厳冬の衆議院選挙。放課後児童クラブ(学童保育所)についての公約がどうなっているのか、主な政党の公約チェック。
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台にした(とても長い)人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン (https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。ぜひ手に取ってみてください! 「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く成長ストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
衆議院があす2026年1月27日に解散されます。主要政党の公約も出そろったようなので、インターネット検索ですぐに見つかる程度の捜索範囲において、放課後児童クラブに関する主要政党の公約をチェックしてみましょう。
※あす2026年1月27日のブログ投稿は休みます。ご了承ください。
(※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)
公約チェックには、わたくしのパソコンにおいて、「楽天ウェブ検索」を利用し、「衆院選 公約 〇〇党」で表示された内容を比較します。「公約集」「パンフレット」など、手軽に内容を確認できる公表資料にて、チェックしました。
<自由民主党>
「令和8年政策パンフレット」を確認しました。全22ページですが、児童クラブに関する記載は見当たりませんでした。なお、17ページと18ページは少子化対策などこども関係の政策がいくつか載っていますが、「3.6兆円規模の「こども未来戦略」の「加速化プラン」に基づき、「こども誰でも通園制度」の本格実施などの取組みを進めていきます。」と記載があります。また「地域医療・介護等の基盤を守るため、医療・福祉・介護分野で働く幅広い職種の方々の確実な賃上げを図ります。」とあります。
「自民党政策BANK」は非常にたくさんの政策が記載されているものですが、「4 すべての世代の安心と次世代への責任。」の項目の中に、「様々な子育てニーズに対応するため、小学生の預かり機能強化など企業主導型の取組みの充実や、安全で質の高いベビーシッターの利用促進、病児保育の充実を図ります。」とあります。
長らく政権与党の地位にあった政党が、どんなに準備期間が短くても総選挙に際して、児童クラブについて上記のような取り扱いしかしていないのは、「そりゃ児童クラブがなかなか拡充しないわけだ。仕組みが改善しないわけだ。与党があまり興味関心を持っていない分野なのだろうからね」と、いささか残念な気分になりますね。
<日本維新の会>
「コア・マニフェスト」には児童クラブの記載は見当たりません。主要公約集なのでいたしかたないかもしれませんね。
「維新八策2026 個別政策集」には498の政策がずらずらと列記されていますが、ここには放課後児童クラブ、学童保育に関してまったく記載がありません。そもそも小学生の居場所など放課後児童対策に関しての政策は皆無のようです。信じられません。あぜんとします。保育に関してもさほど政策は多くなく、制作の通し番号が470以降になっていくつか挙げられている程度です。あまり政党として、放課後児童や児童クラブに興味関心を持っていないと思われても無理が無さそうです。政権与党がこれでは児童クラブは救われません。
<中道改革連合>
「衆院選 公約 中道改革連合」で検索しても、公約を発表したという報道記事は検索できますが、新政党としての公約の発表資料は見つけられませんでした。トホホですね。ですので、中道改革連合のホームページに掲載されている「2026主要政策(テキスト版)」を今回の総選挙の公約とみなしてチェックします。この資料には欄外に「2026衆院選・政策パンフレット」とありますから選挙公約と考えて間違いないでしょう。
この11ページに、「「小1の壁」を打破するため、放課後児童クラブの受け皿拡大や開所時間の延長
等で待機児童を解消します。子どもの朝の預かり事業を支援するなど、子ども・若者の居場所づくりを進めます。」とあります。内容は国が十数年推し進めている待機児童解消のことなので可もなく不可もなし。「こどもの朝の預かり事業を支援」というのは、放課後児童クラブの本質ではありませんしむしろ本旨とまったく異なるものですが、利用者=子育てする世帯の立場=有権者でもある、ということを考えると、致し方ないものでしょうか。いま現に朝のこどもの居場所が見つからず困っている保護者に手を差し伸べるための、朝の預かり事業支援は必要だとわたくし萩原は考えます。いずれ、育児中の時短勤務が当たり前になる社会になってほしいですが、そういう社会であっても、朝早くから働く必要がある専門職や職業は必ずあるでしょうから、「朝のこどもの居場所がある、保護者が育児時短勤務を利用して余裕をもって出勤できる、それを保護者が利益となる方を選択できる社会にする」ことがわたくしの理想です。
