学童はなぜ小3までしか通わせられないのですか?

 まず、小学校3年生や4年生までしか学童保育所を利用できないという状況は、厳密に考えれば法律が求める趣旨に反している状況である、ということを知ることが大事です。というのは、いわゆる学童保育所は、放課後児童健全育成事業という、児童福祉法で定められている事業を行っている「放課後児童クラブ」のことを指すことが多いのですが、この放課後児童健全育成事業の対象は、小学校の児童です。つまり小学6年生の最後の日までが対象なのです。

 ということは、本来、放課後児童健全育成事業を行っている学童保育所であれば小学6年生も含めて利用できることが正しいのです。小学3年生や4年生で学童を退所させられるというのは、あくまでその地域、市区町村や施設運営事業者の「都合」や「事情」によってそうせざるを得ない状況にあるだけ、といえます。

 その都合や事情といのは、「小学1年生を受け入れるためには、学年が上の子どもを退所させないと施設として受け入れができない」ということです。施設に定員が設定されており、上の学年の子どもに退所してもらわないと新1年生を受け入れる定員の空きを確保できない、ということです。これは単に、施設を設置している市区町村の設置の努力による受け入れ人数の増加数が、学童保育を必要としている人の増加に追い付いていない状況にある、ということです。

 この点が顕著になると、新1年生が児童クラブに入所できない状況、つまり「小1の壁」を生み、かつ、小学4年生でまだまだ学童が必要なのに利用できないという「小4の壁」をもたらします。この2つの壁は、施設に入所できる人数が施設を利用したいという人数と比べて絶対的に不足しているから生じるものです。

 この状況を解消するには、施設を利用できる人数を増やす、つまり学童、児童クラブの数を増やすか、他の手段による子どもの居場所を増やすしかありません。いずれにしても市区町村の予算が必要であり、残念ながら多くの地域では予算が潤沢ではないので、なかなか施設や居場所を増やすことはできません。この点において、国には、市町村がクラブや子どもの居場所を整備する速度を加速させるために、国の補助金の交付額を増やすことが求められます。また、補助金交付の割合を現在の市町村が3分の1を負担するという割合から国の負担分を増やすことで市町村の負担軽減となる割合に見直すことが必要です。

 なお、放課後児童健全育成事業が小学6年生までの対象となったのは比較的最近のことです。2012年の児童福祉法改正で定められ、2015年度から実施されています。それまでは「おおむね10歳」と対象年齢が定められていました。つまり小学3年生までを対象としていた時代が確かにありました。市区町村の中には、以前の法改正の状況のままで理解が止まっている地域もわずかながらあるようです。この点、市区町村の放課後児童健全育成事業の担当者の勉強不足、理解不足もあることを指摘しておきます。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)