放課後児童クラブ(学童保育所)を利用する人、職員へのヒント。「児童クラブのトリセツ」シリーズ15は「職員の採用」です。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者をサポートする「運営支援」を行っている「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台に、新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く、成長ストーリーであり人間ドラマ小説「がくどう、 序」を書きました。アマゾンのみで発売中です。ぜひ手に取ってみてください! (https://amzn.asia/d/3r2KIzc) お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 東京都は2025年7月31日、今年度から始めた「東京都認証学童クラブ」となった50施設を公表しました。
https://www.my.metro.tokyo.lg.jp/w/114-20250731-146472158
 運営支援ブログではその50クラブを運営している事業者を書き出してみます。いろいろな事業者が、営利と非営利とを問わず、このなかなかハードルの高い認証学童クラブに挑んでいることが伺えてとても興味深いです。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<その61:なかなか職員の採用ができません。求人の応募がありません。どうすればいい?>
 「どうせ時給や初任給が安いからしょうがない」とあきらめたらそこで終了です。そもそも、運営に携わる立場の者が、最初から敗北宣言するようでは経営者失格です。そういう思考の人は専従者であれ、保護者のボランティアであれ、その立場に就くことがまったくふさわしくありません。専従者であって児童クラブ事業者の経営と児童クラブ事業の運営に携わる者であれば、どんな状況であっても「どうすれば求人に応募する人が増えるだろうか」と考えることだけが必要であって、「どうせ学童なんて仕事がきついし給料が安いし勤務時間が夕方から夜にかけてで家事が忙しい時間とかぶるから、働きたい人なんて増えやしないんだ」と思う負け犬思考の人は、その児童クラブが不幸になるだけですから、とっととその地位を辞して他の仕事に就いてください。保護者運営であれば他の保護者と代わってください。そんな思考の下で児童クラブを運営されては困ります。
 人事は採用も育成もすべて結果論。うまくいって当然、誰からも評価されません。そしてうまくいかないことの方が圧倒的に多い。採用した人がなかなか困った人だったとか、すぐに辞めてしまったとか、仕事をなかなか覚えようとしないとか、「こんどの人は残念だったね」「ハズレだったね」と陰口を言われる状態になった時、そのすべてが「あの人が採用に関わっている限りうちのクラブはダメだね」と批判されるのです。それが宿命です。それも嫌なら、人事に一切かかわらないことです。というか、事業者の経営、事業の運営に関わらない方が精神衛生上、良いですよ。

 さて本題。どうすればいい? を考えるには2つの点において見直しや改善、工夫が必要です。それは実に簡単な内容ですが、極めて実行するのが難しい2つの点です。つまり「採用における雇用労働条件を引き上げる」と「求人広告の露出量を増やす」です。つまり、なかなか実行できないこの2つを少しでも改善させれば、求人応募が増える可能性があります。
 ただし、児童クラブ側ではどうしようもない環境要因もあります。それは「その地域における潜在的労働力が無いか、ほとんどない」場合です。児童クラブに徒歩や自転車で通える区域内に居住している人がほとんど別の仕事にもう就いている、というような場合です。そのエリアに大きな事業者があって労働力を吸い上げている場合が該当します。これを「後出しじゃんけん」でやられると児童クラブにはとても厳しい。児童クラブのそばに巨大なショッピングモールができたとか、巨大な倉庫ができた、という場合です。クラブのパートやアルバイトが次々に辞めていきますからね。こういうのはもう児童クラブ側にはどうしようもありません。
 雇用労働条件の向上も予算が無いのでなかなかできない。だからといってあきらめたら何度も言いますがそこで終了です。少しでも働き手を集める工夫をしていきましょう。
 〇周辺地域の事業者と賃金待遇で劣る場合であっても、「局所的に」優位となる状況を作り出す。例えば「土曜日のみ時給100円アップ」と、職を探している人の「これはお得かな?」の興味を引き付ける。
