放課後児童クラブの支援員が厳しすぎます。子どもが怖がっています。
放課後児童クラブ(児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業を実施する施設のこと)や学童保育所(放課後児童クラブのことを指している場合がほとんど)は、子どもが安全安心な環境で過ごすことで保護者の就労や就学などを支え、受け入れている子どもの成長を支える仕組みです。よって、子どもが何らかの事情で児童クラブに行きたくない、ということは事業の本質が実施できていないということです。まして、クラブ職員、支援員の態度が厳しすぎて子どもが怖がっているという状況は、場合によっては子どもへの虐待行為になります。そのような状況にあることがうかがえるならば、すぐさま市区町村の担当課、担当の部署や、場合によってはすぐに警察に通報してください。
例えば、「ほんのささいなことで何度も大声で怒鳴られてものすごく怖かった」というのでもいいのです。すぐに警察に行っても構いません。クラブに子どもを迎えに行ったら子どもが泣いていた、理由を聞いたら何度もものすごく怒鳴られたというのであれば、その場で110番通報しても構いません。こういう事態は「やった、やらない」となりがちですが、それは警察がしっかり調べれば真相の判明に結びつく可能性が高まります。遠慮なく警察に通報することを勧めます。
そもそも児童クラブ側は、子どもが自ら進んで児童クラブに通いたくなるように必要な支援、援助をすることと、放課後児童クラブ運営指針に明記されています。子どもが怖がってクラブに行けなくなる事態は異常です。
もちろん、限定的な局面ですがクラブ職員が声を荒げることはあります。子どもが、ハサミなど他者にぶつかれば負傷をもたらすような器具を手にして他の子どもを脅かしているような場面があったら、それは職員は大声で制止するでしょう。また、道路への飛び出しや進入してきた自動車の前に子どもが行ってしまいそうな場面でも大声で制止するでしょう。つまり、大声を出して子どもを制止するという行為が、その子の利益を守るために合理的な行動であると認められるかどうかです。職員の指示に従わなかったからといって大声で執拗に怒鳴りつけることは、間違いなく合理的な行動ではありません。
残念ながら、児童クラブの世界は長年にわたって慢性的な人手不足であり、それも本当に人手が足りずに事業運営すら危ぶまれる状況の事業者が圧倒的に多いのです。よって、残念ながら採用してしまう職員の資質についても、その人材の質を下げざるを得ない状況は現実的に存在しています。その中でも決して人権侵害や不法行為に至るような人物は採用しないとしていても、「すぐ怒鳴る」とか「無視する」とか、子どもの自主性への理解に全く欠けて「あれもこれも命令して子どもたちに行わせ、自分は王様気分でいる」という、残念な職員もまた、従事しているのです。
本来は事業者がしっかりと教育、研修を行って最低限度の職員資質にまで向上させるのが当然ですが、この事業者においても子どもの支援に対する考え方に落差があり、補助金ビジネスとして開所さえしていれば利益があがるからとして、安い賃金で資質に劣る職員を多数雇用して平然としている事業者も存在します。そのような事業者の自浄作用は期待できませんから、子どもを最終的に監護する保護者が毅然とした態度で立ち向かうことが必要となってくるのです。
事業者に相談しても、もみ消される可能性があるのが残念なところ。よって子どもが理不尽な扱いを受けたら市区町村、ひどいと感じたら警察に通報することを勧めます。トイレに小型カメラがあった、ということならなおさら。そういうことは事業者がもみ消す可能性が非常に高いので、子どもの話で小型カメラが変な場所にあったけどという話を聞いたらその場で110番通報し、直ちに警察の捜査でカメラを押収してもらうことが肝心です。そこまですれば事業者も行政も、もみ消しはできませんから。保護者は子どもを、ひどい職員、ひどい児童クラブ事業者から断固とした行動で守りましょう。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)