3分30秒で読めます! 先週の運営支援ブログ・短縮版(9月29日~10月5日)

 あい和学童クラブ運営法人はブログで、放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)全般に関して提言や意見を行っています。2024年9月29日から10月5日に掲載したブログの内容をご紹介します。興味がそそられるテーマがございましたら、ぜひその日の弊会ブログをご高覧ください。
※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所(放課後児童健全育成事業を行っている施設)と同じです。

・放課後児童クラブに必要な「業務の改善」を考える前半は「仕事が増え続ける」現実を理解することです。子どもの支援、援助という仕事は、モノを一定数製造すればおしまい、という仕事ではなく、支援者がやろうと思えばとめどもなく仕事は増やせます。そして重要なことは、「仕事の質を評価して賃金を決めることなく、仕事に費やした時間の有無をもって賃金の額が決まる、つまり仕事の質は相対的に評価されずに賃金が発生する仕組みこそ、児童クラブにおけるパーキンソンの法則の原因ではないか」と私は考えているのです。(9月30日掲載)

・放課後児童支援員だった人物が不同意わいせつ容疑で逮捕された事案が発覚しました。放課後児童クラブの運営支援の観点からこの事案を考えるうえで重要なのは職員への研修です。被疑者が勤務していたクラブではどのような教育研修が行われていたのか。法令遵守についてどのように教えていたのか。子どもに「嫌なことをされたら、すぐに打ち明けていいんだよ」という子どもの意見表明に関してどのような伝え方をしていたのか。被疑者の職場で、どのように性加害の防止に関して職員また職場の意識が醸成されていたのかが気になります。(10月1日掲載)

・三原じゅん子・子ども政策担当大臣に大いに期待したいのは、放課後児童健全育成事業の抜本的な見直し、制度の再構築です。これは大変な問題ですが、これこそ他を押しのけてでも、成し遂げていただきたい。放課後児童健全育成事業とはつまり放課後児童クラブ、いわゆる学童保育所(で行われる事業)ですが、多くの小学生が利用する制度ながら、不完全な制度設計ゆえに現実に運営されている状況もまた不安定です。児童クラブは重要な社会インフラですから、ぜひとも、抜本的な改革に取り組んでいただきたい。それこそ三原大臣が政治家として残せる功績ですし、この国の財産にもなるのです。(10月2日掲載)

・人件費を過大に装ってだまし取ったとして行政が放課後児童クラブを運営していた非営利法人の役員2人を詐欺容疑で警察に告訴したと報道がありました。児童クラブは税金からなる補助金を交付されて使用しているのですから、公のお金を交付されている事業者の情報が世間に公開されているべきです。児童クラブの経営、運営の中身、実態がブラックボックスとなってはいけません。(10月3日掲載)

・放課後児童クラブに必要な「業務の改善」を考える後半は、適正な業務量を実現するための「業務の棚卸し」です。 業務の棚卸しとは、児童クラブにおけるあらゆる仕事の「可視化」。重要なことは、特定の分野だけの業務量の適正化に留めてはならないということです。業務量の適正化とは、単純に業務量を減らすことではありません。「その業務を生み出す組織の性質そのものを変える」ということ、つまり組織の考え方を変える。組織を構成する人物の考え方を変えることです。業務量の適正化を図る過程において、組織そのものの全体意志を変えるのです。それにはトップ(社長や理事長など)からアルバイト、パート職員までもれなく「本当に必要な仕事を、本当に必要な時間だけで行う」という意識に変える、ということです。言い換えれば「仕事の優先順位を決める」ということでもあります。。「業務の棚卸し=仕事の可視化は、組織全体で行うこと」と、「仕事の可視化の過程では、仕事の優先順位を決めること」です。 (10月4日掲載)

・石破首相がおこなった所信表明演説では、放課後児童クラブの単語は使われませんでした。少子化についてのみ取り上げる単元を設けていますが、少子化対策を行いますよという意思表明はあるものの子育て支援の世界に向けて何をどうするか、というところには触れていません。一方で岸田前首相の就任後初めての所信表明演説では、少子化についてのみ取り上げる単元はなかったものの分配戦略として国民の所得の引き上げを掲げ、その中で、「保育の受け皿整備、幼保小連携の強化、学童保育制度の拡充や利用環境の整備など、子育て支援を促進します」「第三の柱は、看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくことです。」と、学童保育という単語を用いたこともさることながら、福祉の現場で働く者の所得を増やす考えを明確に掲げていました。その結果はどうあれ、首相として最初の姿勢を示す演説で、学童保育という単語を用いて福祉等の現場で働く人の所得を増やすと掲げたことは、石破首相よりも明確に岸田前首相の方が、こと少子化対策や「少子化対策の最前線にいる人」への配慮があったと、私には感じられました。(10月5日掲載)

〇3月19日から始めた全国放課後児童クラブデータベースは9月29日から10月5日まで24の市区町村を紹介しました。(紹介済み845市区町村/全1741市町村)
北海道知内町
千葉県白井市
宮城県白石市
佐賀県白石町
茨城県城里町
岩手県紫波町
兵庫県新温泉町
長崎県新上五島町
和歌山県新宮市
福岡県新宮町
青森県新郷村
北海道新篠津村
東京都新宿区
山形県新庄市
岡山県新庄村
愛知県新城市
広島県神石高原町
福島県新地町
群馬県榛東村
北海道新得町
北海道新十津川町
宮崎県新富町
北海道新ひだか町
大阪府吹田市

〇インターネット上で扱われる、放課後児童クラブに関する質問や疑問に、運営支援の観点から回答する記事を掲載しています。10月5日までに掲載した記事は次の通りです。
放課後児童クラブの料金が8月になると高くなるのはなぜですか(9月29日)
学童保育所では英語や勉強をする時間がほとんどなく、子どもにとって無駄な時間だと思うのですが?(9月30日)
放課後児童クラブでは、どうして「スキマバイト」は好ましくないのですか?(10月1日)
学童保育所に就職を考えています。食べていけますか?(10月2日)
放課後児童クラブを運営している事業者にはどのような種類がありますか?(10月3日)
学童保育所の保護者会には、どのような担当が最低限必要ですか?(10月4日)
放課後児童クラブが無い地域があるのは本当ですか?(10月5日)

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 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。お近くに書店がない方は、アマゾンや楽天ブックスが便利です。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)

※あい和学童クラブ運営法人では、学童保育所に関わる方々への学童保育所基礎知識や組織運営に関する相談受付、講演、研修講習、取材対応が可能です。運営事業者に第三者の有識者理事・監事で加わることで運営を支えることが可能です。「学童保育とは、こういうところ」という市民、保護者向けの講演や、放課後児童クラブについて行政担当者・議員への勉強会講師のご依頼、大歓迎です。学童保育に関するどんなことでも、まずはお問い合わせください。
 メールアドレスは、info@aiwagakudou.com  になります。