今回も特別版。新型コロナ流行が、放課後児童クラブ(学童保育所)の文化を変えてしまった

 学童保育運営者をサポートする「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。子どもの育ちを支える学童保育、保護者の安定した生活を支える学童保育、そして社会を支える学童保育を支援する「学童保育運営支援」の重要性と必要性を訴えています。学童保育の問題や課題の解決に向け、ぜひ皆様もお気軽に、学童保育に関するお困りごと、その他どんなことでも、ご相談やご依頼をお寄せください。講演、セミナー等をご検討ください。

 さて私事で恐縮ですが、新型コロナウイルスに感染してしまい、いろいろなことができにくくなっている状況です。(業務自体は自宅でやっているので他者との接触はありませんので、ご安心ください)よく新型コロナのことを「単なる風邪」という方もいますが、今回の自分自身の例で言えば、そんなことはまったくなかったですね。風邪の症状には違いないですが格段に重い。インフルエンザもつらいですが、なんというか、例えるならばインフルエンザは切れ味鋭い刀でバッサバッサと切りつけられる鋭さがある、新型コロナはナタで力任せに叩かれるようなしんどさがある、という感じです。

 さて新型コロナは2020年から2023年まで、「新しい生活様式」の名前で、「3密を防ぐ」として、狭い場所での集会を事実上禁止されました。ほぼ丸3年続いたこの過ごし方で、保護者たちが集まってコミュニケーションを発展させる場である放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)には重大な影響を及ぼしました。

 例えば保護者会。当然、それほど広くないクラブ内に多くの保護者が集まる会合は開催できなくなりました。この状態が長期間続いたことで、保護者同士、また保護者と職員との間の関係性が構築されるまでに至らず、「ヨコ」のつながりである保護者同士、「タテ」のつながりである保護者と職員との関係が、なかなか深まることがなかったように実感しています。そしてそれは、間違いなく今も影響を及ぼしているでしょう。

 保護者会の必要性についても問われることになった新型コロナ期間でしたね。いろいろなイベント、行事が中止に追い込まれたことで保護者会が無くても特に何ら影響がなかった。そのために保護者会の存在意義を考え直すきっかけとなったことでしょう。私は、本当に必要ならば自発的、能動的に保護者会という組織が機能すると思っていて、そうでなければ必要がない組織であるとも、思っています。職員がクラブにおける子どもの様子を伝えることに際して、保護者会という存在は必須ではありません。それはクラブが保護者を招集して懇談会のように開催すればいいだけですし、行事のために必要ならその目的のためだけに随時、協力してくれる保護者を募っていけばいいのです。それらの積み重ねの結果、「やっぱり常設の保護者による連絡組織、情報共有組織が必要だよね」となればそれから保護者会組織を構築すればいいだけの話です。

 リモート文化も学童の世界を変えましたね。良い点としては、場所を問わず、いろいろな地域にいる方がリアルタイムで意見を述べ合い、議論ができる、会議ができるということです。それまでは、車や電車を使って実際に会いに行ける距離での範囲でしか会議や集会に参加できなかったのが、北海道から沖縄まで、いろいろな場所に住んでいる学童の関係者と話ができるようになったのは、画期的だと私は思っています。
 一方で、保護者会をリモート会議、オンライン会議で実施することも激増しました。これもまた、自宅で参加できるとあって保護者からは好評でしょう。家事をしながら会議に参加することもできますし。しかしその反面、「顔を突き合わせないこと」によるコミュニケーションの弱さ、浅さもまた、多くの保護者の意見や考えをクラブ運営に反映させていきたいと考えている主義の事業者にとっては、悩みのタネになったことに違いないでしょう。特に保護者会が運営する児童クラブでは、なかなか保護者による会合が持てないことで事業にまつわる決め事や判断が必要な事態が先送りになりがちであるのではないかと想像できます。
 UAさんの曲の歌詞ではないですが「会うから見える顔がある」のです。スマホやパソコンの画面で見る顔と、しぐさや雰囲気も合わせて目の当たりにできる、リアルに面会して見る顔は、やはり違うのです。その点、学童の世界はアナログの世界であり、その良さはリモート文化、オンライン文化で影響を受けたことは間違いないと私は思っています。
 このような状況は、実はあまり保護者との交流を推奨しない大手の営利の広域展開事業者には好都合でしょう。いろいろ保護者から要求やリクエストを受ける機会を増やしたくないでしょうから。

 新型コロナが「学童文化」に与えた影響、その影響によって変化した結果については、いずれ専門家から調査研究結果が出てくるでしょう。私は別に、全部昔に戻せとか、フェイストゥーフェイスの世界が学童にぴったりだ、とは思いません。時代の変化に適応した学童文化を必ず築き上げることができるはずです。ただ単純に、ひとり(自分の家庭)だけの子育てより、偶然または強制であっても児童クラブという場に所属することで関りをもつこととなった子育て世帯たちが交流しながら行う子育ての方が、楽しいですし、困ったときに助け合いができるし、メリットの方がたくさんあるから、保護者同士が仲良くなれる機会があるなら、それはなくならなほうがいい、と考えるのです。もしそれが、学童という仕組みが生み出した社会的事象、社会文化の一つであるなら、絶対的な強制参加の仕組みにはならないことを守りながらも今後も残っていってほしいとは思っています。

  「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。

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