机と椅子で過ごす学童保育。放課後児童クラブ(学童保育所)は、地域や事業者によって千差万別ですね。面白い!

 放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者と働く職員をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台にした(とても長い)人間ドラマ小説「がくどう、 序」が、アマゾン (https://amzn.asia/d/3r2KIzc)で発売中です。ぜひ手に取ってみてください! 「ただ、こどもが好き」だからと児童クラブに就職した新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く成長ストーリーです。お読みいただけたら、アマゾンの販売ページに星を付けていただけますでしょうか。そして感想をネットやSNSに投稿してください! 最終目標は映像化です。学童の世界をもっと世間に知らせたい、それだけが願いです。ぜひドラマ、映画、漫画にしてください!
 放課後児童クラブは、地域地域で独自に発展してきた歴史がありますし、1997年に法制化され、2015年度から「放課後児童クラブ運営指針」が運用され始めても、「必ずこうしなさい」という基本的な形態が確立していないので、地域ごと、もっといえば事業者ごと、さらにいえば「クラブの運営責任者の考え次第」で、実際の運営内容が異なっています。学童クラブは事業運営の面では「金太郎飴」ではなくて、「次に何が出てくるか分からないサクマドロップ」みたいなもの。ゆくゆくは、いろいろな児童クラブの運営の「ちがい」を紹介していきます。今回は「机と、いす」です。 
 (※基本的に運営支援ブログと社労士ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブは、いわゆる学童保育所と、おおむね同じです。)

<みなさまのクラブでは、どうですか?>
 児童クラブは、こどもが生活の場として過ごす場所です。こどもたちが過ごす「専用区画」を設けることになっていますね。こども1人あたりの面積はおおむね1.65㎡以上を確保するということに、なっていますね。覚えていますか?
 それはさておき、その専用区画で、こどもたちはどのように過ごすか。「床に直に座る。テーブルも、脚の長さが短いものを使っている」児童クラブか、「机といすがある」児童クラブ、に分かれるでしょう。みなさまのクラブはどうですか?

 わたくし萩原がお世話になったクラブは、床にそのまま座る方式でした。こどもたちがすぐに寝っ転がれますね。保護者会も大人たちが床にじかに座ります。体が硬い人とか加齢による関係で、じかに座ることが難しくなる大人もいますよね。わたくしもそうです。というか記者時代に富士山の取材で陸上自衛隊さんと一緒に登頂し、その下山時に派手に転んで左足首を激しくねん挫して、その影響で左足首がどうにも正座するのに向かなくなってしまったので、じかに座るのがなかなかつらいんですね。下山の際には陸自さんに本当にお世話になりました。感謝してもしきれないぐらいです。

 そんなわけで、わたくしの児童クラブは床にじかに座る、べた座りの印象です。縁があっていまも非常勤理事をしている愛知県津島市の児童クラブも床に座る方式です。

 ところで、これも縁があって川越市内の民設民営児童クラブを訪問する機会をいただきました。そこでは、机といすでこどもたちが過ごしていました。訪問する前に、県の担当者の方から「川越は公営施設が机といすですから」という話を聞いていたので、どんな様子かなと楽しみではあったのですが、目の当たりにすると、なかなか新鮮でした。「こういう児童クラブもあるんだなぁ」と今更ながらの発見でした。

<特に決まりはありませんので>
 児童クラブには、厚生労働省令による設備運営基準があります。また、強制力はないですが、児童クラブの事業者がお手本とするべき放課後児童クラブ運営指針というものがあります。どちらにも、児童クラブにおいては、施設内でこどもたちがどのように着座するかなど、当然ながら指定されていません。そもそも指定するようなものでもないです。
 なお運営指針には「室内のレイアウトや装飾、採光等にも配慮し、こどもが心地よく過ごせるように工夫することも求められる。」「衛生及び安全が確保された設備を備え、こどもの所持品を収納するロッカーやこどもの生活に必要な備品、遊びを豊かにするための遊具及び図書を備える。」(第6章 施設及び設備、衛生管理及び安全対策 1.施設及び設備(1)(2)、の中にあります)と、記載があります。

 要は、過ごしやすいように事業者が工夫しなさいね、といっているぐらいですね。

 もちろん、「机といすがダメ」とか「いまどき床にべた座りするってどうなの?」なんて判断は運営支援はしません。どうぞご自由に事業者が考えてください。それぞれに一長一短があるでしょう。そもそも、机といす、で過ごすクラブだって机といすを片付ければ、ごろんと寝転がれます。いつもは床に座るクラブでも、(備えがあれば)机といすを持ち出すことで会議や事務作業ができるでしょう。

 わたくしの想像ですが、児童クラブで机といすを用意するということは、それだけ収納スペースが必要となります。たとえば専用区画で全員で遊ぶときに、机といすを片付けることになりますが、そもそもにおいて広い施設ではない児童クラブにおいて、机といすを置くスペースが十分に確保できるとは、なかなか言えません。脚の短いテーブルだけでしたら積み重ねれば部屋の隅っこに収められます。そういう、施設面の固有の事情があるのと、調達に要する費用、何より「児童クラブではそもそも勉強、学習に軸足を置いていない」ということから、机といすを用意するより、脚の短いテーブルを用意して過ごすことに、自然に落ち着いたのでしょう。
 川越の児童クラブは教育委員会が管轄する学校内施設です。そういう環境も、机といすで過ごす児童クラブに自然になっていった事情なのでしょう。公営がそうであれば民営クラブも自然と右に倣え、になりますね。もっとも最初は床に座ることも実施していたとのことですが。なお、川越市の公営施設でも、いくつかの施設では床で過ごせる設備もあるようです。

