<運営支援ブログミニ52>夏休みが終えた放課後児童クラブの職員さん。無理はしないでいいんです。

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表で「あい和社会保険労務士事務所」の萩原和也です。放課後児童クラブ(学童保育所)運営支援アドバイザーであり、放課後児童クラブの労務管理や事業運営をサポートする社会保険労務士です。(ぜひグーグルのAIで「萩原和也 放課後児童クラブ」と検索してみてください!)
 ミニブログです。すでに学校が始まった地域もあれば、9月1日(来週の火曜日ですね)から学校課業日が始まる地域もあるでしょう。朝から夜までの勤務で使命感MAXで取り組んできた児童クラブの職員、先生のみなさんへ。心身の変調、異変を感じやすいタイミングです。無理はしないでください。夏休み明けに学校へ行きたくないと悩むこどもに、登校を無理強いしてはなりません。それと同じです。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<まずは、こどもたちへ、保護者さんへ>
 夏休みが終わるこの時期は、いろいろな悩みや苦しみが一気に感情となって押し寄せて、学校に行きたくないと思うことがあります。学校に行かなきゃいけないけれどそう思うだけで心臓がバクバクして苦しくなるとか、おなかが痛くなる、吐き気がする、頭が痛くなる、涙がたくさん出てくる。そういう状況になってしまうことがあります。
 それは、決して、恥ずかしいことでも残念なことでも、謝らなきゃいけない失敗でも、なんでもありません。「自分」という心と体のSOSです。「いまは無理に学校に行ってはダメだよ」と、心と体が知らせてくれているのです。すぐに親に話しましょう。もし外部の人と話せるパワーがあるなら、話を聞いてくれる大人、専門家の大人がいますから、相談してみよう。「24時間子供SOSダイヤル」のように国がやっている相談先もありますよ。
 保護者の方へ。まずはこどもの話をしっかり聴きましょう。でも、こどもが話をしずらいようなら、無理に聞かなくてもいいです。言わせないでください。今はどういう対応が必要なのか専門家の意見を聴きましょう。2026年8月26日にヤフーニュースに、西日本新聞の社説「子どもの変調 夏休み明けは特に注意を」という記事が配信されています(9時01分配信)。その記事にはこう書いてあります。
(引用スタート)
「学校に行きたくない」と言ったら、家族は否定したり怒ったりせずに耳を傾けてほしい。子どもの声を聞くときは感情的にならず、冷静に受け止めることが大切だ。話したくない様子なら無理に聞き出さなくていい。
 家族だからこそ話しにくいこと、対処が難しいこともあるだろう。子どもも大人も一人で抱え込むと、余計につらくなる。家庭だけで解決しようとせずに学校や公的機関、民間の相談員、専門家を頼ってほしい。
 子どもたちには、相談できるところが身近にあることを知ってもらいたい。
(引用おわり)

<児童クラブの職員も、同じ>
 夏の児童クラブは、職員にとって緊張度と使命感がMAXになる時期です。職員配置がギリギリなので休めない、休憩も満足に取れない、こどもたちと朝から夜まで関わり合うなかで、それはそれで楽しいけれど肉体的な疲労は当然に厳しい。トラブルが日頃から絶えないクラブではトラブル対応で消耗しきってしまう。体も心もフルパワーが必要なのが夏休み期間の児童クラブ勤務。
 それが終わり、学校が再開すると、もちろんほっとします。落ち着いて事務仕事、書類仕事、記録の業務に取り組めますし、こどもたちの様子について、育成支援について、職員同士で意見を交わす時間を持てるようになります。
 待ちに待った秋の到来ですが、この夏休み勤務で消耗しきってしまって、すべての力を出し切ってしまって、「職場に行きたくない」「クラブに行かなきゃいけないんだけど、体が動かない」という状況になってしまう児童クラブ職員さんは、決してめずらしくありません。

