児童館と学童保育の違いは何ですか?

 児童館は、児童福祉法という法律で「児童厚生施設」と定義されています。児童厚生施設とは、児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的としています。児童福祉法で「児童」とは18歳未満の者を指しますので、児童館は小学生だけでなく中学生、高校生も対象にしています。そして児童厚生施設は、児童福祉法において「児童福祉施設」と位置付けられています。児童館には大型や小型などいろいろな種類があります。

 学童保育は 放課後や夏休みなど、保護者が仕事などで留守にしている家庭の小学生(1~6年生。ただし地域によって小学4年生など限定されている)を受け入れて過ごさせれる仕組み一般的な仕組みで、学童保育を行う場所=学童保育所には、放課後児童クラブや、民間企業が設置する民間学童保育所が含まれます。放課後児童クラブに限定すると、事前に入所を申請して認められた、あるいは一時利用を認められた世帯の小学生が利用する施設であり、その目的は児童の健全育成です。

 健全育成という点で、児童館と、学童保育のうち放課後児童クラブは共通しています。子どもが遊びを通じて成長し、その場に勤務している職員が子どもの成長を支え、援助することも同じです。資格を持っている人が従事している必要がある点も共通しています。
 違う点もあります。
・児童館は事前に決められた者以外でも利用できる(来館時に氏名などを記入してもらう)が、放課後児童クラブは入所している児童だけが利用できる。
・児童館は中学生や高校生も利用できるが、放課後児童クラブは小学生を対象としている。
・児童館は児童厚生施設であり、児童福祉施設に含まれるが、放課後児童クラブは「放課後児童健全育成事業」を実施する場所を指すものであり、児童福祉施設ではない。さらには、放課後児童クラブは、児童厚生施設等を利用するして実施することも児童福祉法で定められている。
・児童館に配置が必要な資格は「児童の遊びを指導する者」。放課後児童クラブは「放課後児童支援員」。

 児童館を放課後児童クラブとして利用する地域も多いです。こどもまんなか社会において、子どもの居場所の多様性が重視されるようになり、児童館の重要性は以前よりはるかに増しているものと考えたほうがよいでしょう。

 (運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)