学童保育のめあては?

 「学童保育」とは、保護者が家庭に不在の間に小学生を受け入れて過ごさせる仕組みを指しますが、大きく分けて2つのめあて、目的があります。1つは、児童福祉法に定められている「放課後児童健全育成事業」を行うこと。もう1つは、その放課後児童健全育成事業とは関係なく学力向上やスポーツ、ダンスなど各種のプログラムを実施して子どもに学ばせたり体験させたりすることです。前者を実施する場所が放課後児童クラブとなりますが、放課後児童クラブのことを学童保育所と呼称することもごく普通にあります。後者のことは主に「民間学童保育所」と呼ばれる事業形態になりますが、こちらも学童保育所として世間に認識されています。その双方を織り交ぜて実施する事業形態も増えています。

 こうして考えると、学童保育のめあても、2つあることになります。1つは、放課後児童健全育成事業の目的である子どもの健全育成です。放課後児童クラブを生活及び遊びの場所とし、そこで子どもを過ごさせることで、社会性や自主性、生活習慣を身に付けさせていくことです。そしてもう1つが、事業者側が用意したプログラムを受けさせることで子どもの学力やスポーツ能力などを向上させていくことです。

 言い換えれば、「非認知能力を伸ばし、育てる」放課後児童クラブと、「認知能力を発展させる」民間学童保育所、という区別ができます。もちろん、学習に力を入れる放課後児童クラブも増えていますし、非認知能力の向上を掲げる学習支援系の学童保育所もあります。学童保育は法律で固定されている事業ではありません。よって、学童のねらいというのは実のところ、人間性の部分の成長を後押しすること、勉強やスポーツ、芸術の分野の才能を伸ばすことと、事業者しだいで自由にいろいろ決められることができるのです。学童保育とは、何でもありの世界なのです。

  (運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)