 夏の勤務で何もかも疲れ切ってしまった。大好きな仕事のはずなのに、こどもたちのことは大好きなのに、クラブに足が向かわない。出勤の時刻が迫ると体調が悪くなる。吐き気がする。熱が出る。頭痛がする。めまいがする。とにかく泣いてしまう。涙が止まらない。
 そして、そんな自分に嫌悪感を感じてますます自分が情けなくなる。こどもたちに申し訳ない気持ちで、どんどん涙があふれ出てしまう。

 こういう状態になった児童クラブの先生、「休みなさい」と運営支援は強く言います。いや、命令します。「心療内科、精神科へ行って、じっくり話を聞いてもらおう」とわたくし萩原は言います。

 そうなってしまったことは、あなたがダメだからでも能力が無いからでもない。児童クラブの仕事はとても大変。厳しい。しかも感じる負荷、仕事の辛さは人それぞれ。同じクラブで仕事をしているA職員は特に異変はないけれどB職員は立ち上がれない状況になっていたって、まったくおかしなことはありません。人それぞれです。
 自分を責めることはありませんよ。専門家のところに行って、その後の指示に従ってください。

 時間はかかって当然です。気にしないこと。もしも現場に戻れなかったら? と心配になるでしょうが、まずは自分のことを大切に。児童クラブの仕事は確かにこどもが大事、保護者が大事。でもね、本当に一番大事なのは「自分自身」ですよ。クラブで働く自分がボロボロになってしまっては、何も始められません。そもそも、「自分の人生を台無しにしてまで、働かねばならない仕事なんて、この世に存在しない」からね。身も心もボロボロに病んでしまうまえに、そうなりそうだったら、児童クラブではない仕事を選んでください。大事なのは自分の人生であり、生活です。「逃げるが勝ち」という言葉は正しいのです。

<運営側へ>
 まずは異変を訴える、不調を訴える職員を責めないこと。「シフトが埋まらないから困る」などと言うのは愚の骨頂。「休んでもいいけれど代わりにシフトに入ってくれる人を捜してからにして」と、児童クラブの世界にありがちな指示をするのは、場合によってはハラスメントになります。

 まずは職員が回復できるように、「専門家、専門医の診察を促す」ことをしてください。シフトの穴を埋めるのは雇う側、運営側の当然の責任ですから、取り組んでください。
 その次にやることは、「個人的なこと」で片づけずに、「組織的に、職場の環境的に、職員を追い込んでしまう要素があるのではないか」と仮説を立てて原因の究明に取り組むこと。その上で、他の職員が苦しむことが無いように再発防止について、同じ状況を回避するために必要な措置があれば早急に実施することです。

「あの人には向かなかったのね」で済ませてはダメ。まして「他の職員は大丈夫なのにね。ちょっと弱かったんだよ、あいつは」などと個人の能力や資質に原因を覆いかぶせることは絶対にしてはなりません。そういう考えでいる児童クラブ運営主体は、わたくしに言わせれば「とっとと児童クラブの世界から退場してくれ」ということ。児童クラブは、人が人を支える仕事。職員が安心して仕事に取り組めるようにあらゆる取組をするのが、雇う側の責務です。過去から振り返って、夏休みが終わると仕事に戻れなくなる職員がいたようなら、とりわけ真剣に、自分たちの事業の中身を点検しなければなりません。たった1人しかそういう職員がいないとしても、個人に原因を落とし込むことなく、組織として「何か改善するべき点があるのではないか」と、自分たちの事業内容を冷静に点検することが必要です。できれば外部第三者に加わってもらうのが良いのですよ。例えば運営支援のわたくし萩原のような者ですが。職員を大事に、それはきれいごとではなく、人手不足、人材不足の時代で、なんとか雇用した職員を育て事業に従事してもらうことは当然に重要だからです。どんどん人が入れ替わるということはそれだけ事業運営に必要なコストを余分に投入していること。運営に使えるコストの原資は補助金であり、利用者にとっては子育て税に等しい毎月の利用料。1円たりとも無駄遣いは現金です。人を相次いでつぎ足すような、へたくそな事業運営をしてはなりません。

