放課後児童クラブ(学童保育所)の運営主体変更による職員不足で、配置基準を引き下げて解決することは極めて遺憾だ

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。放課後児童クラブを舞台にした人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン(https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描くハッピーサクセスストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 埼玉県富士見市は2026年度から放課後児童クラブの指定管理者が変わりました。運営主体が変更された、ということですが、新たな運営事業者が職員を確保できないことが問題視されていました。すると富士見市は職員配置基準を緩和して対応することがSNSにて公開された資料で明らかになりました。これは放課後児童クラブの運営の理念を根本から揺るがす、あってはならないことだと運営支援は断じます。ありえません。本来ならこの時期、新年度を迎えたばかりなので、新たに放課後児童クラブを利用することになった保護者向けの題材にしたかったのですが、緊急事態ですので富士見市の事案を取り上げます。
 ※当面、ブログ投稿をSNSで告知いたしません。外部URLをX(旧ツイッター)に投稿することを繰り返すとアカウントが凍結されるおそれがあるようです。凍結されたら一大事です。
 ※ブログ投稿ですが、最近は他の業務との兼ね合いで投稿ができない日が増えています。ご容赦くださいませ。
 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)

<衝撃の内容>
 X(旧ツイッター)に2026年4月1日、富士見市市議会議員の宮尾玲(りょう)氏のアカウントに、富士見市の子ども未来部長から市議会議員宛てに発出された文書の写真が投稿されました。その写真だけで真偽を確実に判定することはできないのですが、アカウント主が実在する富士見市市議会議員であることから、運営支援ブログはその投稿された文書が正しいものだと考えます。

 さてその文書には、次のような記載がありました。文章を書き出してみます。かぎかっこの中が抽出した文章です。
「放課後児童クラブの指定管理者変更に伴う4月1日からの職員体制につきましてお知らせいたします。
 職員配置につきましては、仕様書に基づいて各支援単位に資格を有する正規職員2名以上(グループ分けを行った支援単位については2グループの合計が3名以上)の配置を求めており、現行職員の継続雇用への配慮のもと転籍を進めてまいりましたが、職員本人の意思等により、当初見込んでいた人員確保が困難な状況となっていることを確認いたしました。
 市といたしましては、放課後児童クラブ事業の継続が児童の安全確保及び保護者の就労支援の観点から極めて重要であることを踏まえ、当面の措置として仕様書に定める放課後児童支援員配置基準については、やむを得ず一部緩和し、富士見市放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例第10条に定める基準により運用することを認めることとし、継続雇用の職員に加え、新指定管理者による新規採用、異動調整、補助員などの有資格者を含めて運営体制を整えたところです。
 なお、本取扱いはあくまで暫定的な措置であるため、可能な限り速やかに仕様書に定める体制確保に努め、放課後児童クラブの安定運営につなげてまいります。」

 これはわたくし萩原には驚きの内容です。つまり、「児童クラブを運営する業者が替わったよ。新しい業者は約束通りの職員数を確保できなかったよ。市との取り決めを守れなかったよ。だから、取り決めをいったん緩くして見逃すよ。職員数がそろったら元の取り決めに戻すよ」ということです。これが許されるのか! ということです。

 なお、「富士見市立放課後児童クラブ指定管理業務仕様書」による配置基準は次の通りです。(5ページ)
「指定管理者は、各建物に2人以上の放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例(以下「基準条例」という。)第10条第3項に定める資格を有する者(以下「支援員」という。)かつ正規職員の者を配置し、1人を責任者となる主任とする。」
 これは、放課後児童支援員の資格を持つ正規職員を1つの支援の単位において2人以上配置すること、そしてそのうち1人を主任とすること、という内容です。
 富士見市はそれを、いわゆる設備運営基準条例の内容に一時的に緩和する、としたということです。その条例の該当部分は次の通りです。
「放課後児童支援員の数は、支援の単位ごとに2人以上とする。ただし、その1人を除き、補助員(放課後児童支援員が行う支援について放課後児童支援員を補助する者をいう。第5項において同じ。)をもってこれに代えることができる。」

