あす(10月27日)は衆議院議員選挙の投票日です。放課後児童クラブに関係する人は投票に行こう!

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。あす、2024年10月27日は衆議院議員選挙の投開票日です。放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所もおおむね該当します)に関わる人で、まだ期日前投票をしていない方は、ぜひとも本日中の投票か、あすの投票日に行きましょう。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<選挙は、投票しなければ意味がない>
 私がどうのこうの言うまでも無く、選挙で投票をすることが大事だ、ということはみなさんご承知ですね。なかなか、自身が思うような政策や公約を掲げている人や、人格的にも安心、信頼できる人がいない、という現実はあるでしょう。だからといって投票しないのは、やめましょうよ。一番、自身の考え方や理念に近い人に投票することも考えてくださいね。

 白票を入れる、ということは無意味です。旧ツイッター(X)にも、白票はまったく意味がないことが多く投稿されています。期日前投票をしない方はぜひ、あす、投票場に足を運んでください。投票権を行使しないのに、政治がだめだ、政治家はクズばっかりだ、なんて言うのは、私としては「あなただって同類だよ」と言いたい。

 確かに残念なことは多くあるでしょう。子育て支援を掲げる政党があるのか?子育て支援の必要性、重要性をしっかりと訴えている候補者はいるのか。残念ながら、それほど見かけません。衆議院議員選挙の争点としては、とりあえず付け加えておく程度の重要性になってしまい、他の諸々の争点と比べて、前面に押して掲げるには弱いテーマかもしれません。しかし、子育て支援は国の将来を左右する大変重要なこと。そのことに国民の多くが関心を持っていれば、メディアも子育て支援についてより取り上げるようになりますし、政党も候補者も、重要な争点として掲げるようになります。

 安全保障、景気対策、外交問題、いろいろと山積する重要課題と負けず劣らず子育て支援が最重要の国政の問題となるには、国民ひとりひとりが興味関心を持っていることを示さねばなりません。地方選挙、特に市区町村単位の選挙ではとっくに最重要の争点になっているのですから、いずれ将来の国政選挙でも、堂々と子育て支援について政策を競い合う選挙になると私は希望を捨てていません。そういう選挙が行われるようになるために、私は引き続き、子育て支援の重要性を放課後児童クラブという世界を通じて、訴え続けていきます。

 何はともあれ、投票です。

<ちなみに私の選挙区では>
 私の居住地は埼玉県の第6区(鴻巣市、上尾市、桶川市、北本市)です。区割り変更で伊奈町が外れたのですね。こちら、4人の候補者が競っています。選挙公報から、子育て支援についてどう訴えているか、見ていきます。選挙公報に掲載されている上の方から順番に取り上げます。

 まずは無所属で立候補している方です。この方は自民党の埼玉六区支部長ですが、いわゆる「裏金」と称される問題を受けて自民党の公認から外れました。子育て、こどもについてどう訴えているか、公報の記事には、「育児・子育てに関する社会制度を整備し、男女を問わず望む場所で輝ける社会を創ります」とあります。また、「温もりのある子育て支援により、子どもを産み・育てやすい社会を創ります」とあります。具体的な提言や公約は見当たりません。国政選挙だから具体的な提案、公約には立ち入らないという見方もありますが、子育て支援に具体的な政策を掲げられない候補者は、誰であっても、満足できないですね。

 次いで、日本維新の会の新人の立候補者さんです。子育て支援についての文言は見当たりません。ただし、いわゆる見出し部分に「子育て介護の応援団」と大きめに記載があります。教育ではこの党の掲げる教育無償化を掲げており、「義務教育に加えて幼児教育・高校において所得制限のない完全無償化を実現」「大学・大学院などの改革と合わせて、教育の全課程の無償化及びそれを通じた教育の質の向上と教育機会の創出を目指す」とあります。

 3番手の候補者は一番端っこに小さく目立たないように「立憲民主党」とあります。この方は何度も当選を繰り返しており、党の鉄板区でもありますが、個人の力で当選を勝ち取っていると目されているので政党名を逆に打ち出すことのデメリットを考えているのでしょう。また、いわゆる公約を伝える文字数が一番多い候補者です。教育について「公教育の充実」として学校の働き方改革、運営費交付金の増額で学費を据置き、質の高い高等教育を提供する体制を整える、とあります。しかし福祉面への言及は見当たりません。

 4人目の候補者は日本共産党の公認候補です。最初の記事に「3人の子どもを育てながら働いています」とありますが、子育て支援に直接言及している公約や政策は見当たりません。「高すぎる学費値下げ」は掲げています。争点を完全に裏金政治との決別にしているので子育て支援の充実ははじかれてしまったのでしょうか。

