もう真夏日! 放課後児童クラブ(学童保育所)を運営する側は、気象・天候に十分留意しなければなりません。落雷、大雨の備えを!
放課後児童クラブ(いわゆる学童保育所)運営者をサポートする「運営支援」を行っている、ほぼ唯一の事業者「あい和学童クラブ運営法人」代表の萩原和也です。放課後児童クラブを舞台に、新人職員の苦闘と成長、保護者の子育ての現実を描く、成長ストーリーであり人間ドラマ小説「がくどう、 序」を書きました。アマゾンで発売中です。ぜひ手に取ってみてください! (https://amzn.asia/d/3r2KIzc)お読みいただけたらSNSに投稿してくださいね!
2025年4月19日は、関東より西の地域で季節外れの高温になると予報されています。気温30度前後になる地域もあるようです。こうなると熱中症への備えが欠かせません。放課後児童クラブは、こども、職員の健康、生命身体を確実に守らなければならない場所ですから、気象災害、天候による影響を事前に察知する行動が、運営側に認められます。この認識、しっかり持っていますか?
(※基本的に運営支援ブログでは、学童保育所について「放課後児童クラブ」(略して児童クラブ、クラブ)と記載しています。放課後児童クラブはおおむね学童保育所と同じです。)
<熱中症に備えを>
季節外れの高温、といっても毎年のように「こんな時期に真夏日?」というのはもはや驚きも減りましたね。しかしそれでも2025年4月19日は、やはり異例の高温になるという予報です。日本気象協会のウェブサイト「tenki.jp」が7時25分に配信した、「19日は暑さピーク 東海や関東甲信は30℃以上の所も 4月でも熱中症対策を」という見出しの記事では、東京や名古屋、那覇で熱中症の警戒を呼び掛けています。
熱中症については前日(4月18日)の当運営支援ブログでも取り上げましたが、職場の熱中症対策が強化され、対策を怠った場合の罰則も定められました。それだけ、熱中症への対策は重要である、ということです。
児童クラブの世界はかつて、国や行政からの補助金が少なく、施設にエアコンなど備わっていない、あったとしても引っ越していく保護者が古くなったエアコンを学童に寄付してくれたというようなことが多くあったものでした。この点、施設の整備がそれなりに進んできたので改善されてきたことは、近年の酷暑が当たり前の夏を考えると、とてもよかったことだと私は感じています。私が学童運営に乗り出した十数年前は、それこそ古いエアコンしか付いていない施設が多くて、「夏の暑い時期はホースで屋根に水をかけてしのいでいた」という嘘みたいなことを現実にやっていたのですから。
室温を適切な温度に維持できるための備えは今後も着実に整備を進めてもらうとして、大事なことは、児童クラブを運営する側の意識と実際の行動です。いくら立派なエアコンが設置されていても、事業者側が適切にエアコンを使う、熱中症の恐れがある状況であることを把握していないと、こどもや職員が熱中症になったり、暑さで体調を崩したりすることが起きてしまいます。
つまり、設備をしっかり整えれば安心ということではなくて、「児童クラブの事業者側は、気象条件、天候の様子をしっかり把握する。現状、また予報に対応して必要な措置を実施するよう、適切なタイミングで現場職員に指示をすること」こそ、大事なのです。
季節外れの高温ですが、私は気温30度前後に達する地域にある児童クラブの運営事業者が、本日に現場勤務する職員に適切な指示を出しているかどうか大いに気になっています。前日の4月18日のお昼ごろには「明日は30度に達する地域がある」と報道されています。もし私が今も児童クラブ運営事業者のトップであったなら、当然ながら4月18日の昼過ぎには全クラブに対して、「あす19日は熱中症への十分な備えが必要。エアコンの試運転をすること。室温の維持に注意し、水分補給、塩分やミネラルの補給に留意すること。万が一の事態に備えて氷や保冷剤など冷却できる道具の準備をしておくこと」と指示を出します。保護者にも同様のことを呼び掛けるよう現場に指示しますし、保護者が利用している連絡アプリでも呼びかけます。まだ体が高い気温に慣れていない、いわゆる暑熱順化がまだまだできていない時期ですから、熱中症になりやすい時期にはより慎重な対応が必要だからです。
どうでしょう。どれだけの児童クラブ運営事業者が、本日の熱中症対応に万全を期していたのかどうか、私は気になってしかたありません。それはすなわち、「普段からどれだけ、こどもと職員の生命身体の安全を守ることを留意して事業を行っているかどうか」が明白になるからです。
<落雷事故は死亡につながる。絶対に起こさない>
冬場でも日本海側は落雷がありますが、一般的に3、4月から初夏にかけては全国で雷が起きやすい時期です。さらに北関東では夏の間はずっと雷が起きやすい地域です。落雷は、直ちに深刻な結果をもたらすので、こどもや職員が落雷に遭わないように児童クラブの事業者は徹底した対策を講じなければなりません。