 〇同様に、周辺地域の事業者と就業時間において不利にある場合は、就業時間において自由さを増やす。働ける時間の選択肢をできる限り増やす。児童クラブ側の「常識」として、細切れの勤務を非常に嫌がります。放課後児童クラブ運営指針に継続的な従事が必要な旨の記載もあります。しかし、「期間」がそれなりに長ければ、1日に2時間の勤務シフトであっても、それが週3日、期間が年単位の従事になれば、運営指針が求めるところの継続性もカバーできます。しかも仕事に慣れてくれば働く側から、勤務時間の延長を申し入れてくることは大いにあります。まずは、求人応募者のリクエストを極力実現する形での採用を認めましょう。
 〇求人広告が届く範囲を考えましょう。学生アルバイトなど10代、20代ならスマホで求人が見られなければダメです。それ以上、50代60代でも基本はネットで求人広告をチェックしているものと考え、ネットに求人を出すのは最低ラインです。そこにどれだけプラスして求人広告を露出できるかの勝負です。地域の人材が欲しければ、行政や自治会と交渉して回覧板に入れてもらいましょう。地域のフリーペーパーやミニコミ紙・誌の求人広告も、結構読んでいただいているので効果的です。できれば「地元のお勧め店の特集」「食べ放題店の特集」と同じ号に広告を掲載してもらいましょう。食べ物の興味を引く特集の時はそれだけ読む人も増えるのです。
 〇面倒でもハローワークには求人を出しておきましょう。ハロワの求人は無料で他の求人媒体に転載されます。
 〇自社のウェブサイト、ホームページにも当然、必ず求人広告を出しておきましょう。自社の場合は文字数制限がありません(求人広告は分量で料金が変わります)。より具体的な求人広告の条件も掲載できます。
 〇口コミを増やしましょう。職員、特にパート、アルバイトのお知り合いを芋づる式にクラブに招き入れる。そのために「紹介してくれた人には謝礼3万円」といった報酬を用意しましょう。扶養の範囲内で所得を気にしている人には使いにくい手法ですが、そういう場合は支給時期を2年に分けるなどすればいいでしょう。
 〇あきらめずにずっと求人広告を出し続けましょう。ただし、運よく採用ができたらすぐに求人広告は取り下げましょう。「ずっと求人を出しているから、きっとひどい職場なのよ」という陰口を気にすることはありません。児童クラブが万年、人手不足なのを隠すことはありません。
 〇「人事は運」でもあります。「頑張っていればきっといい人が応募してくる」とひたすら思うのは、なんたる非科学的だと思われるでしょう。しかしそうでもないんですよ。「まじめな人が選んでくれるいい職場にしていれば、きっと求人応募が来る」と思って事業運営していれば、職場をより良くしようという意識も同時に働いているはずです。それは長期的に見て、居心地の良い職場を作ることに役立ちます。そこからの口コミの広がりがあるでしょうし、噂を耳にした人からの応募があるかもしれません。ひたむきに頑張る。人事はそれに尽きます。

<その62:来てほしくない人が応募してくると大変面倒です。うまい手はありませんか>
 私に言わせれば「選り好みしている場合か!」ですし、よほどのことがなければ採用して適材適所の活用をすることが重要です。その「よほどのこと」を避けたいという意味なのでしょうが、応募してくるのは相手方の意志判断ですからどうしようもありません。「応募してきては困る人からの応募をさせないようにする」ことは不可能です。よって、「これはこまったな」という人が応募してきたときの手順を確立しておけばいいだけの話です。
 門前払いはダメです。求人広告を出した以上、それを見て応募してきた人はすべて「採用選考」を行ってください。そのうえで、仮に相手から「どうして採用されなかったのか」という理由を問われたら、丁寧に「こういう理由です」と説明できるだけの根拠を持って不採用にすればよろしい。「採用に関して一切説明はできかねます」と全く取り合わないことは法令に背くことではありませんが、後で「あの児童クラブの会社はおかしいよ」と噂をネット上にばらまかれないためにも、丁寧に対応しましょう。
 非常勤のパート、アルバイトであれば履歴書や30分程度の面接でチェックして採用の可否を判断すればよいでしょう。正規職員や常勤職員の場合、応募する側も生活がかかっているなど必死の状況があるでしょう。事前の面談や職場見学、採用面接など丁寧な段階を経て結論を出しましょう。
