放課後児童クラブに必要な広さは?
放課後児童クラブ(児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業を実施する施設のこと)には、子ども1人当たりについて必要な面積が国の基準で示されています。
厚生労働省が出した「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」の第9条は、次のように定めています。
「放課後児童健全育成事業所には、遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能を備えた区画(以下この条において「専用区画」という。)を設けるほか、支援の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。」
そして第9条第2項には、「専用区画の面積は、児童一人につきおおむね一・六五平方メートル以上でなければならない。」と記されています。つまり、児童クラブにおいては、子どもが過ごす場所のうち子ども1人あたり1.65平方メートル、つまりおよそ畳1畳・1枚分の広さを確保しないとしています。例えば、45人の子どもが入所している児童クラブであれば、1.65平方メートル×45人=74.25平方メートルの「専用区画」を備えた施設が必要、ということになります。専用区画は子どもが日常的に過ごす場所で、調理エリアや職員事務スペース、トイレなどは除外した建物内部の面積となります。
ただしこの決まりを守らないからといって罰則があるわけではありません。実際に、子ども1人あたり1.65平方メートルを下回る児童クラブは全国各地にあります。この、子ども1人あたり1.65平方メートルを下回る広さしか確保できない状態を「大規模クラブ(大規模学童)状態」と通称しています。
なお、1.65平方メートルあれば子どもにとって十分な広さであるわけではありません。畳1枚ほどのスペースにもれなく子どもが1人いるような施設を目視すると、子ども達でぎっしりの印象を受けるでしょう。子どもが、他人と接触することなく適宜な距離感で伸び伸びとストレスを感じることなく過ごすには、畳2枚、つまり1坪(約3.3平方メートル)ほどは必要です。まずは1.65平方メートルの広さを確保することを目指して施設整備を進めなければなりませんが、ゆくゆくは、もっと子どもが余裕を持って過ごせるだけの広さを確保した施設の整備が必要でしょう。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)