 つまりこういうことになります。
仕様書通り=1つの支援の単位につき、放課後児童支援員の資格を持つ正規職員が2人以上配置されること。

基準条例通り=1つの支援の単位につき、放課後児童支援員1人と補助員1人が配置されること。

 お分かりいただけるでしょうが、富士見市が打ち出した基準の緩和はかなりの範囲です。
・「正規職員の配置」は「正規職員に関する配置基準は、無し」へと、大幅に後退。
・「正規職員が2人以上」から「正規職員の配置基準が無いので、当然に正規職員2人以上でなくとも構わない」への大幅な後退。
・「放課後児童支援員の資格者2人」から「放課後児童支援員の資格者は1人でよい」と、これも後退。

 なお当然ながら、この配置基準の後退によって、指定管理料の減額変更がなされるでしょう。別の項目で上乗せして結果的にプラスマイナスゼロ、ということはあってはなりません。

<何が問題なのか>
 児童クラブに配置する職員の人数、および有資格者の配置数はどうして定められているのでしょうか。それはもちろん、多くのこどもたちが生活の場として過ごし、人として育っていく場の児童クラブは、何よりこどもの最善の利益が保障されなければならず。その最たるものは「安全安心」つまりこどもの生命身体に重大な影響を及ぼす事態を極力避ける、そのような事態が起こる可能性を極力低くするためです。50人のこどもがいる児童クラブで同じような過ごさせ方をしているとした場合、職員が6人いるのと4人いるのとでは、当然ながら職員4人のクラブは6人のクラブと比べてこどもたちの動向を把握する点で劣ります。
(こどもの集団をどのように過ごさせるかでこどもたちの動向を把握するために必要な情報量を得られる程度は変わってくるのは当然です。職員数が少ない児童クラブはこどもたちの自由な活動、行動を制限して職員の管理統制下に置くことで事故やトラブルの発生リスクを抑えることになりますが、それが行き過ぎると児童クラブは監獄のようになっていきます。)

 富士見市が公表している「富士見市立放課後児童クラブ指定管理業務仕様書」の5ページ「6 職員体制・配置基準等」には、次のような記載があります。
「本施設を安全に、かつ安定して管理運営するために必要な職員を、次のとおり配置すること。なお、配置する人員は、児童クラブの設置理念を十分に理解している者であること。」
「ア 指定管理者は、児童クラブの業務を円滑に行い、施設を安全かつ安定して管理運営し、サービスを確実に提供するために、利用人数に応じて必要な正規・非常勤職員を、下記に定める「放課後児童支援員配置基準」に基づき配置するものとする。」
 仕様書に定められた職員配置基準(上記に示した通り、放課後児童支援員の正規職員2人以上、との内容)は、富士見市の児童クラブにおいては安全かつ安定した運営のために必要な基準である、として設けられたものです。それだけの配置基準が必要だと富士見市は考えたということです。それが、上記にあるように職員の確保ができなかったからといって一時的にせよ、大幅に緩和、いや後退してしまうことは、放課後児童健全育成事業の中核である育成支援の事業の質の低下を招くことは避けられないと、運営支援は危惧します。

 つまり「児童クラブの安全、安定的な運営に支障を及ぼす恐れがある。それはとりもなおさず、こどもの生命身体の安全確保に直結するものである。同時に、職員の労働環境、職場環境の悪化を及ぼす。少ない職員数で同じような業務量をこなすためには当然に職員1人当たりの業務量が過重となることが容易に予想され、職員の労働環境が過酷になることは言うまでもないからだ」ということです。