そして12ページに、「保育園・幼稚園・放課後児童クラブなどで働く人たちの給与を全産業平均へ引
き上げます。」とあります。これは素晴らしいですね。100点です。ぜひ実現してほしい公約です。
<国民民主党>
検索しますと同党のホームページにたどりつくので、「政策パンフレット2026」を確認することとしました。この中の「政策各論」の20ページ、小見出しで「2 教育無償化の実現」の中に「学童保育・おやつ代無料、」とあります。児童クラブは教育ではないのですが、学童保育のおやつ代を無料にするのは、運営支援としては賛成です。貧困による栄養摂取、カロリー摂取が不十分なこどもが存在する問題に、児童クラブのおやつ代無料は一定の効果があります。ぜひとも「昼食代」も付け加えてほしいですね。それにしても、極めて目立ちにくい書きぶりです。
21ページから「5 出産・子育て支援策の拡充と所得制限撤廃」の内容となります。22ページに「(7)待機児童・待機学童の解消に向けた保育環境整備と人材確保」と小見出しが付けられています。内容を転記します。
「待機児童の解消のため保育施設と放課後児童クラブ充実に向け、保育及び学童保育に関わる職員の賃金を引き上げます。併せて休日保育・学童、病児・病後児保育等多様な保育を充実させます」
保育所と児童クラブの双方の待機児童解消策と事業の拡大を訴えているようです。待機児童解消には児童クラブの充実が必要で、それには従事する職員の賃金を引き上げる必要がある、という組み立て方はまさにその通り。正鵠を射ています。目立たないですが、休日保育・学童というのは「休日に開く保育所と学童保育」を意味しているのでしょう。これはこれで必要とするニーズは必ずあるはずです。しかもそのニーズの声はなかなか目立たない。「休日ぐらい親は休んだらどう?」という、土日休みの仕事の親のデリカシーの無い大きな声の前に、「そんなこといったって、みんなが休んでレジャーを楽しむ土日に働いている人がいるから土日休みの人が楽しめるのに。土日だってこどもの居場所が欲しいのに」という小さな声はかきけされてしまいますし、声すら上げられない。そういう、社会において本当に弱い、隠されてしまっている立場の人を救うのが政治の1つの役割ですし、それが社会正義というものです。堂々と「休日にもこどもの居場所を充実させる」といつか訴えてくれるよう期待します。
「6 子どもの安全と福祉の確保」という項目に注目です。ここの「(1)児童虐待防止対策の強化」に、いわゆる日本版DBSについて記述があります。転載します。
「また、新たに法整備された「日本版DBS法」を着実に実行するとともに、民間事業者にも性犯罪歴の確認を義務付け、子どもたちを性被害から守ります」
(なお日本版DBS法に注釈がつけられており正式な法令名が記載されています。)
この公約は、児童クラブや学習塾など任意となっている事業者も義務化するべきだという内容ですね。
また直接に放課後児童クラブとは関係ありませんが、24ページの「9 就職氷河期課題対策」の中に「(4)就職氷河期採用凍結による人材の世代不均衡を是正(公企業採用促進)」として、「会計年度任用職員の正規化や、教職員等を含む公務員採用の拡大」とあります。これは公営クラブがまだまだある児童クラブ業界には歓迎するべき公約内容といえます。
35ページの「スタートアップ支援」には「ひとり親が起業する際には子どもの預かり体制等迅速に働ける環境を確保できるような必要な支援を行います」とあります。近くブログで投稿しますが、X(旧ツイッター)に、シングル家庭の小学2年生なのに児童クラブに落ちたという投稿がありました。起業うんぬん関係なくひとり親が就業する場合には必ず児童クラブが利用できるようにしなければなりません。
<共産党>
「2026総選挙政策アピール」の中の「重点政策」を確認します。「3 ジェンダー平等をすすめ、一人ひとりの権利、生き方と尊厳を尊重する政治に」の中の「(2)子どもの権利を大切にし、子育てを応援する政治へ」の項目の中に、児童クラブへの言及があります。転載します。
「一人ひとりの子どもが大切にされる保育所、学童保育所への条件整備をすすめます。保育の配置基準の抜本的引き上げ、処遇改善で保育士を増やします。学童保育の待機児童をなくし、指導員の複数配置、処遇改善をすすめます。」
児童クラブの整備拡充を長年訴えてきた政党だけに、待機児童解消だけではなく、職員の複数配置と処遇改善を挙げているのはさすがです。児童クラブの質の向上には、職員の複数配置と処遇改善による優れた人材の確保が必要だからです。運営支援としては、「指導員」と記載しているところにやはり目が向きますね。どうして児童クラブの世界の中のとりわけ保護者運営に属する世界が、放課後児童支援員という正式な呼称を極力使用せず、いまなお指導員という呼称に固執しているのか、こういうところに隠された理由があると思われますね。
