放課後児童クラブ(学童保育)の運営支援ブログです。注目を集めたブログ記事を紹介します。

 放課後児童クラブ(学童保育)運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)の健全な発展を願い、特に、児童クラブで働くみなさんの処遇が改善されることを目指している、放課後児童クラブの運営支援です。年末は、国から児童クラブの運営実施状況が公表される大事な時期ですが、その前に、この1年、読者の皆様に注目を集めたブログ記事を紹介します。年末らしい雰囲気になるでしょうか。
 (※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)

<2023年12月1日から2024年11月30日までの注目記事>
 運営支援ブログのアクセス数が多かった投稿を紹介します。2023年12月1日から2024年11月30日までの1年間、最もアクセス数が多い投稿、つまり注目を集めた投稿はどれだったのでしょうか。弊会ブログで集計しているポイント(12か月間のアクセス数から集計)でランキングを付けてみました。

第5位 聞きたくても聞けない「学童のこと」。「保護者会って、なんであるの?」など、「保護者と学童保育」編です。(1,758ポイント)
 こちらは2024年4月13日に投稿した記事です。保護者会の扱い、関わり方は、特に保護者には重大な関心事です。保護者会への強制加入や、何の意味があってやっているのか分からない保護者会活動への疑問など、多くの保護者が保護者会について調べたい、知りたいという気持ちがあることは大いに理解できます。児童クラブにおける保護者会の問題は、単に、強制加入や任意加入の違いだけでなく児童クラブの運営を担っているかどうかを最初に考えねばならないので、保護者だけの意向で状況を変えられない難しい問題の場合があります。保護者会と児童クラブ運営の関係は今後も引き続き運営支援ブログで問いかけていきます。
(記事の内容をちょっとだけ紹介)
 PTAと違うのは、児童クラブの保護者会の場合、「実際に事業を営んでいる」ケースがあるということです。PTAの場合は仮にその活動を全部取りやめたところで、子どもが学校で義務教育を受けられなくなることはありません。ですが、児童クラブを運営する保護者会がその活動を全部取りやめると、その児童クラブは閉所に追い込まれます。つまり、保護者会運営の児童クラブの場合は、保護者会が「事業者」になっています。

第4位 「言うことを聞かない子は学童で預かれません」と考える放課後児童支援員は、学童保育で働く資質はありません。(1.925ポイント)
 こちらは2023年7月7日に投稿した記事です。苦情、クレームと並んで児童クラブにおける問題行動を繰り返す子どもへの対処、対応が、児童クラブの世界で極めて関心が高い、それだけ悩んでいる人が多いということを示していますね。こちらも改めて、児童クラブにおける問題行動への対処、ハイリスク行動への対処対応を運営支援ブログで取り上げていきましょう。児童クラブの現場だけでの努力だけで解決できない、構造的な問題ですから。
(記事の内容をちょっとだけ紹介)
 もちろん、きれいごとや理想論だけで片づけてはなりません。現実に学童保育所には、職員の指示を受け入れない、暴れて他者をけがさせる等、種々のいわゆる「問題行動」を起こす子どもも少なからず在所しています。そういう子どもたちへの対応で、職員が頭を抱え、心理的にストレスを抱えるという現実的な問題が存在することも当然です。その問題の解消として「言うことを聞かない子どもに、やめてもらう」ということは、絶対的に回答とはならない、ということです。

第3位 さいたま市「子ども居場所モデル事業」速報!来年度は微増か。放課後児童クラブ側には対応猶予期間になる(2,157ポイント)
 こちらは2024年7月8日に投稿した記事です。さいたま市が2024年度から始めた、子ども居場所事業、いわゆる放課後全児童対策事業ですが、用意周到にじっくり時間をかけて進展をはかっています。保護者が運営に関わることの良さを訴える声はありますが保護者の運営負担のあまりの大きさに対応できない保護者の怨嗟の声の方があまりにも大きいことがこの事業の着実な拡大を後押ししています。できることならば現場で働いている支援員の要望を行政執行部が丁寧に対応することを期待します。児童数に対する職員数を増やさないととても対応できませんよ。
(記事の内容をちょっとだけ紹介)
 4小学校だけでは確かに確たる方向性は見出しにくいのでしょう。よって来年度は若干、モデル事業数を増やすことは理解できます。同文書には「令和6年度及び令和7年度のモデル事業により把握をした効果と課題の検証結果を踏まえ、放課後子ども居場所事業の市域全体への展開に取り組んでいく。」とありますから、2026年度以降は、さいたま市内のほとんどの地域で、この放課後子ども居場所事業が行われると考えてよいでしょう。

第2位 放課後児童クラブの常識を疑ってみる。「親が休みの日に子どもはクラブ・学童を休むことは当たり前」なのか?(2,898ポイント)
 こちらは2024年4月16日に投稿した記事です。私の投稿の趣旨は、これからの児童クラブは児童の健全育成を専門的に行う機関となるべきで保護者の就労や留守の要件は撤廃するべきだというものですが、実際の児童クラブの現場では、親は仕事が休みなら子どもを家に下校させるべきであって児童クラブを子どもの預かり場として使ってくれるな!という正反対の意向だろうと、私は思います。ここは幅広い視点での検討が必要です。
(記事の内容をちょっとだけ紹介)
 「親が留守だから、子どもを預かり、その上で、親の代わりになって子どもを育てる」という、法が定めている事業の趣旨をさらに充実発展させるのです。「保護者が在宅であっても、子どもはクラブに登所し、クラブにて放課後児童支援員等から健全育成の支援を受けつつ、子どもは主体性を育み、他者との交わりを積み重ねて豊かな人間性を自分の力で育てていく」という機会を保障したい、ということです。