落雷でいえば先日、悲劇的な事故がありました。ヤフーニュースに2025年4月17日18時5分に配信されたMBSニュースの「奈良市の落雷事故 サッカー部顧問らが立ち合い実況見分 中学生1人はいまも重体 帝塚山学園」との見出しの記事を一部引用します。
「4月10日に起きた落雷事故では、サッカー部の生徒ら男女6人が病院に搬送され、男子中学生1人(14)がいまも意識不明の重体です。事故について学校は、顧問2人が雷注意報が出ていたことを認識していなかったとしたうえで、「急激な天候の変化で事故を防ぎきれなかった」などと説明していました。」(引用ここまで)
この事案から教訓とするべきはたった1つ。こどもや職員の安全管理に責任を持つ立場の者は、気象に関する警報や注意報の発令、発表を速やかに把握して現場に直ちに連絡し、必要な対応を指示することです。現場任せではダメです。児童クラブの現場職員は常にスマホやパソコンの画面を見ていることができません。児童クラブの運営事業者、運営本部が、落雷事故を防止するために必要な措置を、具体的に、現場に指示することが欠かせないのです。
この時期は、何をさておき、落雷には注意してください。運営の責任者は常に雷について発生状況や注意報、警報の情報収集をおろそかにしないこと。また現場は現場で、出勤する前に、あるいはこどもが登所する前に天気予報を確認すること。絶対に行ってください。
<児童クラブの運営に従事する立場の者は、大勢の人の命を護る立場であることを認識せよ>
熱中症の発生防止にしろ、落雷事故の防止にしろ、また大雨や大雪といった急激な気象の変化にしても、あるいは光化学スモッグにしても、事前に国や行政機関から発せられる注意報や警報を速やかに把握して、対策や対応を講じることが大事です。それは最終的には児童クラブの運営に責任を持つ立場の者の職務であり責任です。
児童クラブの事業形態はあまりにも多種多彩ですが、全国で児童クラブを運営する大きな広域展開事業者でも、保護者会が運営する児童クラブであっても、運営の責任者が、常に気象の状況の変化を把握して必要な指示を発する態勢を確立しておかねばなりません。以下のことを確認しましょう。
・各種の注意報や警報、避難勧告や避難指示を常に確認し、状況に応じた措置を講じるように指示を発する立場の者、役職をしっかりと確立しておくこと。
・常勤の事務方がいる事業者であれば、常に各種の注意報や警報等を受信、確認できるように業務として確立しておくこと。
・零細規模、小規模の児童クラブ運営事業者は運営責任を持つ者が非常勤であることが珍しくないが、その場合であっても運営の責任者であれば常に注意報や警報等の発令、発出状況に留意して必要な対応をとることができるようにすること。実際に現場で働いている職員に、注意報や警報等の発令、発出状況の確認を職務として位置付けているのであれば、その職員が注意報や警報等を常に確認できるような状況を講じておくこと。
絶対に、してはならないのは、「誰が注意報や警報等を確認し、必要な指示を出すのか、あいまいな状況におくこと」です。事務方が常時、勤務している比較的恵まれた児童クラブ運営事業者であっても、その点があいまいな事業者は決して少なくないでしょう。「最新の気象状況を常に確認し、必要な指示を出す」ということを、欠かせない重要業務として位置づけておかねばなりません。まして常勤の事務方を設置していない児童クラブ事業者にはこの点、徹底しなければなりません。重要業務として、「誰が、常に気象状況を確認しておくのか」を位置付けてください。常に事業運営に従事する者が存在していない保護者運営ではこの点がとても気がかりです。現場任せでは絶対にダメです。
落雷事故や熱中症は、事前の対応さえ取れれば、防げます。被害に遭って生命身体に重大な影響を受ける、あるいは命を失ってしまうような取り返しのつかない事故を防ぐために、「こどもと職員の、命を護らねばならない」という強い使命感、責任感を、児童クラブの運営に関わる人は認識してください。
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弊会は、次の点を大事に日々の活動に取り組んでいます。
(1)放課後児童クラブで働く職員、従事者の雇用労働条件の改善。「学童で働いた、安心して家庭をもうけて子どもも育てられる」を実現することです。
(2)子どもが児童クラブでその最善の利益を保障されて過ごすこと。そのためにこそ、質の高い人材が児童クラブで働くことが必要で、それには雇用労働条件が改善されることが不可欠です。