<さらに深刻な問題>
 富士見市の仕様書には次のような記載もあります。10ページにある「14 モニタリング・評価」の部分です。抜粋します。
「(2) 市によるモニタリング
ア 市は、指定管理者の業務が、仕様書や提出された管理業務計画書等、あるいは指定管理者と締結する協定書に基づいて執行されていることを確認するため、「13 事業計画書及び収支予算書等の書類提出について」に示す書類を基に、書面報告、実地調査、ヒアリング等による業務点検を行うものとし、主な点検内容は次のとおりとする。」
「イ 業務点検の結果、指定管理者による業務実施内容が必要な条件を満たしていない場合は、指定管理者に対して業務の改善を指示するものとする。指定管理者は、改善指示を受けた場合、市に対して改善策を提示するとともに、速やかに実行し、その結果を報告しなければならない。」
 さらに、こうあります。
「(3) 指定の取消し・指定管理業務の停止
市は、市の指示に従わない、又は指示によっても業務内容に改善が見られないと認めた場合その他指定管理者による管理を継続することが適当でないと認めるときは、指定を取消し、若しくは、期間を定めて管理の業務の全部又は一部の停止を命ずることがある。」

 つまり、職員配置基準に関して市が調査を行い、その結果、指定管理者による業務実施内容が必要な条件を満たしていない場合には、業務の改善を指示するものとする、とあるのです。仕様書にある、正規職員2人以上の放課後児童支援員配置という基準が満たされていないことが確認できた場合に、市は、業務の改善を指示することが求められます。
 そして、指示をしたにも関わらず業務内容に改善が見られないと認めた場合や、指定管理者による業務の継続が適当ではないと判断した場合は、指定を取り消したり、期間を定めて業務の全部または一部の停止を命ずることもできるのです。

 ところが富士見市は、基準の緩和を先にしてしまった、ということです。これは、仕様書にある、業務点検に係る効果や指定取消しや業務の停止といった行政処分の前提となる、「仕様書の基準の不履行」をそもそも無くしてしまうということです。
 このことは、指定管理料の減額査定において、配置基準後退による当然の減額措置以上のことはできなくなるということでもあるでしょう。つまり不履行によるペナルティとしての違約金等の請求ができなくなる可能性があるのではないかと、私は言いたいのです。配置基準未達による指定管理料の問題については、埼玉県春日部市の高裁判決が重要な参考事例になります。これを避けるために富士見市は配置基準を緩和したのであろうと、わたくしはうがった見方をしています。

 児童クラブの安全かつ安定した運営に必要な職員を確保できないのは、ひとえに指定管理者の問題です。市は、指定管理者に「どんなことをしても仕様書通りの職員配置基準を守りなさい」と厳命すれば良いのです。もとより、労働者の雇用は事業者だけの問題です。富士見市の児童クラブ職員が新たな指定管理者に転籍することを選ばなかったのは直接的には職員と新指定管理者の間の問題であり、新指定管理者が、転籍に応じやすくなるような優れた雇用労働条件を提示すれば良いだけの話です。運営主体の交代によるメリットは、まさにそれまでの児童クラブにおける事業の水準が新たな事業者によって改善されることへの期待に他なりません。実のところ児童クラブの運営主体の定期的な交代の機会に否定的な目が向けられるのは、児童クラブで行われてきた事業内容や職員の雇用労働面の条件や状況が、新たな運営主体によって悪化することが通例であることばかりだからであって、実はとても単純な問題にすぎないのです。
 そして職員の雇用に関する問題に行政は関与する余地はないものとわたくしは考えます。その上で、市が新指定管理者に職員配置基準を必ず守るように指示するとして、その指示を守れなかった指定管理者にそれ相応の対応を取るべきだったとわたくしは考えます。
 それをせずに、真っ先に基準を緩和してしまったのでは、わたくしは市の判断に問題大いにあり、とします。この時点で、指定管理者の債務不履行を市が債務不履行でなくしてしまったので市も指定管理者同様、児童クラブの安全かつ安定した運営においてその失態の責任を等しく負うことになったと、わたくしは考えます。

 なお、設備位運営基準条例第4条に次の規定があることを留意せねばなりません。
「放課後児童健全育成事業者は、最低基準を超えて、常に、その設備及び運営を向上させなければならない。2 最低基準を超えて、設備を有し、又は運営をしている放課後児童健全育成事業者においては、最低基準を理由として、その設備又は運営を低下させてはならない。」

