放課後児童クラブはどうして子どもだけの帰宅を認めないのですか?

 放課後児童クラブ(児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業を実施する施設のこと)を利用した子どもが帰宅する際は、保護者や大人の迎えを求めることがほとんどです。ただ、降所(児童クラブから帰ること)の時間が午後5時前の場合は子どもだけの帰宅を認めている市区町村はそれなりにあります。

 例外的に、午後5時以降であっても、「子どもたちが集団で降所する」ことや「事前の保護者から同意書を提出してもらう」などで子どもだけの降所を認める市区町村がありますが、ごくごく一部の地域です。基本的には、児童クラブから帰宅は保護者の迎えが必要だと考えてください。

 法律で児童クラブの降所は保護者の迎えが必要であると決められているわけではありません。市区町村が独自に定めるルール(要綱や基準など)で、保護者の迎えが必要と決めている場合はありますが、法令で決められているものではありません。ではなぜ保護者の迎えを求めるのかといえば、「子どもの安全を確保するため」です。

 もともと放課後児童クラブは、児童の安全が確保された生活の場を児童に提供することで保護者が安心して就労や就学などができることを実現する仕組みです。安全の確保された生活の場で、健全育成を行うことで放課後児童健全育成事業となります。それが、子どもが暗くなった時間、子どもだけで降所、帰宅することで、犯罪に巻き込まれたり事故に遭ったりしたならば、その事業の目的は意味を持ちません。

 法令に規定されてはいませんが、保護者が迎えに来ることは「法令に定めるまでもなく当然」という理解が必要です。子どもの安全を守ることは何より最優先されるべき社会全体の使命ですから、子どもだけで降所、また登所させることが児童クラブ本来の設置の目的にそぐわないということになります。保護者が何らかの事情で迎えに行けない場合は、代わりの信用できる人物を事前に児童クラブ側に申請、届け出ることになります。

 (運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)