新年に思う。年末年始でも働いている子育て世帯もいることを忘れない。:身辺雑記です。
放課後児童クラブ(学童保育)運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所の中核的存在)の健全な発展を願い、とりわけ児童クラブで働く人たちが安心して一生続けられる仕事となるように雇用労働条件の向上の必要性を訴えている、児童クラブの運営支援です。今回は身辺雑記です。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
私の居住地(埼玉県上尾市)では、穏やかな晴天です。風もほとんどなく、日差しが温かいです。テレビでは、第101回箱根駅伝の中継が続いています。母校の中央大学が現時点(第4区の後半)でも、まだ先頭を快走しています。2位の青山学院大の追い上げがすごいですね。さすが絶対王者です。箱根駅伝に関心が向いてテレビ観戦をするようになったのは1989年だったでしょうか。大学2年生です。
当時は、大東文化大学が強かった。それから山梨学院大学が留学生ランナーを軸にチーム力をアップして常に上位、優勝もありましたね。神奈川大学も強かった時期です。順天堂大学も常に上位だった記憶があります。早稲田大学も英傑たちが揃って強かった時期がありました。
1990年前後には、今の箱根駅伝の強豪校である青山学院大学、駒澤大学、國學院大學は、出場していないか、出場していても上位常連ではありませんでした。それが、10年過ぎ、20年を過ぎて、勢力図はまったく変わりました。
時代が変われば、その時の「当たり前」は、当たり前ではなくなるのですね。もちろん、努力や工夫が必要です。変えよう、生まれ変わろうという努力や意欲、そして継続があれば、変わらないと思われることだって変えられる。青山学院も、近年にぐんと存在感を増している立教大学も、箱根駅伝の上位を目指すという「組織全体の決意、意欲」があってこそ、進歩し進化したのだということです。
翻って放課後児童クラブの世界はどうでしょう。法定外事業から法定化され、2015年からは資格制度も導入されました。変わりつつあるのは確かです。それは、児童クラブの健全な発展を願って活動を続けてきた人たちや団体の努力のたまものでしょう。そしてそれは日々、全国のクラブで子どもと保護者の支援、援助にひたむきに向き合ってきた方々の実践の積み重ねでもあります。
私はそのことに最大限の敬意を払います。先人たちの、それこそ必死の努力、悔しい思いが積み重なったその上に、児童クラブの世界の発展が続いているのです。私は伝統的な児童クラブのあり方に批判を多くしていますが、それは、過去に児童クラブに関わりながら健全な発展を求めて活動してきた方々を否定することではありません。
その上で、急激に変わりつつあるこの社会、世界、それは想像を絶する少子化の進行や児童クラブの運営で言えば市場化の進行に対して、児童クラブの将来がどの方向に向いていってほしいのかを真剣に考える努力が必要だと訴えています。個別の事象でいえば、いわゆる日本版DBSがそうでしょう、今なお解消にほど遠い待機児童対策として放課後児童健全育成事業より居場所事業が重要視されつつある流れがそうでしょう。東京都における新たな認証制度もそうでしょう。様々な事象が待ち受ける中で、何が本当に必要で重要なことなのかを、私も含めて児童クラブに関わる全ての人がさらに真剣に考えて声を上げていくこちが必要だと感じています。
箱根駅伝でいえば、山の神を擁した東洋大学が一時代を築き、駒澤大学が絶対王者と評された時代が続きました。その後、傑出した指導者を迎えた青山学院大学が盤石の地位を築いています。それとて、ずっと以前からその地位、その評価にあったわけではない。変える、進歩する、よりよく発展するという、力強い意志があって結果を導いたのです。
児童クラブの世界は、これまでもずっと厳しい局面のなかで、少しでも子どもたち、保護者たち、働いている人たちの、よりよい制度や環境を実現しようとずっと志ある人たちが頑張ってこられました。とても大変な血のにじむ日々ですが、それを続けていかねばなりません。いや、もっと困難な道に挑まねばならないでしょう。しかし、それを避けていては、結局は、安易な世界に流されて安住してしまうでしょう。
そこに、子どもたちへの幸福はあるのか。保護者の安心できる子育て環境は整うのか。児童クラブで働く人たちの将来への希望を失わせない生活は保障されるのか。この社会が持続的に安定して維持されることになるのか。
私は、しっかりと考えていきたい。
1つだけ具体的なことを挙げると、この年末年始の休みの日における子育て世帯の境遇があります。なんでも今回は奇跡の9連休と言われているようですね。そんな中でも、社会はしっかりと機能しています。それは働いている人たちが大勢おられるからです。その中には、子育て中の保護者が当然いるでしょう。何らかの事情で休めない子育て世帯の保護者がいるでしょう。それらの方々の中には、子どもを自宅に留守番させている人もいるでしょう。大丈夫かな、お昼ご飯はしっかり食べているかな、時間通りに退勤できるかな、火は大丈夫かな、不審者が訪ねてきてやしないかな、などと保護者は心配するでしょう。家にいる子どもには、不安の中で早く親が帰ってこないかなと思う子もいるでしょう。
子育て支援という仕組みは、世間一般の大勢の人たちが休みの中で働いている子育て世帯の保護者と子どもを支える仕組みでもあってほしいのです。児童クラブが稼働できればそれでもよし、他にもファミリー・サポート制度やシッターなどいろいろあります。それらに、社会はしっかりと予算を回して、なるべく多くの不安を解消できるように子育て支援の仕組みを強化していってほしいのです。
「そんなときぐらい親は休めよ。子どもがかわいそうだ」というのがSNSなどネット世界の大きな声ですが、そんな無責任な声など気にすることはありません。種々の事情で「こんなときでも働かざるを得ない」人は必ずいるのですし、「子育てはとても大事。でも自分の仕事はとても社会に重要なのでそう簡単に休めないし、むしろ休みたくない」という人だっています。そういう人に「休まない方が悪い」というのは無意味な批判です。ゴミ箱にポイです。子育て支援の仕組みは、どのような状況であれ、必要とする人に届けられる仕組みであることが必要です。
児童クラブ、学童保育に限って言えば、子どもの育ちへの支えを必要とする方々にしっかりと子どもの安全安心な居場所が提供できる時代になってほしいのです。必要な時間帯に、必要な時期に、児童クラブを提供すること。予算があればできるのですから。しかしどうして、国はケチるのでしょう。児童クラブの世界を苦しめる問題の多く、実施場所が少ないことによる待機児童や大規模化、職員の低賃金重労働は、予算があれば一気に解消できるのです。カネがあれば場所を増やせますし、職員の賃金を上げあれますし、働く人の数も増やせます。働く人の資質も向上します。もちろん、制度上の弱点の解消も必要ですが、まずはカネです。予算を増やしても実際に事業に使われず企業の利益に計上されてしまっては意味がありませんけれども。
私は2025年も、喜んで下品なことを言い続けます。「もっと児童クラブに国はカネを出さねばならないよ!」と。
最後に、1月1日の「初日の入り」の写真を掲載します。東大宮駅近くを通る第二産業道路がJR東北本線をオーバーパスする陸橋上から望んだものです。この数年、この場所で、初日の入りを見届けています。雲がまったくなく、きれいな初日の入りでした。もともとは、以前の職場での私の大事な大事な相棒に届けたいとして見るようになった初日の入り。これからは児童クラブの明日を信じて見続けます。
<おわりに:PR>
弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。
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弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。
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放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。
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放課後児童クラブを舞台にした小説を完成させました。いまのところ、「おとなの、がくどうものがたり。序」と仮のタイトルを付けています。これは、埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子ども達の生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ご期待ください。
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「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)