放課後児童クラブの運営主体は?

 放課後児童クラブの運営主体は、市区町村、法人、任意団体、個人に分けられます。運営主体とは、放課後児童クラブを経営し、日々の事業を行っている組織のことです。

 放課後児童クラブについては、「誰が設置したのか」と、「誰が運営をしているのか」の2つの点で考えることが大切です。この2点で、放課後児童クラブの性質をある程度分類することが可能です。なお、放課後児童クラブは、児童福祉法に規定されている「放課後児童健全育成事業」を行っている施設のことで、学童保育所の多くは放課後児童クラブに該当しますが、必ずそうであるとは言えません。

 設置の点では2種類に分けられます。市区町村、つまり公(おおやけ)が設置したのか、又は民間が設置したのか、です。公が設置した放課後児童クラブは「公設」または「公立」と言います。民間が設置していれば「民設」または「民立」と言います。運営の点でも2種類に分けられます。市区町村、つまり公が運営していれば「公営」です。民間が運営していれば「民営」です。

 この結果として、「公設(または公立)公営」と、「公設(公立)民営」と、「民設(民立)民営」の3形態が存在します。民間の施設を公営というのは考えにくいので除外して構いません。

 ここでいう「民間」は、法人の組織と、任意団体(法人になっていない集まり)に分けられます。法人では、株式会社、NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人、学校法人などがあります。任意団体では、保護者会や地域運営委員会(保護者や児童クラブ職員、学校や自治会など地域の方々で構成される)があります。いわゆる学童保育所は1960年代ごろから70年代にかけ、保護者の自発的な活動によって誕生した経緯があるため保護者がクラブの経営、運営に関与する例が大変多く、今もその名残が色濃く残っている地域が多くあります。事業の安定性を求めて任意団体から法人化した児童クラブにおいても、その法人の役員を、保護者やかつて児童クラブを利用していた保護者が務めることも珍しくありません。一方で、給食事業会社や人材派遣会社が事業多角化の一環として児童クラブの運営に乗り出す例が急増しており、運営主体が株式会社である児童クラブが近年、急増しています。

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)