(衆議院選挙編)小1の壁の解消はもちろん、大規模クラブの解消もセットで訴えてください
放課後児童クラブ(児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業を実施する施設のこと。学童保育所もその多くが該当します)に関わる深刻な社会問題は、児童クラブに入所ができない、あるいは高学年になると退所、退会を迫られる待機児童の問題です。新1年生の場合は「小1の壁」であり、4年生で退所を余儀なくされる地域が多いことで「小4の壁」も存在しています。
児童クラブの待機児童が存在している市区町村を選挙区に含む立候補者のみなさんは、ぜひとも、児童クラブの待機児童解消「小1の壁」「小4の壁」の解消を掲げてください。当選後には、現実に活動してください。待機児童の問題は、子どもの安全安心な居場所が確保できないという問題だけではなく、保護者の就労を阻害する要因です。つまり、待機児童に直面した保護者が仕事を辞める、正規職から非正規職に変えざるを得なくなるということで雇用する企業にとって損失ですし、社会経済活動にその者の能力を発揮できないことによる損失は深刻です。そして、現実的に就労環境を変えなければならないのはおおむね母親であり女性です。女性であるがゆえにキャリアの阻害、人生における活動の場を外的な要因(それも、行政の不作為)によって損なわれるという深刻な問題点があります。
待機児童が出ていない地域も多いのですが、そのような地域を選挙区に抱える候補者さんは、安心していてはダメです。待機児童が出ていないということは、「既存の施設に、本来であれば適正であろう児童数を大幅に超過して児童を入所させている」ということが往々にしてあります。まして、定員を設けていない、いわゆる「放課後全児童対策事業」と呼ばれる市区町村独自の児童受け入れ態勢を実施している地域では、児童の詰め込み、ギュウギュウ詰め、すなわち「大規模クラブ問題」が存在しています。
大規模クラブは、児童のストレスが増大して児童にとって望ましい環境ではありません。通勤する大人が毎日4~5時間、ラッシュアワーの通勤電車の中で過ごせますか?人権侵害ですよ。それをこの国の社会はなぜ子どもに強いるのでしょうか。そのようなストレスに押しつぶされた子どもたちを支える職員もまた疲弊の極致にいます。よって退職者が相次ぎます。採用しても採用しても過酷な職場環境で長続きしません。ますます事業の質が低下します。
待機児童解消と、大規模状態の解消。まずは待機児童解消としても、セットで、大規模状態の解消を、立候補する方は訴えてください。一度、地元の児童クラブを見学するといいですよ。ありのままの児童クラブの様子を是非、ご自身の目で見てくださいね。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」特別編)