ゴールデンウイーク(大型連休・GW)特別版・上 「だから放課後児童クラブ、学童のこと、私は大好きです!」

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者をサポートする「運営支援」を行っている「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台に、新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く、成長ストーリーであり人間ドラマ小説「がくどう、 序」を書きました。アマゾンで発売中です。ぜひ手に取ってみてください! (https://amzn.asia/d/3r2KIzc) お読みいただけたらSNSに投稿してください! 口コミ、拡散だけが頼みです!
 大型連休も後半を迎えていよいよ休祝日が4日連続。放課後児童クラブで働く方々もこの4日間だけは休める、という人が多いでしょうか。大型連休だから、と限られるわけではないですが、シフトが休みの日は、思いのままに過ごして休息して、「労働からの解放」を満喫してくださいませ。また、今この瞬間も出勤されて介護や看護、医療などといった社会公共インフラで働いていらっしゃる皆様、本当にありがとうございます。大型連休中の運営支援ブログは特別版として、「だから放課後児童クラブ、学童が、私は大好きです!」と題して、学童愛たっぷりにお送りします。(前年は、こんな児童クラブは嫌だ! だったのですね)
(お知らせ:きたる5月4日と5日は、当ブログの更新を休止します。奈良へロングドライブの予定です。大仏と、シカさんと、法隆寺と、石舞台を見学したいと楽しみにしている運営支援です。なおブログは6日以降に再開します。)
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。) 

<育っていく楽しみ、喜び>
 ・こどもが、いろいろな経験を重ねて成長していく。自分の家のこどもだけではなくて、クラブにいるこどもたちが、集団の中で、様々な思いを積み重ねて育っていく。1年前は、何をするにも不安そうな表情だったこどもが、半年や1年も過ぎると、自信たっぷりになって新しくクラブに入ってきた年下のこどもたちに向かって面倒を見たり、あるいはお兄ちゃんお姉ちゃんのように振舞ったりしている様子が見られる、それが児童クラブです。

 ・児童クラブにも新人職員がやってきます。学校を出たばかりの新人もいれば、社会人経験はそれなりに豊富でも子ども支援、育成支援の仕事は初めて、という人もいます。児童クラブで初めて働き始めた人は、やがてほぼもれなく「こんなに大変な仕事とは知らなかった!」と口を揃えます。それほど、表面的なイメージと、実際に働いてみるのとでは、そのギャップ、落差が激しい仕事は他にないのではないでしょうか。そんな新人職員の成長もまた、児童クラブで見られるドラマです。保護者に声をかけるのもおっかなびっくりだった新人が、次第に堂々とした口調で話しかけられるようになって、それこそ数年もすればもうベテランの雰囲気。「大丈夫よ、任しておきなさいね」と言わんばかりの立派な支援員になっています。それを実感できるのも、児童クラブならではです。

・児童クラブを卒所した、あるいは途中で退所退会したこどもでも、やがて中学に進み、高校や大学、社会に出ていきます。時折、昔、クラブにいたこどもたちとすれ違ったり見かけたりした時、「あの子が、こんなに大きく成長したなんて!」と思う時の驚きと喜びは、とても幸せな瞬間です。私の知っている、とあるヤンチャ系の男子。保護者さんを心配させることはたびたび。反抗期もそりゃ見事な反抗期で周りはひやひや。でもその後、男子は心に思うことがあったのでしょう、自らの生きる世界をネット空間に見つけ出し、ユーチューバーとして活躍を始めたところです。再生回数の多寡で人気度が一目瞭然の厳しい世界だけれど、頑張ってほしいと応援しています。

