放課後児童支援員と補助員の違いは何ですか?
学童保育所(放課後児童クラブのことを指している場合がほとんどです)には、放課後児童支援員である職員、スタッフと、放課後児童支援員ではない職員、スタッフが働いています。放課後児童支援員ではない職員、スタッフのことを「補助員」と呼びます。これは、国が決めた決まり(厚生労働省令)に基づく呼び方の区別です。以下、少し詳しくみていきます。
(1)放課後児童支援員
都道府県知事が認定する公の資格の名称であり、その資格を持って学童保育所、放課後児童クラブで働いている人のことを指します。基本的に学童保育所、放課後児童クラブで、国や自治体から補助金の交付を受けるには、放課後児童支援員が施設で勤務していることが求められています。つまり、放課後児童支援員の資格を持っていない人しか勤務していない学童保育所や放課後児童クラブは、法令上、その存在は不可能ではありませんが、補助金の額が大幅に減らされます。なお、国の決まりではそうなっていますが、市区町村は条例で学童保育所、放課後児童クラブについて設置と運営に関するルールを定めており、その条例によって放課後児童支援員の配置を義務づけていることが一般的です。その場合、放課後児童支援員ではない人だけが勤務する学童保育所や放課後児童クラブは、その要件を満たしていないことになります。
なお、放課後児童支援員の資格を持っているからといって、その全員が正規職員であるとか常勤職員である、フルタイム勤務であるということはまったく関係ありません。つまり雇用の形態とは関係がありません。週1日、3時間しかシフトに入らない職員が、放課後児童支援員の資格を持っているということも普通にありえます。
(2)補助員
放課後児童支援員の資格を持っていない人は補助員です。これもまた雇用の形態と関係がないので、放課後児童支援員の資格を持っていない人でも正規職員、常勤職員として勤務している例はごく普通にあります。例外として、「保育士や教員免許、社会福祉士の資格がある、あるいは実務経験が規定以上ある」という人は、放課後児童支援員の資格を持っていなくても、放課後児童支援員の「みなし資格」として扱われる場合があります。それも市区町村が条例で当てはまる場合を定めています。この場合のみ、厳密には補助員ですが放課後児童支援員として取り扱われる、ということになります。
放課後児童支援員だから正規職員であることは全く関係ないですし、補助員だからパート、アルバイトでなければならないということもまた全くありません。要は、放課後児童支援員という資格の有無だけで区別しているだけです。なお、名称独占資格である放課後児童支援員でない補助員は放課後児童支援員とは名乗れませんから、学童保育所や児童クラブで働くすべての人をひっくるめて「学童(保育)指導員」と呼ぶ場合があり、特に学童保育の業界団体は主にこの呼称を使用しています。便利ですが、「学童指導員」という別の資格があるように誤解される可能性があります。本来であれば好ましくありません。放課後児童支援員と補助員、と正確に記すべきでしょう。どうしても短くする場合は児童クラブ職員とか、放課後児童支援員等、とすることが適切でしょう。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)