 児童クラブは、職員こそ大事な財産。職員あっての児童クラブ事業です。もし夏休みが終わって苦しんでいる職員がいたら寄り添ってください。焦らず、時間をかけて、また仕事に向き合える日が来るのを待ちましょう。もしもそのまま仕事に戻れなかったとしても、再出発を温かく応援しなければだめですよ。

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 こども性暴力防止法に関する諸課題を5人の弁護士が各々の専門分野に関して紹介、説明するYouTubeチャンネル「こどもを守る弁護士チャンネル」。「第6回子ども性暴力防止法緊急LIVE」は2026年8月12日21時半から、「災害時のこども支援とこども性暴力防止法」です。話し手は 鈴木愛子弁護士、聴き手は野田隼人弁護士です。
 第4回が2026年6月30日に配信されました。放課後児童クラブの運営に関わってきた鈴木愛子弁護士が「こども性暴力防止法がもたらすこどもの被害申告に適切に対応できるか」をテーマに関して丁寧に説明しています。 まずは動画をぜひご覧ください。わたくしの著書「知られざる<学童保育>の世界」も紹介されています。
https://youtube.com/live/9q8xzkgs7wo?si=dr06eChxK1Jgov5T
 第5回は7月19日(日曜日)15時から、すでに施行されている「児童生徒性暴力防止法」における調査の解説です。話し手:飛田桂弁護士、聴き手:嶋崎量弁護士、鈴木愛子弁護士、野田隼人弁護士、三輪記子弁護士。
 第3回(2026年6月11日)は、鈴木愛子弁護士がメインスピーカーとして「こども性暴力防止法がもたらす「人手不足の加速」とその構造的リスク」とのタイトルで、人材確保に関する懸念を取り上げています。内容は放課後児童クラブ限定ではなくて法制度全般にわたるものですが、とりわけ放課後児童クラブで働く人、運営する人そして管理する行政パーソンには必見必聴の内容です。https://www.youtube.com/watch?v=ZVafKTKe204 を、ぜひクリックしましょう。
 第2回(2026年5月30日)が、こども性暴力防止法の「Q&A」を読み解くとして、【弁護士が読む❗️こども性暴力防止法Q &A】のタイトルで配信されています。メインスピーカーは三輪記子弁護士、聞き手は嶋﨑量弁護士です。
https://www.youtube.com/watch?v=XtTCNTDBLLo
 第1回(2026年5月16日)は「こども性暴力防止法を考える」です。
https://www.youtube.com/watch?v=uUlx8XaKMso&t=4324s

 わたくし萩原が寄稿した記事が「ウェッジオンライン」で2026年7月29日に公開されました。「子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ」という記事です。ヤフーニュースにも配信されています。URLは以下の通りです。(子どもの「体験格差」が気になる夏休み…その“差”を埋めるのは難しいのか?子どもにとって貴重な体験に目を向けろ  Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)

 こども性暴力防止法がもたらす、構造上の課題問題について、法律家がとても分かりやすく解説する記事が「アエラキッズプラス(AERAKidsPlus)に掲載されました! 解説はもちろん、鈴木愛子弁護士です。こどもを性暴力から守るための重要な法制度だからこそ、実は逆説的にこどもや運営事業者が追い込まれてしまう可能性を分かりやすく説明されています。ぜひぜひ、記事を読んでください! 実に分かりやすいですよ!
 「本当に性犯罪を防げる?」学校や学童保育、放課後子供教室も対象になる「日本版DBS」に、現場から懸念の声…【弁護士が解説】 | AERA with Kids+

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、講演会、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)
※ミニブログは、ページ全体の文字数が多くても7,000文字程度の投稿を指しています。また、文字数が多い場合でも「肩の力を入れずに気楽に読んでほしい」という内容の場合もあります。

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萩原和也