学童保育とは、何をするところですか?

 学童保育とは、「保護者が、仕事をしたり学校に通ったり介護や看護をしたりするために自宅を不在にする、留守にする間に、子どもを安全安心な場所で過ごすことができる仕組み」のことを言います。そのような仕組みを実施する場所を「学童保育所」と呼びます。学童保育とは、その仕組みを指す、一般的な名称(普通名詞)です。

 子どもたちは学童保育所で、学童保育所の職員と関りながら時間を過ごします。その過ごし方は、その学童保育所がどのような運営方針で営まれているかによって大きく変わります。
・育成支援(=子どもが自ら育っていく力を重視し、遊びと集団生活の中で子どもが自ら社会性、自主性などを育んでいく。学童保育所の職員はその子どもの育ちを支援、援助する)系の学童保育所では、宿題をして、遊んだり本を読んだりして過ごし、おやつを食べて、保護者の迎えを待ちます。
・学習支援(=学童保育所事業者側が英会話やダンス、スポーツ、プログラミングなど種々の日課を提供する)系の学童保育所では、その日課に取り組みます。いわゆる「民間学童保育所」と呼ばれる形態の施設が多いです。

 国の法律には、学童保育という文言はありません。児童福祉法では、そのような仕組みのうち、いくつかの基準を設けて「放課後児童健全育成事業」として定義しています。また、放課後児童健全育成事業が提供される場所を通常「放課後児童クラブ」と行政機関は呼んでいます。その基準を満たさない学童保育所は放課後児童クラブではありませんが、その数は徐々に増えています。例えば、英会話やダンス、スポーツ活動などを子どもにサービスとして提供する施設も学童保育所と呼ばれます。これが上記に紹介した、民間学童保育所です。

 一方で、市区町村が独自に定める条例や要綱、基準で、「学童保育(所)」という名称を使用して、放課後児童健全育成事業や、放課後児童クラブを指し示すことも珍しくありません。このように、学童保育や、学童保育所の定義は、かなりあいまいです。呼び方も多種多様で、「学童保育所」「放課後児童クラブ」以外にも「児童クラブ」「児童育成室」「アフタースクール」「なかよし教室」など、市区町村でバラエティーに富んでいます。そのことが、学童保育の複雑さ、言い換えれば多種多様な性質を示しているといえるでしょう。

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)