 採用できなかった理由として、障害や年齢を理由にすることは法廷に抵触する恐れがあります。あくまでも、児童クラブとして現時点で必要な能力を備えている、あるいは能力が育てば身に着くと思える人を採用したいということで、その求める水準に達していなかったということを合理的に説明できるようにしましょう。これを実施するには、「いま募集している人は、こういう条件を満たしている人」ということを、求人案件ごとに設定しておくことが必要です。ただ人が足りないから募集しよう、ではなくて、「いま必要なのは、こういう業務ができそうな人。よって、こういう能力がある人や期待できる人。そのためには、こういう条件を満たしていることが必要」ということを、募集する側が明確に認識していることが必要です。もちろん、そのことを求人広告でできる限り伝えておくようにしましょう。文字数やスペース(広さ)の関係で難しい場合は、自社のHPでしっかり記載しておきましょう。

<その63:児童クラブの仕事に向いている人が募集してくるような、巧い募集の文言はありますか?>
 できる限り、「いま必要な人は、こういう能力を持っている人、こういうことができる人」ということが伝わるようにすることが前提ですが、そもそもの基本的な方向性として、児童クラブの仕事に向き不向きはありますから、なるべく「向いている人」が興味関心を持ってくれることは大事ですね。
 一般的な、育成支援を重視する児童クラブの場合を想定すると、やはり「コミュニケーションが苦手ではない人」が最優先です。少ない職員数で、同時多発的に遂行が求められる業務をこなしていくには、コミュニケーションが苦手な人ではうまくいきません。先任職員から支持を受けたり、あるいは同僚に相談したり依頼したりするときには、コミュニケーションが苦手ではそれが上手にいきません。児童クラブの業務の最も中核となる「育成支援」は、こどもの多岐にわたる行動に瞬時に対応することが必要で、つまり「マルチタスク処理能力」が肝心ですが、コミュニケーションが得意な人はおおむねマルチタスク処理能力に不安はありません。
 「こどもとはたくさん話せるけれど、大人と話すのはちょっとひるんでしまう」という人は、児童クラブの仕事に向いているとは、なかなか言えません。
 ですので、求人広告には、「コミュニケーションが好きな人」を打ち出した方がよいでしょう。決して「こどもと遊ぶだけの簡単な仕事」とは書かないようにしましょう。こどもとあそぶことがどんなに大変か、児童クラブで数カ月でも働いたことのある人なら実感できるでしょう。こどもとあそぶことは、決して簡単な仕事ではありません。こどもと遊ぶことは確かに児童クラブの業務ですが、それは「あそびがこどもの成長に資するから」であって、あそびの先にある達成するべき育成支援目標にどうやって到達するかを踏まえてのあそびです。
 ただ、夏休み期間のみの、いわゆる「あそび要員」、外でこどもと体を動かして遊ぶこと「だけ」を期待して募集するのであれば、「こどもと遊ぶ仕事です」と打ち出すのは良いでしょう。ただしその場合、そうして採用した人に、より複雑な業務の遂行を期待してはなりません。
 手作りおやつの業務を期待するなら、はっきりと「30~40人分のおやつを他職員と協力して作ります。料理好きな人にぴったり」と書いた方がいいでしょう。整理整頓、掃除の業務を期待したいなら、「こどもが使うトイレ掃除もあります」と書きましょう。仮に子育て経験のある人がその一文を読んだなら、「こどもが使うトイレ=結構、汚れている」と想像がつくでしょう。
 児童クラブの特に非常勤職員の募集では、具体的に自分が担当するかもしれない業務量を求人応募者にイメージさせることが大事です。

<その64:採用で、決して行ってはいけないことがありますか?>
 〇放置はダメ! 求人の問い合わせが来たら、即座に対応しましょう。とりわけ非常勤職員の採用は、1分1秒を争います。応募したのに返事が来ないからと他の会社に応募されたらもったいない! メールでも電話でも、「それを知ったら直ちに」が基本です。
 〇丁寧に、かつ、親しみを込めての対応を! 求人広告を見て電話をしてきてくれた方に、そっけない対応をしたらダメです。もちろん、その着信が求人応募かどうか分かりませんから、児童クラブの現場や事務局に電話がかかってきたら、すべての電話に対して丁寧な対応をすることは基本中の基本です。その上で、「求人の件で」と先方が話をしたら、とびっきりのフレンドリーさで対応しましょう。「第一印象」はその後を左右しますよ。
