放課後児童クラブの繁忙期はいつですか?

 放課後児童クラブ(地域によっては学童保育所や、学童クラブといった様々な名前が付いています)が最も忙しくなる時期は、「夏休み」です。次いで「春休み」が相当します。

 夏休みは間違いなく繁忙期です。小学校の登校日は、児童が児童クラブに登所するのは放課後(おおむね午後2時以降)ですが、夏休みは朝から児童クラブを開所しますから、職員の勤務時間も当然、長くなります。かつては午前8時ごろに開所するクラブが多かったのですが、今は午前7時台に開所するクラブが増えていますから、出勤時間が早まっています。同様に、子どもを受け入れる時間は午後6時台までだったのが午後7時ごろまでと伸びています。それだけ、職員の勤務時間は長くなっています。職員の人数が整っているクラブでしたら、早番と遅番の勤務で実働8時間を確保できる可能性がありますが、あまり期待できません。児童クラブの運営事業者によっては変形労働時間制を導入し、夏休みなど開所時間が朝から夜までの場合の所定労働時間を長くしている事業者も目立ちます。

 春休みも、朝から夜までの開所ですので職員の勤務時間が長くなりますが、それとは別に職員にとって大変気がかりなことが起こります。それは、4月1日以降は新入所児童を受け入れることです。新1年生は、児童クラブの雰囲気に慣れず、児童クラブで行われる各種の行動やスケジュールについていけない場合がごく普通にあります。上級生がおっかないとして泣き出す新1年生もいます。受け入れる職員にとっても、新入所児童の情報を手探りでつかんでいく時期ですから、心理的負担がとてつもなく大きくなります。また人事異動や新採用の職員が働き出す時期と一緒ですから。まだ仕事に慣れていない新人職員が、新入所児童と同じように戸惑ってしまって立ち尽くすという光景も見られます。
 児童クラブの職員には、「夏休みは、単に勤務時間が長いから体が疲れることはあっても子ども達と関係性ができているから大丈夫。キツイのは春休みの4月」という人も目立ちます。子どもだけではなく保護者とのやりとりもまた、4月は大変に職員が気を遣うものです。

 よって、放課後児童クラブ、学童の繁忙期は現場職員にとって「8月」そして「春休みの4月」ですが、こと心理的な負担では「春休みの4月」が一番の繁忙期、といえるでしょう。運営に従事する職員や本部職員にとっては、決算や組織の総会が控える4月や5月が最も心理的な負担が大きく、また新入所児童の入所手続きを行う1月から3月までも繁忙期です。つまり児童クラブを運営する業務の職員にとっては、1月から6月ごろまでが気を抜けない時期、と言えます。

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)