放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援より、2025年のごあいさつ。あけましておめでとうございます。
放課後児童クラブ(学童保育)運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所の中核的存在)の健全な発展を願い、とりわけ児童クラブで働く人たちが安心して一生続けられる仕事となるように雇用労働条件の向上の必要性を訴えている、児童クラブの運営支援です。2025年、令和7年の幕開けです。本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
2025年を迎えました。引き続き、物価高が進行しそうですね。年明けにはパン類の値上げが予定されていると報道されました。菓子類も値上げが予定されていると報道にあります。これらは、児童クラブの経費を直撃しますね。また、加工食品の値上げ予定品数がかなり多いようです。これは子育て世帯に厳しい影響となりますね。
福祉の世界はいつも予算が足りない、金欠状態です。放課後児童クラブは、まだまだ「必要がある人だけが使う仕組み」という過去の感覚がぬぐいきれていないようで、小学1年正の2人に1人が利用する重要な子育て支援員インフラ、社会インフラにも関わらず、抜本的な強化のために多額の予算を投じるということが起きていません。このまま物価高が進行し、補助金の大幅な増額がなされないと、児童クラブを運営するための経費のやりくりがさらに厳しくなります。職員への給与を引き上げられないと、児童クラブの仕事では「食えない、暮らせない」となり、ますます離職者が増えます。新規の就労者も増えません。
この悪循環を断ち切らねばなりません。令和7年度予算案はもう固まってしまったので、児童クラブに関わる人たちが、「これではダメです。これでは児童クラブはじり貧です」と強く訴えて、令和7年の補正予算や、令和8年度の良さ難を策定する上で少しでも児童クラブに資金が投じられるよう、活動を続けていきましょう。
子育て支援に必要な社会インフラとして更なる制度の強化が必要なのですが、現実的には、放課後児童健全育成事業の強化とは異なる「子どもの居場所としての機能」が強化されつつある印象を私は持たざるを得ません。待機児童の早急な解消のために短期の児童受け入れは必要だとしても、少人数の児童の居場所整備を進めるとしても、それはあくまで緊急避難的な措置であって、本来は、継続的に児童の育成支援を行う場所である児童クラブの整備を着実に進めることが必要であると、力強く、社会に呼びかけていかねばなりません。運営支援も微力に過ぎませんが、引き続き、社会に向けて児童クラブの重要性、必要性を訴えてまいります。
また、社会が、児童クラブが重要である、社会を支えるインフラであると認識するには、児童クラブの側が律していなければなりません。育成支援の専門性をさらに深め、その実践によって子ども、保護者からの支持を厚くすることが必要です。不祥事を起こすことはあってはなりません。「児童クラブが、学童が、あってよかった」と思われる児童クラブであることこそ必要であって、そのような状態が存在していないと、いくら児童クラブは大事な制度、仕組みであると訴えても「だって、あのひどい場所でしょ」と納税者たる国民、人々に思われたら、まったく意味をなさないのです。児童クラブの側は、いまは確かに厳しい局面かもしれませんが、それを理由とせず、国民から感謝される育成支援を実践せねばなりません。
それは、現場職員だけに課せられるものではありません。むしろ、児童クラブの運営事業者こそが自らを厳しく律し、質の高い育成支援事業が実施できる環境を整えることこそ必要です。そういう意味で、児童クラブの運営に関わる者たち、理事や監事といった役員たちこそ、放課後児童健全育成事業について広く深い知見を常に追い求めることが必要であり、その上で、法令遵守を絶対的なものとして、公平公正な組織統治を行わねばなりません。
運営支援は、児童クラブの運営事業者に、より強く、法令遵守、組織統治の正常化の必要性を訴えて参ります。
2025年は、こども性暴力防止法、いわゆる日本版DBSに関しての取り組みが急務になります。国が様々な資料を提示するでしょうし、それを速やかに理解した上で、必要と思われる組織運営上の取り組みを進めていかねばなりませんし、進められるようにしておかねばありません。
まずは、児童クラブの運営事業者のみならず、子ども、保護者も当然含めながら、この制度の理解を深めて導入に関する意識を醸成しておくことです。制度を導入しない選択をする場合は、補助金を得られないで事業運営しなければならない可能性を念頭にしておかねばなりません。それは極めて困難です。日本版DBSを導入する、しないに関する事業経営上のリスクと、日本版DBS導入を前提とした場合における事業者に関わるすべての者に理解を求める作業を進めることが必要となる2025年になるでしょう。
昼食提供、開設時間の拡大など、保護者の利便性向上はしっかりと受け止めていかねばなりません。ややもすると、「便利になるとますます親は子どもを預ける時間を長くするから、それはよくない」といまだに精神論を掲げる児童クラブ側の意識が見受けられます。なんと馬鹿げたことでしょう。そもそも児童クラブの仕組みは、保護者の必要があって生まれたことを忘れてはなりません。保護者の監護に代わって子どもの育ちを支える専門職が児童クラブの職員です。保護者が必要に迫られて長時間、児童クラブを利用するなら「任せてください!子どもの育ちを私たちがしっかり支えます」と言い切る自信と技量を早く備えてください。「親は仕事が休みなのに、子どもが学童に行かされる」と愚痴を垂れ流す暇があれば「なぜ、あの子の親は、仕事が休みなのに子どもを登所させるのか」についてしっかり調べて分析してください。そこに看過できない事情があれば積極的に関わっていくことが子育て支援です。それを面倒くさがるのであれば、その人は、「単に子どもが好きで、子どもに頼られたいと思っている自意識肥大なだけの者。子どもに頼られたいと言いながら実は子どもの存在に依存しているだけ」と私は断じます。子どもの育成支援に向いていない人です。