 今回の富士見市の判断はこの基準条例第4条の関係からも検討されるべきものでしょう。

<人間の命を守る基準を安易に緩和することの恐ろしさ>
 何度も記していますが児童クラブの職員配置基準は、児童クラブの安全かつ安定した運営に資するものだから設けられているのです。その基準を現状追認ー職員数が足りないという、指定管理者の不履行ーで引き下げることは、安全かつ安定した運営に影響を及ぼす可能性があるとわたくしは考えます。
 それはとりもなおさず、児童クラブで過ごすこどもたちの身の安全、豊かな放課後の時間を過ごす機会に悪影響を及ぼしかねないということです。
 行政執行部も、指定管理者も、それがどれだけ深刻なことであるのか、理解しているのでしょうか。こどもだからといって「なんとかなる」と軽視してはいませんか。

 この一時的な緩和を誰が、どのような過程で決定したのか、少なくとも富士見市民には明らかにするべきでしょう。指定管理者を選ぶには選考の委員会があり、議会での審議を尽くし、最後に首長が公告して決まることになります。選考は当然、仕様書を遵守することは前提条件となります。ところが仕様書の基準を守れないからといって一時的にせよ基準を緩和することは、一連の指定管理者選考プロセスにおける仕様書の重要性を、実は行政執行部はさほど重要視していなかった、ということを如実に示したと言えると、わたくしは考えます。
 ことは、こどもの生命身体に直結する基準です。この一時的な配置基準の緩和の決定過程について、市は少なくとも市民有権者の代表である議会に事前に説明することが必要だったのではなかろうかと、わたくしは考えます。仮に首長の専決処分としても後日の議会で議会の判断、了承を得ることは当然に必要でしょう。それにしては市議会議員宛ての文書の発出者名が部長名義だったので、部長レベルでの判断だったのではと推測できます。指定管理者選考に大いに影響する仕様書の内容は、市の部長レベルでどうにかなる程度のものだったのでしょうか。

<私見として、各要素に対する意見>
 指定管理者は今回の事態を招いたうえで最も責任が重大であると考えます。職員の確保を含めた職員配置に一義的に責任を負うのは指定管理者です。その点において、もっとも影響を被るこどもを筆頭に、保護者、行政に対しても、指定管理者はその責任の所在を明らかにするべきでしょう。単純なことです。指定管理者が「それなら転籍したい!」「そういう労働条件なら求人に応募したい!」という雇用労働条件を提示すれば良いだけの話です。何らかの事情ー事業者本体の利益確保と推測できますがーがあって職員の労働条件改善を打ち出せないとしてもそれは指定管理者である事業者固有の事情であり、解決するべき問題です。

 指定管理者選考の過程、その仕組みに問題ありと考えます。指定管理者の候補事業者を選んだ方々ではなく、「どういう基準で、どういう評価で、応募してきた事業者を選ぶのか」が選考そのものであって、つまりはその選考に際して行政が提示した審査基準だったり評価基準に問題があると、わたくしは考えます。指定管理者の候補事業者を選ぶにあたって、確実に、職員の雇用に万全を期すことができる事業者を選べるような審査基準、評価基準を、行政が策定するべきなのです。この点において行政執行部の責任は重大であると考えます。

 議会(委員会、本会議)では、個々の議員が通常、備えているであろう豊かな見識と調査能力を持って、指定管理者の候補事業者が本当に指定管理者として適切であるかどうかが議論されることになりますが、わたくしは議会においても果たすべき機能を十分に発揮できていなかったと考えます。はっきり言えば、個々の議員の、放課後児童クラブに関する知識と判断力に関して及ばぬ点があったことは否めなかったと考えます。審査基準、評価基準に縛られる選定委員会ではなく、議員が独自に調べた情報をもって議会の場で議論すれば、また違った展開になった可能性はあったでしょう。新指定管理者はさいたま市や奈良県内の自治体で人手不足に寄ってスキマバイトを使ったり夏休みに外遊びを指せなかったりといったことは報道による公開情報で容易につかめたはずです。地方自治の二元代表制が機能していないとは一般論としてよく言われることですが、結局のところ、情報量において致命的な差がある行政執行部の提案や説明に、議員はそれを容易に受け入れてしまう傾向は一般論として大いにあるものです。しかし富士見市においては、議会で児童クラブの指定管理者が取り上げられていたころには保護者等による懸念の表明は大いにあったわけですから、議員が様々な方面から情報を入手して疑問点や懸念点を行政執行部にどんどん問いただすことはできたでしょう。