<広がっていく楽しみ、喜び>
 ・ほとんどの場合、児童クラブは、「必要に迫られて利用する仕組み」。ごく一部の地域を除いてもれなく学区内にある施設に申し込むしか選択肢がありません。(いずれは、それぞれに特色のある児童クラブを選択して入所できるようになると、いいのですが)
 つまり児童クラブを利用して生活することを選ぶ場合は半ば強制的に入る施設が決められます。保護者はそこで、通常の生活範囲、行動範囲では接点がほとんどない保護者と知り合うきっかけもまた、自動的に得られます。こどもが同じ学年であればいろいろと交わる機会もあるでしょうが、学年がいくつも離れていればそうそう知り合うきっかけもないのが今の時代ですし。保育所や幼稚園、こども園のママ友、パパ友が、さらに広がる可能性があるのが児童クラブ。「学童仲間」の誕生です。なんだかんだで面倒くさいと思っていた行事の手伝いを通じて、学童保護者同士が親しくなるのは半ば必然。知り合いが増える、広がる、交友範囲が広がっていくのはやっぱり楽しいものです。
 そうして、自分が知らなかった世界に触れることもまた、自身の日常生活の刺激にもなりますよ。仲良くなった家庭同士で旅行したりバーベキューをしたり。中には、「運営」や「学童の世界の仕組み」に興味をもって学童沼にハマってしまう珍しい人もいます。児童クラブの運営に疑問を持ったことがきっかけで、行政や子育て支援の仕組みに関心を持っていく人も珍しくありません。児童クラブの次にはこども食堂で引き続きこどもや地域に関わっていく人もいます。

<困ったときはお互い様>
 子育て生活は「大変!」の連続。日常では、急な残業でクラブの迎えの時刻に間に合わなくなりそうなこともあります。予想外の道路渋滞で帰り道が混み混みでこれまた迎えの時刻に遅刻しそう。そんなとき、クラブによっては「仲良しの保護者」が代わりにこどもを引き取ることを認めている場合があります。スマホでメッセージを送って「ごめん! もう迎えに行った? こっち急な残業で迎えに間に合わなそうだから一緒に連れて帰ってもらっていい?」「OK この前はウチが助かったし。大丈夫!」「ありがと~」という経験をしたことがある保護者さんは少なくないかもしれません。
 今はなかなか保護者同士が濃密に、親しくなれる環境ではない時代。そこで、半ば無理やりにでも顔を突き合わせることが多い児童クラブの場は、たんなる保護者仲間から「学童仲間」へ関係が深まるチャンスが多いもの。そうして仲良くなった親の仲間同士のネットワークはとても強い、本当に強い。こどもの宿題の確認、持ち物やプリントの確認も仲間同士であっという間。「明日、〇〇を持っていくって知ってた?」「えっ?知らない知らない、うちの子そんなこと言ってなかった」とあわててランドセルを探すと、ぐちゃぐちゃになったプリントがランドセルの中から救出されて、ということも。
 わたくしの経験ではこんなこともありました。夏の学童キャンプに別動隊で向かう車中。私が車を出して、ほか数人の親が同乗してキャンプ場に向かう中で、「実はいま、こういう状況なの」と一人のママが深刻な事態を打ち明けました。思えばなかなか明るい表情を見たことが無かった人。その訳が判明したのですね。「えっ、それはマズイね、それは間違いなく、これこれだから」と助言アドバイスタイムに早変わり。このことがきっかけで事態の正しい解決方法を見つけ出して、数か月後、そのママには笑顔が戻りました。「あの時、相談してよかった」と言われたときのみんなの笑顔は忘れられません。
 大雪に見舞われた日のこと。埼玉には珍しく歩くことすら困難な大雪で、雪道運転に慣れていない人では車など動かせません。ましてスタッドレスタイヤでもない車ばかりです。たまたま、萩原家はかつてよくスキーに行っていたことや、急な取材で雪国へ行くこともあったのでスタッドレスタイヤに、ミニバンですが4WD仕様なので、埼玉レベルの大雪では運転に問題なし。クラブに取り残されて帰れなくなったこどもや保護者、最後に職員も自宅に送り届けたこともありました。どれほどピストン輸送したでしょうか。「なんで、学童のためにそこまでするんですか?」とある保護者に言われて「なんでだろう、でも皆が助かるならいいことですよ」と答えた記憶があります。

<子育てしながら生活するために必要な仕組みに過ぎない。過ぎないけれども>
 児童クラブは、必要に迫られて利用する仕組みです。必要が無ければ利用はしないでしょう。わざわざお金を払って、送迎だの、保護者運営であれば運営業務にも無理やり従事させられたり、知られたくないプライバシー情報までバレてしまいそうで、利用しなければそれにこしたことはない、という人はきっと多いでしょう。それはそれで当然だと私は思います。
 「児童クラブはさ、今の時代、珍しい異年齢集団で過ごせてさ、非認知能力を伸ばすにはうってつけの場所なんだよ」として積極的に児童クラブを求めていく人は、過去に児童クラブを利用してハマってしまった人以外、いるでしょうかね。いないでしょう、たぶん。児童クラブはいまの時代に必要な場所だよと言われても、「ああそうですか」で終わりでしょう。

