放課後子ども教室と児童クラブの違いはなんですか

 目的が全く違います。放課後子ども教室は文部科学省が担当しており、行政の用語としては「放課後子供教室」となります。放課後に、小学校の施設を活用するなどして子どもの居場所を用意するという「居場所作り」が主目的です。
 一方、児童クラブは、「放課後児童健全育成事業」を行う場所である「放課後児童クラブ」であり、学童保育所と呼ばれることも多いです。その担当はこども家庭庁(2022年度末までは厚生労働省)で、「留守家庭の小学生に適切な生活及び遊びの場を与えて、子どもが健全に育つための事業をする」ことが目的です。つまり、居場所を用意するだけではなく子どもが健やかに育っていくために必要なことを行う、という福祉的な目的を含んでいます。

 放課後子供(子ども)教室=子どもの居場所を用意すること。
 放課後児童クラブ=子どもの健全育成を行うこと。

 放課後子供教室は小学校の施設を使うことが多く、実施時間は学校の施設が使える午後5時ごろまでが多いです。夏休みなどは実施していない地域も多いです。一方、放課後児童クラブは午後6時や午後7時まで開所していることが多いです。放課後子供教室は、事前の登録さえしていれば自由に使えることが多く、費用は無料(保険料は別途負担のことがある)のことが多いですが、放課後児童クラブは入会、入室の許可が必要で、毎月数千円から1万円超の利用料(保護者負担金)の支払が必要です。

 このように、両者の目的は全く違いますが、2010年代以降、主に都市部を中心に、この両者の機能、目的を合体させる事業である放課後対策事業、通称「全児童対策事業」を行う市区町村が急増しています。また、放課後児童クラブは緩やかながらも職員の配置について基準が設けられていることから、特に人口が少ない地域においては放課後児童クラブを設置できず放課後子供教室で子どもの安全な居場所を確保するとしている地域もあります。近く小学生になるお子さんがいる子育て世帯の保護者さんは、お住まいの地域で子どもの居場所としてどのようなサービスが提供されているか、地元の役所に問い合わせることが良いでしょう。

(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)