放課後児童クラブの料金が8月になると高くなるのはなぜですか
放課後児童クラブ(児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業を実施する施設のこと。学童保育所もその多くが該当します)の料金(利用料。保護者負担金や保育料などと呼ばれています)は、月ぎめである場合が多いですが、どの月でも同じ額である地域もあれば、月によって料金が違う場合もあります。その中では、8月に高めの料金を設定している市町村や事業者もかなり多くあります。
8月に料金が高くなるのは、人件費がかさむからです。8月は夏休みのために朝7時や8時に児童クラブが開所していますから、小学校に子どもが登校する日に比べるとクラブが開所している時間は倍以上長くなります。午後2時に子どもが登所するクラブで午後7時まで開所していると5時間の子ども受け入れ時間ですが、朝8時に開所しているとプラス6時間、子どもを受け入れる時間が長くなります。
学校の登校日であっても正規職員、常勤職員なら午前から出勤していますが非常勤職員(パート職員、アルバイト職員)は子どもの登所時刻に合わせたシフトを組むことが一般的ですから、午前8時開所の夏休み期間と、普段の登校日を比べると、だいたい非常勤職員の人件費は1日につき8割増か2倍ほどになります。それだけ必要な経費が増えるわけですから、保護者から集める利用料もまた増えるのはやむを得ないところです。
一方、通年で利用料が同じ児童クラブもあります。この場合は、8月など児童クラブの繁忙期に著しい収支の不均衡があるとしても不足分を別途、行政が交付する補助金において調整します。つまり、年間を通じて人件費に極端な不足が起きないように補助金の交付額を調整することになります。また、事業者も、利用者(つまり保護者)から集める毎月の利用料を通年で平均して徴収することで、8月や3月など長期休業期間中に高めの利用料を徴収することとしています。
「足りない分をその月だけで集める場合=8月などは高くなる」か、「足りない分も踏まえて年間の平均額を出してその額を毎月集める場合=毎月同じ額」かの違いといえるでしょう。
(運営支援による「放課後児童クラブ・学童保育用語の基礎知識」)
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