 まして、残念ながら、「預かるだけ」や「職員がひどく威張っていて子どもを怒鳴り散らす」とか、「ギュウギュウ詰めでこどもがストレスでまいっている」とか「生活するだけで時間の余裕がないのに役員や係の業務が強制でとてもつらい」とか、残念な児童クラブに入所せざるを得なかった「学童ガチャ」にぶち当たった人には、「学童なんて無い方がいい!」と強く思うでしょう。遠い将来かもしれませんが、子育て世帯への支援、援助の方法がガラリと変わって育児時短制度が所得補償とセットで強制されるようになれば、児童クラブのニーズは大幅に減るでしょう。そうすれば、嫌な思いをして児童クラブを利用せざるを得なかった保護者さんも減ります。それはそれで必要なことでしょう。

 ただ、なんだかんだで制約の多い児童クラブだからこそ、半ば無理やりに「巻き込まれる」仕組みだからこそ、それを活かして、こどもと親の生活の可能性や楽しみを広げていこうと思えば、案外と楽しい、また、役に立つものなのです。もちろん、他の人とあまり交流するのが好きではない人が無理やり他の保護者と知り合いになって付き合う必要はありません。それは自由です。児童クラブに入ったからといって、ほかの保護者と1人でも多く仲良くなる必要がある、なんて私はちっとも思いません。私にも、「絶対、こういう人とは仲良くなれないし、なりたくもない」と思っていた人はそれなりに結構いましたし。ただ、保護者会の会長をやったり運営団体の代表という立場だったりしたので分け隔てなく接していた、とも言えますし。
 「せっかくの機会があるなら、活用してみて、損はないよ」という程度でいいんだと思いますよ。何にせよ、無理やりにあれするこれする、の必要はありませんしね。

 それでも、わたしは児童クラブ、学童が大好きです。記者の仕事を捨ててまで飛び込んだ世界です。児童クラブで働く人が、児童クラブでの仕事が、正しく評価されること、そしてその評価に見合った報酬や生活を得るために、持てる能力や人生そのものを尽くしたいと本当に思っています。そうでなければ収入が数割、いやほぼゼロになってまでこの世界で生きていこうと覚悟はできません。こんな学童バカは日本で1人でいいのですが、児童クラブを利用している人、これから利用しようとする人にはぜひ、「どうせ利用するんだから、徹底的にしゃぶりつくしていこう」の思いで、自身なりの楽しみ、広がりを見つけていってほしいと願っています。

 「だから児童クラブが大好き。あってよかった!」と、1人でも多くの人が実感できますように。

 あなたの「児童クラブが大好き。あってよかった」のお話、ぜひ運営支援に届けてください。どんな立場でもOK。当ブログで紹介させていただきますね。

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 弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。

 放課後児童クラブを舞台にした、萩原の第1作目となる小説「がくどう、序」が発売となりました。アマゾンにてお買い求めできます。定価は2,080円(税込み2,288円)です。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員・笠井志援が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。リアルを越えたフィクションと自負しています。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、群像劇であり、低収入でハードな長時間労働など、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。素人作品ではありますが、児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描けた「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作に向いている素材だと確信しています。商業出版についてもご提案、お待ちしております。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

(宣伝です:放課後児童クラブのエアコン機器の点検と清掃を考えている方に朗報です。弊会をバックアップしてくれている、埼玉県上尾市の「SVシステム株式会社」(埼玉県上尾市の電気・空調設備施工管理会社|点検・修理・メンテナンス|SVシステム株式会社)が、「児童クラブ限定」で、格安にエアコン機器の点検と清掃を承ります。上尾市に比較的近い地域であればお伺いできます。見積はもちろん無料です。技術者のスキルは超一流。私が以前、児童クラブ運営事業者だったときからの長いお付き合いです。弊会お問い合わせメールで連絡先をお送りいただければSVシステム社に転送いたします。直接のご連絡も、もちろん大丈夫です。夏前にぜひ、エアコンの点検を!)