 比例代表選出議員選挙公報も確認してみましょう。1ページから順に、これも掲載が上の方にある党・団体から見ていきます。簡単に記します。
・れいわ新選組→「子育ては自己責任」終了のおしらせ、とあります。安定した雇用、まともな給料のもとで、落ち着いて子育てできる状況を作る、とあります。
・社民党→特に見当たりませんが、北関東ブロック比例代表名簿登載者について「医療・介護・子育てー現場の声で政治を変える!」とあります。それだけのようです。
・日本維新の会→教育無償化と教育改革は掲げていますが、子育て支援についての記載は見当たりません。
・公明党→子育て支援についての記載は見当たりません。学校給食費の無償化や、高校授業料の所得制限を撤廃し、国公私立を問わず無償化、とはあります。
・立憲民主党→1から7まで番号を付けて公約を掲げていますが、5番目に「子育て・教育」とあります。ただし内容は、給食費や学費の無償化と奨学金返済支援で、子育てについての記載はありません。
・日本保守党→子育て支援に関する記載は見当たりません。
・国民民主党→「子ども・子育て支援 若者支援」とタイトルを付けた囲みがあります。他党と同じように、高校までの教育無償化、給食費と修学旅行費を無償化、所得制限撤廃、奨学金債務の負担軽減をうたいますが、子どもと子育て支援は教育費の観点で取り扱われています。
・日本共産党→子育て支援についての記述は見当たりません。「学費ゼロをめざし、今すぐ半額」として国公私立の学費値上げストップ、入学金は良し、給付中心の奨学金をうたっています。
・参政党→子育て支援についての記述は見当たりません。
・自由民主党→子育て支援の記述は見当たりません。

<子育て支援は、源流である>
 教育費の負担が、少子化を加速させる原因であると広く理解されているので、おおむね、多くの政党や候補者が、教育費用の大幅な削減、無償化を掲げるのは、まあ、理解できます。しかしですよ、充実した教育を子どもに受けさせるには、子どもがまだ小さいうちの保育所、小学生のうちに、安全安心の社会環境の中で育つことが大前提です。保育所、幼稚園、こども園、そして放課後児童クラブの充実があってこそ、子どもたちは育っていって学校教育を受けるのです。

 保護者が子どもに充実した学校教育、高等教育を受けさせるにしても、保護者が安心して子育てできる環境が整っていなければなりませんよね。保育所や放課後児童クラブががたついていたり、そこで働く人が安心して仕事を続けられなかったら、保護者の子育てに影響が出ます。そんな状況で子どもに教育をといっても、無理な話です。

 子育て支援こそすべての施策の源流です。国が安定すること、それは経済活動においても国民が活発に活動することで社会全体を豊かにして社会が安定し、国力が充実することですが、そのためには子育て世帯が安心して日々の生活を営めることが大前提です。

 放課後児童クラブを充実させたから、人口が急に増えるということは、ないでしょう。放課後児童クラブの充実は少子化を食い止める特効薬ではありません。しかし、放課後児童クラブの充実は、国民が安心して日々の生活を営め、まして子育て世帯においては安心して子育てと仕事等の生活を両立できる社会の実現の、1つの方法です。子育てに関する不安や負担を軽減することは、安心して子育てに向き合える、また子育てをすることを避けようとする方向も変えることができるために必要なのです。

 次回の国政選挙ではもっと子育て支援に踏み込んだ政策、公約を掲げてくれる政党や候補者が現れることを期待しましょう。そしてそれは実は国民1人1人が「子育て支援を言わないでいいの?そんな人には投票しませんよ」という意思表示を常に強く発信することで成し遂げられると、私は考えています。

<おわりに:PR>
 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文は出版社「寿郎社」さんへ直接メールで、または書店、ネット、または萩原まで直接お寄せください。お近くに書店がない方は、アマゾンや楽天ブックスが便利です。寿郎社さんへメールで注文の方は「萩原から勧められた」とメールにぜひご記載ください。
(関東の方は萩原から直接お渡しでも大丈夫です。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください!事業運営資金に困っている非営利の児童クラブ運営事業者さんはぜひご相談ください。運営支援として、この書籍を活用したご提案ができます。)

 現在、放課後児童クラブを舞台にした小説を執筆中です。とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説になりそうです。放課後児童クラブを舞台にした小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。出版にご興味、ご関心ある方はぜひ弊会までご連絡ください。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ぜひご連絡、お待ちしております。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

 (このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)