 〇業務においては丁寧な説明を! 常勤職員やフルタイムパート職員であれば時間をかけて業務や雇用労働条件について説明をしなければなりませんので、それは改めて触れます。非常勤職員、パートやアルバイトの方であれば、より具体的な業務内容について、丁寧に説明、紹介する資料を準備しましょう。それを基に担当者が面と向かって説明することが必要です。
 〇時給(賃金)と週の所定労働日数、所定労働時間は、何度も繰り返し説明する! もめやすいところです。
 〇退職についても、しっかりと説明する。退職のトラブルは最も多く、かつ、最も困る局面です。退職手続きについては図表を使うことも含めて念入りに説明しましょう。
 〇差別的な言動に注意する! 「本当は女性を採用したいんだけど、応募してきたのが70歳過ぎの男性かぁ」と思いながら面接したり説明したりすると、「どうせこの人は採用しないだろう」という内心の思いが、顔の表情や言葉の端々に出てしまうことがあります。それを面接相手に指摘されてSNSや地域に言いふらされたら、新規採用の人材をつかむ可能性が減ると思ってください。人事というのは、「笑顔ですぱっと厳しい辞令を伝えられる」度量が大事です。それができない人は人事採用に関わってはダメですよ。
 〇人事の採用担当は必ず総責任者は1人とする! クラブ別採用はともかく、法人など運営組織にて採用する場合は責任者は1人としましょう。保護者会系運営の場合に見過ごされがちですが、人事は経営の骨格の1つですから、組織の経営、事業の運営に責任がある人が人事においても責任者となることがふさわしいのです。そこを怠ると、万が一の場合、例えば新規採用した職員が採用過程で不穏な言動を匂わせていて、採用後に故意に犯罪をしたときに、人事担当の責任の所在を問われたときに、責任者があいまいでは責任が取れません。検証も不確かになります。「保護者運営でも保護者は非常勤で、育成支援に詳しくないので現場の職員に採用を任せている」というのは「無責任の極み」であることを認識してください。保護者運営でも法人役員が全員、保護者で非常勤なので採用は職員任せというのは、事業としてありえないのです。仮に職員に採用を任せるというのであればその職員を経営の最高幹部とするべきです。それができないなら保護者が育成支援について詳しくなって責任を負う覚悟をもたねばなりません。
 なお、わたし(萩原)の持論ですが、人事も含めた児童クラブ組織経営、事業運営の責任者は、あまりにも長期間、同一人物がその地位におさまることは、決して望ましくないと考えます。「ひと」が事業の基盤となる児童クラブ事業では、職員が、同一の人物の影響下に置かれることで、良からぬ影響が出るおそれがあります。特定の人物の意向にのみ従う、迎合するような職員が増えてしまう可能性があるからです。児童クラブは、補助金を交付されて営んでいる場合はまさに「公の事業」ですから、すべては公の事業に従事する、尽くすことへの共通理念を抱いていることが職員に求められます。大事にしたいという理念が公の事業ではなくて、採用責任者や経営責任者個人に向いてしまっては、もともこうもないのです。定期的に経営責任者が交代する、入れ替わることも含めて同一人物がずっとトップを務めることがないように配慮が必要でしょう。それができない場合は、外部から役員を招いて経営、運営のチェック体制を整えること、利用者である保護者からの意見を定期的に受け止めて事業に反映させる仕組みを整えることも必要です。

<その65:採用に関して法令的に欠かせないことを教えてください>
 〇均等待遇、男女同一賃金の原則は絶対順守です。採用した後に、外国籍だからといって賃金を低くすることはダメです。なお採用において外国籍の方は採用しない、ということは必ずしも法令違反とはなりません。児童クラブは言語によるコミュニケーションが必要ですから日本語があまり得意ではない人を採用することは合理的ではありません。ただし、そういう場合でも、活躍できる可能性がある職種があるなら事業主はそういう職種での採用を前向きに考えるようにしましょう。
 〇契約期間に注意しましょう。無期雇用をちらつかせて雇用契約は有期雇用である、というトラブルは珍しくありません。児童クラブで働く側はこの点を念入りにチェックしましょう。有期労働契約は上限3年間です。満60歳以上では5年間です。これは働く側にすれば、3年なり5年なりの間は、最初の1年間が過ぎるまでは、自分から契約解除を申し入れができない、つまり3年や5年の雇用契約期間の人は最初の1年間は基本的に退職できない、と理解してください。無期雇用の場合は原則、退職を妨げられることはありません。「パートやアルバイトだから、嫌になればすぐに辞められる」というのは誤解ですよ。
