学童保育のバイトはどのような人がむいていますか

 学童保育所でのアルバイトには、適性があります。向き、不向きです。結構、ハードルは高いですよ。
向いている人は次のことが当てはまる人です。(これはもちろん、運営支援としての見解です。世間一般的な見解ではありません)
・時間厳守が当たり前と思っている人。遅刻が許せない人。
・施設の他の職員の指示を素直に受け入れられる人。
 まずはこの2点です。学童保育所は保護者が生活の頼みとしている施設です。朝8時からのシフトなのに、寝坊で遅刻してしまっては施設が開所できません(職員数が足りなくなると配置基準の問題で開所したと見なされません)。遅刻は、アルバイト本人だけの問題ではなく「社会全体に」迷惑をかけることを認識できる人が、もっともふさわしいと言えます。同様に、施設で働く他の職員、通常は正規職員や先任職員ですが、その指示を素直に受け入れられない人は、向いていません。
 ・怒りの感情をコントロールできること。
 子どもは、口が悪くて当たり前です。もしあなたが今、10代だったとしたら小学生時代を思い出してください。いつもお行儀のよい言葉遣いでしたか?「シネ」「うぜぇ」などと言っていませんでしたか?「それってあなたの感想ですよね?」なんて言っていませんでしたか?そういう嫌な言葉を学童の子どもたちから浴びせられて、ついカッとなってしまって言い返したり、まして手を出したりしたら、アウトです。首です。いや場合によっては、警察署に行くことになります。「そうだよね、子どもってそういうこと言うよね~自分もそうだったし」と思えるぐらいでないと、学童のアルバイトは向きません。
 ・コミュニケーションが得意。最低限、嫌いではないこと。
 学童保育の仕事は、他者(子ども、他の職員、保護者)と常に会話したり身振り手振りで意思疎通を図りながら進めていく仕事です。つまり高度なコミュニケーション労働です。他人との会話が苦手だったり、他人の表情から意志をなんとなくでも読み取れない人は、残念ながら学童保育のアルバイトでは苦労します。話しかけられたり指示をされたりしたとき、返事が「はい!」と明確にできる人なら、まあ大丈夫でしょう。
 ・子どもの現状に興味があること。特に、虐待や貧困問題について。
 これは必須ではないですが、このような問題意識を持っていると、学童保育所のアルバイトは何倍もその重みが違ってきます。特に将来の夢として、保育士や幼稚園の先生などを考えている人は、学童保育所でアルバイトをすることは絶対にお勧めです。学童には、いろいろな境遇の子どもが通っています。ひとりひとりの子どもと接することで、それぞれの事情を知ることもあるでしょう。子どもを取り巻く様々な問題について触れる機会を大事に思えるならば、学童の仕事は天職になります。なお、アルバイトであっても業務中に知った個人情報は絶対に漏らしてはなりませんよ。
 ・体力があること。
 ご想像通りです。夏場のアルバイトは体力勝負ですから。でも実は、体力はどういうときに必要かといえば、精神的にしんどい時に気力を持ちこたえるときに必要なのです。子ども同士のけんかの仲裁に入っても相手にされないとか、バカにされるとか、子どもが虐待や貧困の状態で困っていながら何も助けてあげられない(実はそのような場面がほとんど。アルバイト1人の力ではなかなか解決できませんし、そもそも組織として解決するべき問題です)ときに心理的に落ち込みます。そこを乗り越えられるのは体力です。なお、身体的な面で言えば「腰」に注意してください。子どもがのしかかってきたり急に飛び乗って来るとき、腰を痛めることが多いのです。腰を絶対に守る心がまえは必要です。次に「首」にも気を付けましょう。解雇の首ではなくて、首もまた、痛めやすいのです。

 (運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)