放課後児童クラブ(学童保育所)職員なら百も承知ですが、念のため運営支援から呼びかけます。こどもと保護者それぞれに大切なこと。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマであり成長ストーリー小説「がくどう、 序」がアマゾンで発売中です。児童クラブを利用する保護者の立場も描いています。ぜひ手に取ってみてください!
https://amzn.asia/d/3r2KIzc
 毎年のことですが、4月1日になると新1年生はじめ途中入所の子どもが放課後児童クラブにやってきます。当然、新しい保護者さんもやってきます。いわば「顔合わせ」の時期。このタイミングを上手に活用することがその先の1年間を左右します。児童クラブの職員のその後の仕事がうまくいくかどうかに影響する、大切なことです。児童クラブの職員であれば心得ていることばかりですが、改めて、留意しておくべきことを紹介します。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<新入生のこどもに対して>
 ・通院治療が必要なけがは、おこさない。とりわけ、こどもが歩けなくなるような、大きな「けが」は絶対に起こさない。
 →入学式に参加、参列できなくなる事態だけは絶対に避けましょう。児童クラブで万が一、入学式に参列できなくなるようなけがをこどもが負ったとしたら、それはもう大惨事です。

 ・児童クラブは怖いところだ、嫌なところだ、という印象を植え付けないようにする。
 →けがだけはありません。児童クラブで過ごすうえで、人間関係の上でも、こどもが、とても嫌な思い、ひどい思いを覚えるようなことも、新入生のこどもに遭わせてしまってはなりません。行き渋りを引き起こします。

 ・環境が激変していることで、こどもが戸惑っているということを前提に、関わりを持つ。
 →児童クラブで働いている側にすれば、以前からずっと連続して続いている時間と空間に身を置いているので、当たり前ですが今までと変わらない対応や声掛け、ふるまいをします。しかしそれは、新しく児童クラブに入ってきたこどもにとっては、その場において初めて体験することばかり。ちょっとのことでおびえたり、怖がったりします。新入生にとっては、新たに入った児童クラブそのものが、激変した環境なのです。今まで同じ保育所やこども園で過ごしてきた友達がいたとしても、圧倒的に激変した環境はまだ、その子にとって「居場所」とはなっていません。職員の側は、つい、在所生に対してするようなふるまい、声掛けを相次ぐ仕事の流れの中で、やってしまいがちですが(例えば「それはだめでしょ!」「こらこら、そういうことはしない!」というような声掛け)、それは新入生にとってあまりにも刺激的である可能性を、十分に念頭にお行きましょう。

 この時期に、こどもが、児童クラブや職員、また児童クラブのほかのこどもに対して、ぬぐいがたいマイナスの印象を抱いてしまうと、その後の育成支援、こどもとの関係性の構築に影響します。これは対保護者でも同様です。慎重すぎるぐらい慎重でいいのです。いずれにしても、1か月もすればたいてい、いつも通りの日常の時間と空間に戻っていきます。「この時期だからって特別なことはしない」というのではなくて「この時期だけは、より慎重にいこう」という姿勢で、児童クラブ職員のみなさまにはお願いします。そのことを分からない上層部、経営陣の児童クラブ事業者で働いている方々は大変ですが、現場だけでも意思を統一して、新入生(新保護者も)に接していきましょう。

<新しく利用を始めた保護者に対して>
・第一印象は大事です。「社会人として信頼できること」を示しましょう。
→初めて児童クラブの利用を始めた保護者には、職員が信頼に値するということを早めに理解してもらうことが何より重要です。言葉遣いも、立ち振る舞いも、十分に注意しましょう。社会人として恥ずかしい行動は厳禁です。それは新人職員であっても同じです。大事なわが子の命をゆだねている以上、保護者は、児童クラブの職員の「値踏み」をするものだという前提を持ちましょう。親しい言葉がけは、もっとお互いに親しくなってから。