 なお保護者等の有志による、いわゆる運営主体交代に関する反対の活動や言論について、わたくしはすべて是認できないところがあります。とりわけSNSで見られる感情論、市長や部課長の個人名を挙げて強く何らかの行動を要求する投稿は、一線を越えていると考えます。運営主体の交代に異議や反論があるならば通常の言論で、あるいは制度上のもとで指摘したり意見を求めたりするべきであって、一方的に反論しようがない批判を浴びせるのは、わたくしはとても意義のある反対の行動とは理解できません。それはかえって行政執行部や市議会議員、あるいは常識ある人々にとっても「そういうレベルでしか反対を表明できないんだ。そういう人たちが支持する団体にはとても公の事業を任せられないな」という判断になっても、異議は唱えられないでしょう。「論には論を、理には理をもって対抗するべし」なのです。

<これが前例にならないよう、断固たる行動が必要>
 富士見市に限らず全国各地で児童クラブの運営主体の変更は、もう当たり前のように行われてきましたし、これからも当然のように行われるでしょう。もしかすると、新たな運営主体のもとで必要な人員を確保できなくなる事態もあるでしょう。
 その際に、この富士見市の事例を先行事例としてはならないと、運営支援は考えます。ある条件を提示してその条件をクリアできるとした事業者を選んだ。でも現実に条件は守れなかったので一時的に条件を緩めたことで、もともとの条件は満たせなかったが緩めてもらった条件をクリアしたことで「はいOK!」というのは、あまりにも児童クラブで過ごすこどもの権利を軽視しています。そもそもコンプライアンス的に問題があります。こどもの安全を守るリスクマネジメントの面で看過できません。
 まずはルール順守を求める。それができなかったならばルールにある通りのペナルティを科す。それでいいのです。ルールを変えねばならない場合には、密室で行うのではなく、「なぜ変更が必要なのか、それによるメリットとデメリットは何か」を明確に市民有権者に公開した上で行うべきでしょう。

 運営主体の交代は必ずしも悪いことばかりではありません。皮肉を申せば、今回の富士見市の新事業者は出だしにおけるこの大失態をもって次の指定管理者の選考過程でどのように扱われるのか、ということです。要は、「ダメだった事業者を選ばなくすることができる」のが運営主体交代制のメリットです。現状はそのメリットがほとんどなく、育成支援の継続性が担保できないというデメリットが極端に大きすぎるので運営主体交代が否定的にしか捉えられないのです。
 問題はダメな事業者を排除することであって、仕様書の条件を守れない事業者に行政がハードルを下げて温情をかけることではありません。それは問題ある事業者の延命そのものです。
 富士見市に置かれましては今からでも遅くはないので、先の緩和措置を撤廃もしくは春休み中だけに限定し、その後は仕様書通りの配置基準を指定管理者に遵守させ、それが遵守できないのであれば取り決め通りの措置に踏み切ればよろしい。そうしない限り、今回の対応は悪しき前例として地方自治、児童福祉の世界に以後、永久に不滅の恥ずべき例として語り継がれたり研究事例として取り上げられたり、することでしょう。それでいいのですか、富士見市の行政および議会の皆様は。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 New! 日本版DBS制度について相談したい事業者さんにぜひともお勧めします。さいたま市南区の「エリーネ行政書士事務所」(https://www.eri-ne.com/)さんのご紹介です。行政書士の入澤えりな先生が、日本版DBS制度を中心に児童福祉施設や児童福祉の事業者様からのご相談に対応してくださいます。日本版DBS制度以外にも遺言作成・相続、介護タクシー等をメインにご相談に応じているとのことです。営業時間は平日9:30~17:00で、土日祝は応相談とのこと。ぜひ、困り事がありましたら頼ってくださいね。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也