 〇有期雇用の場合、雇う側が説明しなければならないことがいくつかあります。例えば、無期転換に際して、無期転換後の労働条件について説明をしておかねばなりません。
 〇採用する全ての人に絶対に明示せねばならない項目が6項目あります。これは書面で提示して説明し、その書面を渡してください。労働基準法に定められていることですから、就業規則が存在していない、どんなに小さな児童クラブでも行う必要があります。
「労働契約の期間」
「有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項。契約の更新回数に上限がある場合はその上限も伝えること」
「就業の場所、従事すべき業務に関する事項。変更がある場合はその変更の範囲を含む」
「始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無(=残業の有無)、休憩時間、休日、休暇」
「賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締め切り、支払いの時期、昇給(=これのみは口頭でも可能)に関する事項」
「退職に関する事項。解雇の事由を含む」
 つまり、「いつまでの契約ですよ、勤務するクラブは〇〇クラブですよ、働いてもらう時間帯はこうですよ、時給はいくらで締め日は何日、支払いは何日ですよ。辞めるときはこういう手続きが必要ですよ」ということを説明しなければならない、ということです。これは大事なことですから絶対に守ってください。ここがしっかりしていれば、労使のトラブルは減らせます。
 〇雇い入れ時の教育。業務の内容をしっかり説明してください。労働災害の防止にもなります。この雇い入れ時の教育は、十分に知識や技能を有している人(つまり経験者)には省略することができますが、児童クラブは個々のクラブでの我流が強い職業ですから、たとえキャリアが十数年の支援員を採用しても、自事業者でのやり方と違うことが当然ありますし、むしろ必ず違っているはずですから、しっかりと教育しましょう。キャリアが長いと自負している側も「わたしはそんなことぐらい知っているわ」と思わずに初心に帰って教育を受けてください。
 〇社会保険対象の場合は必要な手続きを行うこと。広範囲に確認が必要なことがあります。不明な点は社会保険労務士にお尋ねください。

 児童クラブは、人材獲得の条件として他業種と比べると不利にあるのはどうしようもない事実です。高めの時給、月給を提示できないとか、働く時間が主婦層には厳しいとか、フルタイムにしても所定労働時間が1日6時間となっていれば月給換算ではどうしても安めの賃金となる、ということです。しかし「あきらめたらそこで終了」です。人事の最高責任者はおしなべて児童クラブ組織経営、事業運営の責任者でもあるでしょうから、行政に働きかける、議員に相談するなどして、人件費の原資となる補助金の増額の実現を常に追い求めるべきです。現場の職員は日々、こどもと保護者に向き合っています。それが任務だからです。そして経営運営に携わる者は日々、行政や議員と交渉したり働きかけたり関係改善に努めたりすることが任務です。険しい道であることは百も承知。ですが、その覚悟を持って児童クラブの経営、運営に取り組んでください。そして仕事を探している人、特に過去に、こどもが児童クラブを利用していた、あるいは自身が児童クラブを利用していた人は、児童クラブでの就業について積極的に考えてみてくださいね。

(お知らせ)
<新着情報!>
 2025年6月から放課後児童クラブ(学童保育所)の新規設立と日本版DBS制度への対応に際してご相談者様、ご依頼者様からのニーズに万全対応を期すべく「イオリツ行政書士事務所」(佐久間彩子代表)と、業務上において連携することと致しました。
 弊会に寄せられた児童クラブ新規設立のご相談、ご要望に際しては、児童クラブ全般の説明や業務設定の支援を弊会にて行い、クラブ設立に関する具体的な相談や手続きにつきましては、イオリツ行政書士事務所にて対応となります。また、日本版DBS制度につきましては、弊会は事業者の労務関係面の対応助言や必要規程の整備を担当し、イオリツ行政書士事務所が制度の説明や、認定事業者を得るための具体的な手続きの説明や代行面を担当いたします。
 佐久間氏は、「日本一、学童保育に詳しい行政書士を目指す」として2025年度から事業を開始された気鋭の行政書士です。児童クラブに関しても豊富な知識を有しており、また実際に保護者運営系の児童クラブの利用者であり運営にも関わっておられるので、児童クラブに関する業務についてはまさに最適任です。