・新たに利用を始めた保護者は、児童クラブのことを正直、よく分かっていないという大前提で丁寧に接しましょう。
→児童クラブの本当の役割は健全育成だ、児童クラブの職員は、こどもへの育成支援を行っているのだ、ということは世間には全く知られていないという理解のもと、児童クラブの役割や職員の仕事については、丁寧に説明していきましょう。昨日(2025年4月3日)の旧ツイッター(X)ですが、「保育所の在籍が終わった。こどもを預けて働くにはどうすればいいの?」という趣旨の投稿がありました。投稿したアカウントの持ち主が本当にそう思っていたのかどうかはもちろん分かりませんが、こどもが小学校に入学した、保育所は利用できなくなる、こどもをあずけて働くには児童クラブ、学童保育を利用することになる、ということが、すべての人が必ず知っているのではない、ということも考えなければならないということです。保育所の次は学童だ、ということが決して常識ではない、という可能性を念頭に置かねばならないということです。まして児童クラブの本当の役割なんて、まず知られていません。「こどもを預かってくれる場所」と思われているだろうということです。そこから丁寧に、分かりやすく、「こどもは、児童クラブでただ過ごしているだけではないんですよ」ということを伝えていきましょう。

・利用上のルールは、これは確実にきっちりと。変に温情をかけたり同情したりでルールを曲げないこと。
→こどもの受入時間、開所の時刻、閉所の時刻は厳守してもらうことは、当然です。持ち物についても同様。仮に昼食の弁当を持参することになっていて、それを知っていながら「持ってきませんでした。クラブでなんとかできませんか? 買いに行かせるなど」ということを平然と要求していくる保護者には、それはきっぱりと対応しましょう。ここで、「この時期ですから忙しいですものね、こちらでなんとかします」などと対応してしまっては、保護者が誤学習してしまいます。児童クラブの職員がこの時期、ピリピリするのは、学童ビギナー保護者が自分の思いのままに行動して大丈夫だと誤解することを避けたいからです。児童クラブは、ルールを守って利用する人にはとても親切ですよ、という印象は曲げずに与えることは、難しい作業ですが、大事なことです。
 ただし、「保護者のわがまま」な行動が、単に順法意識の欠如なのか、あるいは「やむにやまれぬ事態から起きていること」なのかを判断する視点は忘れないようにしましょう。お弁当を用意できなかったのは、単にさぼったのか面倒くさくなったからなのか、あるいは別に隠している事情があってそれに起因するものなのか、「その態度の背景にあるものは、何か?」を常に考える姿勢を、児童クラブ職員は忘れずにもっていましょう。
 また、保護者のみなさんも、困ったことは遠慮なく児童クラブに相談してくださいね。

<新人職員、また異動してきた職員へ>
 これは番外編ですが、新人職員の採用や、人事異動がある事業者では、職員の構成が変わるタイミングでもあります。少人数の職員で大勢のこどもたちを支える児童クラブはどうしてもチームのチカラでこどもたちを支えていくことが欠かせません。そのチームの構成に変化があった場合、チームの総合的なチカラがまだまだ不完全な時期であるのは、これはどうしようもありません。先任職員や管理職は、新顔の職員に適切に、丁寧に、細かく、指示や指導を行っていきましょう。
 この時期に、職員同士の人間関係において、その後の関係性の厚みを増していくのに妨げとなるような出来事を起こすのは、実にもったいない。「あの人はいい加減だ。適当すぎる。指示もしないで文句ばっかり」などと思われては、その後に好印象、高評価に反転させるのは大変です。要はこの時期はとりわけ、残念な印象を互いに持たれないようにしましょう。

 これから始まる1年間、うまくいくのも、ギスギスするのも、この時期をどう適切に過ごすかどうかにかかっています。
 
※この投稿で、運営支援ブログは996の投稿記事を数えます。まもなく、1,000記事の投稿となります。

<PR>
 弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。

 放課後児童クラブを舞台にした、萩原の第1作目となる小説「がくどう、序」が発売となりました。アマゾンにてお買い求めできます。定価は2,080円(税込み2,288円)です。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員・笠井志援が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。リアルを越えたフィクションと自負しています。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、群像劇であり、低収入でハードな長時間労働など、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。素人作品ではありますが、児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描けた「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作に向いている素材だと確信しています。商業出版についてもご提案、お待ちしております。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)