同じ項目の中には「家族的責任と働くことを両立できる労働のルールがどうしても必要です。なによりゆとりをもって子どもと過ごせるための労働時間短縮、だれでも安心して利用できる育児・介護休業制度への改善をはかります。」ともあります。放課後児童対策に必要な視点であると運営支援は考えます。
「各分野の政策」も念のため確認しておきましょう。児童クラブについて長年関わってきた党だけに、項目として児童クラブを設けているのはさすがです。「22、学童保育」とこちらも「放課後児童クラブ」という一般的な行政用語を使わず学童保育という呼称にこだわっているところにも、この社会一般の、児童クラブという世界に対する理解の単純化を妨げている要因が見え隠れすると運営支援は考えますが。
内容はしごくまっとうで、「量的にも質的にも整備・拡充し、安心して過ごせる学童保育へ」という見出しからして、いわゆる連絡協議会系団体がスローガンとしてよく掲げている文言とほぼ同じですね。こちらに記載されていることはそのまま運営支援も納得できる内容ばかりです。長いので(=それだけたくさんの言及があるということ)全文の転載はしませんが、「学童保育は社会的に必要不可欠な施設であり、重要な社会的役割を果たしています。」とか「待機児童対策のみならず、必要とする子ども・家庭が通いつづけられるよう」とか、「指導員は高い専門性が求められるにもかかわらず処遇は大変低いままで長く働き続けることが困難な状況があり」とか「市町村事業なので各自治体の裁量で施設や運営、職員採用に大きな違いが生じるなど問題が山積」とか、それこそ児童クラブの世界を悩ます問題を的確に挙げています。「集団の規模は「30人以下」を目指します。」「職員の複数体制、有資格者の配置を「従うべき基準」に戻し、子どもの安全・安心を守ります。すみやかに「児童数40人以下」「児童1人につき1.65㎡以上」等の他の基準についても「従うべき基準」に位置づけ、改善を図ります。」ということも、運営支援は賛成です。
この内容は政党の政治的イデオロギーとは何ら関係ない部分ですから、他の政党にもぜひご理解いただき、公約に取り入れていただきたい。
<参政党>
こちら検索では公約がダイレクトに表示されませんでした。政党の公式ホームページから公約を探します。ここに「3つの柱と9の政策」としていくつかの公約の見出しがあるのですが、1月26日午前11時時点では、「詳細」をクリックしても、何も表示されません。動画では見られるようです。今後、児童クラブに関する公約が確認できしだい追記いたします。
<チームみらい>
「2026衆議院選挙」のページを確認しましたが、3つの大きな公約は紹介されていますが、さらに詳細な部分については見当たりませんでした。こちらも今後、児童クラブに関する公約が確認でき次第、追記いたします。
最後に念のため申し上げますが、弊会、当運営支援ブログそしてわたくし萩原は、特定の政党への投票を呼び掛けることは、少なくとも現時点ではいっさいございません。非常に可能性としてはごくごくわずかですがもしかすると将来はあるかもしれませんが今はまったくありません。ぜひ、どの政党、どの候補者、無所属だろうが政治団体・政党の公認候補だろうが、当選されましたら放課後児童クラブの充実に、力を注いでいただきたいと強く願います。児童クラブのことを気にかけ、実際に児童クラブ業界の健全な発展に力を注いでくださる政治家の皆様を、所属する政治団体に関係なく、また国政、地方政治関係なく、常に応援いたします。
(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
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「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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New! いわゆる日本版DBS制度を専門分野の1つとして事業者の取り組みを支えたいと事業活動を始めた新進気鋭の行政書士さんをご紹介します。「行政書士窪田法務事務所」の窪田洋之さんです。なんと、事務所がわたくしと同じ町内でして、わたくしの自宅から徒歩5分程度に事務所を構えられておられるという奇跡的なご縁です。窪田さんは、日本版DBS制度の認定支援とIT・AI活用サポートを中心に、幅広く事業所の活動を支えていくとのことです。「子どもを守り、あなあたの事業も守る。」と名刺に記載されていて、とても心強いです。ぜひ、ご相談されてみてはいかがでしょうか。お問い合わせは「日本版DBS導入支援センター | 行政書士窪田法務事務所」へどうぞ。
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