放課後児童支援員になるにはどんな資格が必要ですか?

 放課後児童支援員は、都道府県等が主催する研修をすべて受講した者に与えられる都道府県知事認定の公的な資格です。この研修を受講できる者に求められる要件があります。それがすなわち、放課後児童支援員になるために必要な資格、といえます。必要な要件は次の通りです。どれか1つに当てはまれば研修を受講できます。
(1)保育士の資格を有する者
(2)社会福祉士の資格を有する者
(3)高校卒業またはそれと同程度の学歴があって、2年以上児童福祉事業に従事した者
(4)教育職員免許法に規定する免許状を有する者
(5)大学等で、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
(6)学校教育法の規定による大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程において優秀な成績で単位を修得したことにより、大学院への入学が認められた者
(7)大学院において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専攻する研究科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
(8)外国の大学において、社会福祉学、心理学、教育学、社会学、芸術学若しくは体育学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修めて卒業した者
(9)高等学校卒業者等であり、かつ、2年以上放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めた者
(10)5年以上放課後児童健全育成事業に従事した者であって、市町村長が適当と認めた者

 保育士と社会福祉士の資格を持つ人、教員免許(幼稚園や養護も含む)を持っている人は児童クラブの世界では「有資格者」とされて歓迎されます。上記の(5)は「学部要件」とも言われ、保育士や教員免許がなくても児童クラブで働き始めたその年に行われる研修に参加し、放課後児童支援員資格を得ることができます。上記の(9)は、学歴が高卒の方でも児童クラブで2年間(かつ2,000時間程度以上)の勤務経験があれば研修に参加できるということを意味します。業界では「任用資格」と呼ばれることもあります。上記の(10)は後になって付け加えられたもので、中学卒業の学歴でも5年以上の実務経験があれば放課後児童支援員になれるということを意味しています。

 公的な資格の中でも、きわめて容易に取得できる資格が「放課後児童支援員」です。しかし実はとても複雑で高度な職務内容が求められる資格であることはほとんど社会に知られていません。資格を取得してから、いかに専門性を深めていくか、研鑽を積んでいくかにおいて個人個人の努力が最も求められる資格と言えるでしょう。

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)