 児童クラブの新規設立や運営主体の変更の手続き、また日本版DBS制度の全般的な相談には、ぜひとも「イオリツ行政書士事務所」まで、お問い合わせいただけますと幸いです。
「イオリツ行政書士事務所」(https://office-iolite.com/
代表者:佐久間 彩子(さくま あやこ)
所在地:〒231-0048 神奈川県横浜市中区蓬莱町2-6-3 KOYO関内ビル406
 もちろん、イオリツ行政書士事務所は日本版DBS制度についてきめ細やかな事業者様のサポートが可能です。
・認定取得に向けた申請書類の整備/相談
・導入/管理体制の構築、運用のサポート
・職員/保護者向けの説明サポート
・制度や法令に関する最新情報の提供
・就業規則等の整備、労務関係面の対応助言(弊会も連携して対応いたします)
日本版DBS制度についてのご相談は、弊会並びにイオリツ行政書士事務所まで、ぜひご相談ください。(https://dbs.office-iolite.com/)

 弊会代表萩原ですが、必要な手続きを経て2025年9月1日付で、社会保険労務士として登録となります。埼玉県社会保険労務士会大宮支部となります。同日付で「あい和社会保険労務士事務所」を自宅にて開業いたします。詳細は後日、ブログに投稿いたします。同日以降は、社会保険労務士としての業務は「あい和社会保険労務士事務所」で、放課後児童クラブ(学童保育所)の個別具体的な運営支援については「あい和学童クラブ運営法人」で分離してお引き受けいたします。「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽に児童クラブについての講演、セミナー、アドバイス、メディア対応についてご依頼ください。
 ※新着情報はここまで。「お得情報」が下にあります!

〇弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない、あらゆる児童クラブを応援しています。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。
 さらに運営支援からの書籍第2弾として、放課後児童クラブを舞台にした小説「がくどう、序」を発売しました。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。もちろんフィクションですが、リアリティを越えたフィクションと、自信を持って送り出す作品です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いたハートフルな作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説です。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。
 この2冊で、放課後児童クラブの世界をかなり知ることができると運営支援は自負しています。いわゆる日本版DBS制度において、放課後児童クラブと関わりができるであろう弁護士や社会保険労務士、行政書士といった各士業の方々には、放課後児童クラブの世界を知るにはうってつけの書籍となっています。他の業種、業態とかなり異なる、ある意味で異質の業界である児童クラブについて知ることができる、運営支援からの2冊を士業の方々には、ぜひご活用ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
☆(お得情報!)
放課後児童クラブのエアコン機器の点検と清掃を考えている方に朗報です。弊会をバックアップしてくれている、埼玉県上尾市の「SVシステム株式会社」(埼玉県上尾市の電気・空調設備施工管理会社|点検・修理・メンテナンス|SVシステム株式会社)が、「児童クラブ限定」で、格安にエアコン機器の点検と清掃を承ります。埼玉県や上尾市に比較的近い地域であれば県外でもお伺いできます。見積はもちろん無料です。技術者のスキルは超一流。私が以前、児童クラブ運営事業者だったときからの長いお付き合いです。弊会お問い合わせメールで連絡先をお送りいただければSVシステム社に転送いたします。直接のご連絡も、もちろん大丈夫です。夏前にぜひ、エアコンの点検を!

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)