残念な事案がありました。学童保育に関わる圧倒的多数の真面目で立派な人を困らせてはダメ。常識を学ばせよ。

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。

 大変、残念な事案が報道されました。国の補助金で購入した検温用のカメラをインターネットのフリーマーケットサイトに出品し、そのカメラには撮影した児童の画像等、データが残っていた、ということです。7月12日午後4時21分配信のNHKニュース記事を一部、引用します。
 「大阪市内にある放課後児童クラブが、新型コロナ対策で建物の入り口に設置していた検温用のカメラをフリーマーケットのサイトに出品し、児童などの顔写真、3000枚余りがカメラに残されたままになっていたことがわかりました。カメラは購入した人から返却され被害はありませんでしたが、大阪市は市内の放課後児童クラブに、適切な管理を呼びかけることにしています。」
 「放課後児童クラブの責任者は大阪市に対して、「説明書をきちんと読まず、顔写真がカメラに残ることを知らなかった。申し訳ない」などと話しているということです。今回の問題を受けて、大阪市は市内に100余りある放課後児童クラブに対し、検温用のカメラを処分する際には写真を消去するなど、適切な管理を呼びかけることにしています。」
 「今回のカメラは、市の新型コロナ対策の補助金を活用して購入されたもので、横山市長はフリーマーケットのサイトに出品されたことについて不適切だという認識を示したうえで、出品していた放課後児童クラブから、補助金の返還を受けたことを明らかにしました。」

 私がまず真っ先に問題だと思っているのは、補助金を活用して購入した物品をフリーマーケットに出品という形で「処分」をしていたことです。記事を読むと、補助金で購入した検温用カメラの処分については、不適切という行政側の認識ということで、違法である、とまではしていないようです。購入金額が高額でない、等の理由があるのでしょう。ただ、不適切であるということで行政側が放課後児童クラブに返金を求めたということが想定されます。返金を求められるということは、運営組織にとって「最も起こしてはならない事態」ですから、違法であろうがなかろうが、組織の運営上としては「失格」となります。

 補助金による物品の購入に際しては、それが消耗品(マスクや消毒液等)でない限り、行政側に、処分についてどのような基準でいるのかを確認しておくことは当然です。補助金に関する法令の内容を確認することから始まり、法令で示されていない物品に該当するようであれば、「減価償却資産の耐用年数を参考として、耐用年数が過ぎたものは処分してよい」「処分の際には事前に行政当局に確認を取る」なのか、いずれにしてもルール化をしておき、そのルールに従って処分すればいいだけです。ルールが無ければ、ルールを取り決めればいいだけですし、処分をしたい補助金購入物品があれば行政当局に確認を求めればよく、その返答が届くまで処分について保留すればいいだけのこと、です。今回の事案、他のニュースサイトの記事を読むと、新品が届いたために以前から使っていたカメラをフリーマーケットに出品したということですが、そうであるならば新品が届いた際、それまで使っていたカメラの処分法について行政当局に確認を求めればよいだけですし、多くの運営担当者は、そのようにしているはずと、私は思います。むろん、私なら、処分について行政に確認を求めますから。

 まあ、そもそも、「補助金で購入した物品を、フリーマーケットに出品しようと、そもそも思いつかない」という意見をSNSで見かけましたが、その通りだと私も思います。フリーマーケットに出品=金銭に替えることですから、補助金で購入した物品で利益を得ることで、それは絶対にありえないことです。これは「社会人としての常識」の分野になります。

 学童保育の世界は、長年にわたって、子どもの育成支援と保護者の就労支援という2つの重要な社会的使命を果たしていながら、残念ながら社会からの評価が低い、専門性がなかなか認知されないという苦しみを抱えています。学童保育で行われている業務の専門性について正当な評価を社会から得ること、社会からの評価を向上させることが、専門職としての学童保育に従事する者の報酬アップにもつながると私は信じていますし、そのために学童保育の高い専門性を日々、アピールしているのです。

 それなのに、今回の事案のように、世間から「学童保育で働く人って、常識が無いね」と思われかねないようなことが起きると、大変残念です。現実として、100人の学童保育関係者がいたら、99人は、真面目に誠実に業務をこなし、常識にも反することなく日々、子どもと保護者に向き合っています。たった1人の愚かな振る舞い、それが故意だろうが過失だろうが、結果として、非常識なことを行っていたら、残り99人の日々の努力は水の泡と化すのです。学童保育全体の社会からの評価向上に、水を差すのです。本当に残念です。

 私は、補助金を交付されている学童保育所(=放課後児童クラブ)に関して、特に運営に関わる者に対して、社会人としての基礎的な常識と、組織運営者として知っておかねばならない知識、法令順守についてしっかりと身に着けていただきたいと強く求めますし、そのためにも、設置運営に関して最終的に管理責任を負うべき自治体が、学童保育の運営担当者に対して、研修や勉強の機会を用意し、しっかりと学ばせるようにするべきだと考えます。学童保育の世界の評価を傷つけるような事案を起こさないためにも、行政の関与を明確として、不祥事が起きないように管理監督を強化するべきだと、私は考えます。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の運営に関して、その質的向上につながる具体的な提案、研修、教育の機会を提供できます。学童保育業界が抱える種々の問題や課題について、具体的な提案を行っています。また、学童保育所の運営について生じる大小さまざまな問題について、取り組み方に関する種々の具体的対応法の助言が可能です。個々の学童保育所運営者様へ、安全安心な子どもの居場所づくりとその運営手法において、学童保育組織運営について豊富な経験を持つ代表が、自治体や学童保育運営事業者に具体的な助言、アドバイスを行うことが可能です。

 子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。どんなことでも「あい和学童クラブ運営法人」に、ご相談ください。子育て支援の拡充に伴い、今後ますます重要視されていく子どもの居場所づくり事業の充実のため、一緒に取り組んでいきましょう。

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