広域展開事業者はますます全国で運営するクラブを増やすでしょう。広域展開事業者が児童クラブを運営することそものが批判されるべき状況ではありません。児童クラブの運営内容をもって評価されるべきです。ただ残念ながら、現状、圧倒的多くの広域展開事業者の運営クラブ、現場から伝えられる情報が悲観的なことばかりなので、案じられるのです。広域展開事業者運営のクラブからは、どのような育成支援が行われているか、もっと情報を発信しましょう。聞くところによると、事業の守秘義務をかなり厳しく徹底することでどのような事業内容が行われているか外部に知られないように異様なほど労力を使っている事業者があるようです。いいですか、大事なことは「子どもや保護者に不利益なことが行われていないかどうか、人権侵害、権利侵害が行われているかどうか」を見極めることです。子どもや保護者、また職員に対して看過できない行為が行われた、あるいは行われているのであれば、守秘義務を盾にそのようなひどい状態にあることが知られないことは、あってはなりません。児童クラブの現場に従事する者は、最終的に「奉仕するものは、なにか」を念頭に行動しましょう。守るべきは基本的人権です。職員であれば労働者としての権利も守られねばなりません。
運営支援は、質の高い育成支援、児童クラブ運営が実現されるよう活動を続けていますし、これからも続けます。最も重要と考えているのは、職員の処遇です。職員の処遇が大幅に改善され、専門職としての専門性が深化されながらその専門性に見合った待遇が確実になること、その結果、資質が優れた職員が多く児童クラブで職に従事するようになり、育成支援の質がさらに向上することを、運営支援は必要と考えていますし、そのような好循環の実現を目指しています。
2025年の運営支援は、まず比較的早い時期、春までには、運営支援からの書籍第2弾として、児童クラブを舞台とした小説を出版することを目指しています。このブログ執筆時点では、POD出版(注文に応じて印刷して発刊する方式)の形式で出版代行事業者と協議をしています。1月中に契約を取りまとめ、なるべく早く出版にこぎつけたいと考えております。児童クラブで働く職員と保護者たちの1年間を描く小説です。大人視点で、児童クラブの現状や制度上の問題に起因する事業の困難さを伝えている内容になっています。稚拙な作品ではありますが、今までになかったジャンルの内容であると自負しています。ぜひ、1人でも多くの人に手に取っていただき、「えっ、児童クラブってそういうことがあるの?」という驚きを多くの人に広めていただきたいのです。どうぞよろしくお願いいたします。
2025年秋には、私(萩原)が社会保険労務士法人を設立する予定です。社会保険労務士として登録ができるのが2025年9月以降になりそうですので、それに合わせての設立を考えております。放課後児童クラブを中心とした児童福祉の世界の健全な発展をお手伝いできるような、児童福祉世界に詳しい社会保険労務士として業務を開始したいと考えております。運営支援の活動に信頼性を与えてくれるものと確信しております。
運営支援の事業活動は現時点ではとても利益を上げていません。しかし、地道に運営支援の重要性を伝えることでいずれ事業としても成立することができると確信しております。その際には、児童クラブに関する主に社会的な視点での学術研究を行う研究者の方に投資して、児童クラブに関する研究を推し進めていただきたいと考えております。具体的には1~3年ほどの期間の間に研究費用として数百万円を運営支援から交付(返済の必要なし。渡し切り)して研究を進め、学会で発表していただくというものです。また、育成支援を行う事業者に定期的に寄付を行って地域の子育て支援を支えていきたいと考え折ります。
そのためにも、一刻も早く、運営支援の事業としての確実な発展が必要です。どうか皆様には、まずは少額でいいので、運営支援にオファーをお願いいたします。
幸いにも、2025年1月には、北関東の自治体から、地域社会の協働と児童クラブとの関りと言う観点でのセミナー講演の依頼が寄せられています。そういった講演、セミナーの登壇は大歓迎です。料金は基本的にご提示の額でお受けいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
運営支援において実り多き2025年になりますように、皆様のご支援とご理解を賜りたく、どうぞよろしくお願いいたします。きっと素敵な1年となるでしょう。1月1日の初日の出もしっかりと見届けることができました。さいたま市見沼区東大宮のJR車両基地にかかるオーバーパスの道路上から見た初日の出です。例年、地平線に雲がかかっていることが多いのですが今年は雲がまったくなく、きれいな初日の出でした。
この運営支援ブログをいつもご覧くださっているみなさまにおかれましては、2025年がより実り多い1年になりますよう、ご祈念申し上げます。児童クラブをさらに進化発展させられるか、それとも単なる子どもの居場所として矮小化されるかどうかの勝負の期間に入っていると感じます。どうぞ一緒に、声を上げていきましょう。
<おわりに:PR>
弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。
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弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。
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放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。
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放課後児童クラブを舞台にした小説を完成させました。いまのところ、「おとなの、がくどうものがたり。序」と仮のタイトルを付けています。これは、埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子ども達の生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ご期待ください。
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「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)