<脚の短いテーブル>
 折り畳みのテーブルを使っている施設が多いでしょうか。既製品で調達できますね。わたくしが実務で運営に関わっていた事業者は、特注の脚の短いテーブルを使っていました。保育所や幼稚園などを相手に物品を販売する事業者から購入するのですが、特注品なので割高で、新規クラブを開設する際にテーブルを揃えるのが、なかなか費用面で大変でした。既製品の、脚の折り畳みテーブルが3つ買える価格で特注テーブルを購入していましたから。
 なぜかといえば、折り畳みテーブルで、こどもや職員が指を挟むケガがあったからです。テーブルを出す、片づけるは日常的に頻繁に行う作業ですから、その際に脚を折りたたむとなると、こどもや職員がけがをする可能性も高まります。骨折でもするようなことになれば、それこそ大変です。ですので、調達費用は割高でも、こどもと職員のけがのリスクを考えての判断でした。わたくしが事業運営指揮を執る以前は脚の折り畳みテーブルもまだ若干使われていましたが、比較的短期間に入れ替えました。
 脚を折りたたむという可動域が無い分、案外と頑丈なので長持ちしますので、長期的に見れば十分にコストは回収できるという計算もありましたし、実際、本当に長持ちしますね。

 悩みの種だった調達費用も、「児童クラブに絶対に必要な物品」ということで自治体にお願いを繰り返した結果、公設クラブは公費で(つまり自治体の備品になります。備品シール、管理台帳で管理します)、民設クラブは補助金を頂戴して調達できることになりました。補助金で購入するので所有権は事業者にあっても勝手に他施設への異動や廃棄などはできないのは言うまでもありません。そもそも年度ごとに管理状況を報告することになりますからね。でも、児童クラブに必要な物品を公費で購入する、という当たり前のことを、どの自治体でも理解して実施してくれるわけではありません。机といすか、床に直に座るかの差は正直、個性の違いで済む話ですが、「児童クラブ運営や事業実施に必要な物品の購入を自治体が面倒みてくれる、みてくれない」の違いは、児童クラブ運営側としてはなんとかしてほしいものです。国にはそういうところから、1つ1つ、児童クラブのバラバラすぎる部分を全国的に徐々にそろえていく努力をしてほしいものですね。

 児童クラブの違い、個性、差異。これからも機会があれば取り上げていきましょう。おやつも昼食も、送迎も、保護者参加の度合いも、いろいろな違いが全国、いや事業者ごとに大きく違いがあります。事業者にしたって、保護者が運営するクラブ、大きな企業が運営するクラブ、自治体が運営するクラブと、それこそ根本的に違います。運営の中身も同じですね。その違い、個性は大事にしていきつつ、最終的には「それは、こどものためになっている?」「それは、保護者が安心できる?」「働く人にとってはどう?」「地域や自治体、社会にとってメリットがある?」という、どんな個性があっても揺るがないはずの結論に行きつけばいいのですから。 

(お知らせ)
<社会保険労務士事務所を開設しました!>
 2025年9月1日付で、わたくし萩原が社会保険労務士となり、同日に「あい和社会保険労務士事務所」を開業しました。放課後児童クラブ(学童保育所)を中心に中小企業の労務サポートを主に手掛けて参ります。なお、放課後児童クラブ(学童保育所)に関して、労働関係の法令や労務管理に関すること、事業に関わるリスクマネジメント、生産性向上に関すること、そしていわゆる日本版DBS制度に関しては、「あい和社会保険労務士事務所」を窓口にして相談や業務の依頼をお受けいたします。「あい和社会保険労務士事務所」HP(https://aiwagakudou.com/aiwa-sr-office/)内の「問い合わせフォーム」から、ご連絡のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 「一般社団法人あい和学童クラブ運営法人」は、引き続き、放課後児童クラブ(学童保育所)の一般的なお困りごとや相談ごとを承ります。児童クラブの有識者として相談したいこと、話を聞いてほしいことがございましたら、「あい和学童クラブ運営法人」の問い合わせフォームからご連絡ください。子育て支援と児童クラブ・学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と児童クラブ・学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

New! いわゆる日本版DBS制度を専門分野の1つとして事業者の取り組みを支えたいと事業活動を始めた新進気鋭の行政書士さんをご紹介します。「行政書士窪田法務事務所」の窪田洋之さんです。なんと、事務所がわたくしと同じ町内でして、わたくしの自宅から徒歩5分程度に事務所を構えられておられるという奇跡的なご縁です。窪田さんは、日本版DBS制度の認定支援とIT・AI活用サポートを中心に、幅広く事業所の活動を支えていくとのことです。「子どもを守り、あなあたの事業も守る。」と名刺に記載されていて、とても心強いです。ぜひ、ご相談されてみてはいかがでしょうか。お問い合わせは「日本版DBS導入支援センター | 行政書士窪田法務事務所」へどうぞ。

(ここまで、このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)

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萩原和也