者の都合をもって放課後児童健全育成のサービスを受けられないのは、私は不公平だと考えます。ここに、福祉分野における公営事業の存在意義があるのではないでしょうか。(11月5日掲載)
・ 話題の「103万円の壁」よりはるかに手ごわい壁が児童クラブの世界にあります。103万円の壁を気にして有能な職員が扶養の壁を気にしてシフトに入れないのは痛恨のダメージですが、事業者は、代わりに勤務ができるパート・アルバイト職員を確保していなければなりません。それができていない事業者こそ、事業の継続的な遂行を阻む「壁」、すなわち児童クラブにとってラスボスである、事業者側の「事業執行を適切に行えるだけの能力の壁」です。 もう1つのラスボスは、パート・アルバイト職員の「資質の壁」です。パート・アルバイト職員の時給とも所定労働時間にも関係なく、「児童クラブの仕事を、責任感を自覚して、取り組めるかどうか」です。分かりやすく言えば「私はパート(アルバイト)だから、それはやりません。子どもに何かあっても、それは正規職員の責任です」と、児童クラブの仕事のうち、子どもに関わる複雑な状況の取り組みから逃げる態度のことです。また、施設の一定程度の管理、監督を絶対的に避ける、嫌がる態度が「壁」なのです。 (11月6日掲載)
・放課後児童クラブは、なぜ人手不足が続いているのでしょう。例えば非常勤(パート・アルバイト)職員がなかなか集まらないのは、勤務時間帯に由来する問題です。児童クラブで職員が多数必要な時間帯は、学校の授業がある日はもちろん放課後、つまり午後2時以降から閉所する午後6時30分や午後7時まです。この時間帯にこそパート・アルバイト職員が必要ですが、現場クラブが待望する「30~50代の女性」は、自らの家庭における家事と重なるため、なかなか働き手として応募してくれないのです。(11月7日掲載)
・これからの時代、放課後児童クラブの運営事業者が変更となることは珍しくなくなります。公募プロポーザルによる委託業者の変更、指定管理者の変更は当然のように起こりうるでしょう。国がガイドラインなり指針で明示してくれればいいのですが、少なくとも市区町村が、新たに事業を引き継いで行う事業者に対して、クラブで働く者の雇用労働条件を維持することを前提に事業に関して契約することはできるでしょうから、ぜひとも市区町村には、児童クラブの運営事業者を替えるときには、働く者が手にしているこれまでの権利を基本的にそのまま引き継がれるように配慮していただきたい。それはクラブで働く者の安心になり、子どもへの支援、援助が引き続き心配なく行われることになり、保護者の不安も軽減できるからです。「労働条件はあくまで企業と労働者の問題だから」と傍観しているようでは、円滑な事業者の変更には到底及ばないでしょう。(11月8日掲載)
・ 急浮上した「106万円の壁」の撤廃の観測。これが実現すると、放課後児童クラブの世界は激変を余儀なくされる可能性があります。なぜなら、週20時間未満で働く人が増えることによって、「1人の職員がクラブで働く時間が減ることによる非効率化であり、子どもや保護者と関わる時間が減ることによる関係性の希薄化の懸念」があります。「労働力が減った分、他の人の労働力で補う必要があるが、現状において人手不足の業界ゆえ、新たに人を雇うことが困難。よってマンパワーが減ったままでの事業遂行を余儀なくされる可能性」があります。そして、「事業者の規模に関わらない、つまり51人以上という要件も撤廃されるので、規模の小さな事業者でも、週20時間以上の職員の社会保険料を負担することになり、財政を悪化させる可能性が高い」のです。 (11月9日掲載)
〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは11月3日から11月9日まで24の市区町村を紹介しました。(紹介済み950市区町村/全1741市町村)
長野県高森町
熊本県高森町
岐阜県高山市
群馬県高山村
長野県高山村
兵庫県宝塚市
福岡県田川市
三重県多気町
北海道滝川市
岩手県滝沢市
北海道滝上町
佐賀県多久市
佐賀県武雄市
大分県竹田市
沖縄県竹富町
愛知県武豊町
広島県竹原市
千葉県多古町
福岡県太宰府市
岐阜県多治見市
大阪府田尻町
大阪府忠岡町
福島県只見町
福岡県大刀洗町
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弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。
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放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)
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現在、放課後児童クラブを舞台にした小説を執筆中です。とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説になりそうです。放課後児童クラブを舞台にした小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。出版にご興味、ご関心ある出版社さんからの連絡をお待ちしております。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。
※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営事業者に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演や、放課後児童クラブについて行政担当者・議員への勉強会講師のご依頼、大歓迎です。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
メールアドレスは、info@aiwagakudou.com になります。