第1位 学童保育への「苦情、クレーム」問題を考える。実は案外、簡単です。(4,957ポイント)
 こちらは2023年6月27日に投稿した記事です。児童クラブの現場で苦情、クレームに悩まされている方がいかに多いかを示していますね。近いうちに、私が実践してきた強烈クレームへの取り組み、対応法を紹介しましょう。第4位になった、児童クラブにおける子どもの問題行動もそうですが、児童クラブの現場だけで到底解決できない、事業者が主体となって取り組まねばならない難問なのに現実には現場職員だけの対応と解決を強烈に期待されている、押し付けられている現実があるのだろうと私は想像しますし、おそらくそうでしょう。それがまさに児童クラブが事業としてはるかに遅れている、前時代的な手法が通用しているということなのです。運営支援はその悪習を一掃したいのです。
(記事の内容をちょっとだけ紹介)
苦情やクレームには当然、解決する努力は必要です。その努力自体は、案外簡単です。
 「丁寧に話を聞くこと」
 「現実的に被害を受けたことが明白であるなら、それについては社会的常識としての謝罪をすること」
 「姿勢として、相手側の感情に寄り添う態度や口調を示すこと」
 「すぐに解決に取り組む姿勢を見せるが、絶対にその場で、解決策を安請け合いしないこと」
 「自分1人で対応することは絶対に避け、常に上司と連携して対応すること」
 上記のことを守りつつ、対応することです。

<雑記>
 どうでしたか。1年以上前に掲載された投稿が今も繰り返しアクセスを集めています。児童クラブで働く人、子どもを通わせている保護者のみなさんに「刺さった」投稿だったのでしょう。苦情やクレームは私も運営責任者だった当時、毎日のように対応していたものですし、苦情やクレームで体調を崩した部下もいました。それだけに徹底的な対応が必要な重要な問題です。難しいのは、苦情やクレームのそもそもの発端に、児童クラブ側の明らかに過失の度合いが高いミスや失態が起因となっていることがあること。それとて、あまりにも非常識な苦情やクレーム内容なら無視することもできますが、ミスや失態が言い訳のできない程度のひどい内容だった場合は、苦情やクレームに適切に対応することが難しくなりますね。
 問題行動をする子どもへの対応は、児童クラブ支援員の「ひたむきさ、まじめさ」がその内容を深刻にさせる面がありますね。およそ熱心な支援員であれば、問題行動を起こす子ども本人をどうしようとは思わず、その問題行動の要因をどう除去できるのかを考えますし、その結果、その除去に取り組んでくれない行政や学校、そして保護者を恨めしく思うのです。

 さて今回の内容ですが、年末にかまけて楽をしたいだけでしょ?と思われた読者の方もおられると思います。確かに日曜日以外は新作のブログ投稿を心がけていますから、なかなか大変です。児童クラブに関してあれこれと言いたい、訴えたいことは山ほどありますが、ブログ投稿のネタとして使えるかどうかはまた別問題です。毎日、どの時間でも「明日のブログはどうしよう?あさってのブログはどうしよう?」と考えない時間はありません。このことばかり考えているわけではないですが、常に頭のどこかに「次のブログ、その次の日のブログ」のことを考えています。寝ている時も寝ながら考えて夢にまで出てきますからね。
 むかしむかし、私が夕刊フジの芸能デスクを務めていたころと同じです。数年間担当したのですが、新聞の紙面を必ず埋めなければならない。本当は他紙を圧倒する素晴らしいネタ、特ダネで圧倒しなければなりませんが、出来の悪いデスクだった私は紙面を埋めるだけで精いっぱいでした。いわゆる「発生モノ」があれば安心しましたね。著名芸能人の結婚や離婚などの話題、テレビや映画、演劇の話題作の発表や売れ行きの数値、視聴率などは安心できる有難いテーマでした。ちょうど今の自分ならM-1の優勝予想をやって、優勝したコンビの今後を占う、というネタも定番でした。そういう発生モノや定番ネタがない日の方が圧倒的に多いので、常に「明日の紙面どうしようか、明後日の紙面は埋まるだろうか」の恐怖心で毎日を過ごしていました。
 その経験があるから今もやっていけるのでしょう。芸能デスクのときは記事が載っていない白紙の紙面を作るわけにはいきませんから、そりゃもう必死でした。今はブログの投稿が途絶えたからといって会社に迷惑をかけることはありません。ただ、私自身、多くの児童クラブの人に届けたい内容を届けずにいていいのか、という自身への内省の気持ちはより強くなっています。独りよがりの内容ばかりですが、まずは少しでも、児童クラブに関わる人が安心した毎日を過ごせるように、安定した事業が営めるように、改善の提案を呼び掛けていきます。

<おわりに:PR>
 弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
 放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。

 弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。

 放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。

 放課後児童クラブを舞台にした小説を完成させました。いまのところ、「おとなの、がくどうものがたり。序」と仮のタイトルを付けています。これは、埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子ども達の生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描ける「学童小説」です。出版にご興味、ご関心ある方はぜひ弊会までご連絡ください。ドラマや映画、漫画の原作にも十分たえられる素材だと確信しています。ぜひご連絡、お待ちしております。

 「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。

(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)