(3)保護者が安心して子育てと仕事や介護、育児、看護などができるために便利な放課後児童クラブを増やすこと。保護者が時々、リラックスして休息するために子どもを児童クラブに行かせてもいいのです。保護者の健康で安定した生活を支える児童クラブが増えてほしいと願います。
(4)地域社会の発展に尽くす放課後児童クラブを実現すること。市区町村にとって、人口の安定や地域社会の維持のために必要な子育て支援。その中核的な存在として児童クラブを活用することを提言しています。
(5)豊かな社会、国力の安定のために必要な児童クラブが増えることを目指します。人々が安心して過ごせる社会インフラとしての放課後児童クラブが充実すれば、社会が安定します。経済や文化的な活動も安心して子育て世帯が取り組めます。それは社会の安定となり、ひいては国家の安定、国力の増進にもつながるでしょう。
放課後児童クラブ(学童保育所)の運営支援は、こどもまんなか社会に欠かせない児童クラブを応援しています。
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放課後児童クラブを舞台にした、萩原の第1作目となる小説「がくどう、序」が発売となりました。アマゾンにてお買い求めできます。定価は2,080円(税込み2,288円)です。埼玉県内の、とある町の学童保育所に就職した新人支援員・笠井志援が次々に出会う出来事、難問と、児童クラブに関わる人たちの人間模様を、なかなか世間に知られていない放課後児童クラブの運営の実態や制度を背景に描く小説です。リアルを越えたフィクションと自負しています。新人職員の成長ストーリーであり、人間ドラマであり、群像劇であり、低収入でハードな長時間労働など、児童クラブの制度の問題点を訴える社会性も備えた、ボリュームたっぷりの小説です。残念ながら、子どもたちの生き生きと遊ぶ姿や様子を丹念に描いた作品ではありません。大人も放課後児童クラブで育っていくことをテーマにしていて、さらに児童クラブの運営の実態を描くテーマでの小説は、なかなかないのではないのでしょうか。素人作品ではありますが、児童クラブの運営に密接にかかわった筆者だからこそ描けた「学童小説」です。ドラマや映画、漫画の原作に向いている素材だと確信しています。商業出版についてもご提案、お待ちしております。
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弊会代表萩原ですが、2024年に行われた第56回社会保険労務士試験に合格しました。これから所定の研修を経て2025年秋に社会保険労務士として登録を目指します。登録の暁には、「日本で最も放課後児童クラブに詳しい社会保険労務士」として活動できるよう精進して参ります。皆様にはぜひお気軽にご依頼、ご用命ください。また、今時点でも、児童クラブにおける制度の説明や児童クラブにおける労務管理についての講演、セミナー、アドバイスが可能です。ぜひご検討ください。
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放課後児童クラブについて、萩原なりの意見をまとめた本が、2024年7月20日に寿郎社(札幌市)さんから出版されました。本のタイトルは、「知られざる〈学童保育〉の世界 問題だらけの社会インフラ」です。(わたしの目を通してみてきた)児童クラブの現実をありのままに伝え、苦労する職員、保護者、そして子どものことを伝えたく、私は本を書きました。学童に入って困らないためにどうすればいい? 小1の壁を回避する方法は?どうしたら低賃金から抜け出せる?難しい問題に私なりに答えを示している本です。それも、児童クラブがもっともっとよりよくなるために活動する「運営支援」の一つの手段です。どうかぜひ、1人でも多くの人に、本を手に取っていただきたいと願っております。注文はぜひ、萩原まで直接お寄せください。書店購入より1冊100円、お得に購入できます!大口注文、大歓迎です。どうかご検討ください。
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「あい和学童クラブ運営法人」は、学童保育の事業運営をサポートします。リスクマネジメント、クライシスコントロールの重要性をお伝え出来ます。子育て支援と学童保育の運営者の方、そして行政の子育て支援と学童保育担当者の方、議員の方々、ぜひとも子どもたちの安全と安心を守る場所づくりのために、一緒に考えていきましょう。セミナー、勉強会の講師にぜひお声がけください。個別の事業者運営の支援、フォローも可能です、ぜひご相談ください。
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(このブログをお読みいただきありがとうございました。少しでも共感できる部分がありましたら、ツイッターで萩原和也のフォローをお願いします。フェイスブックのあい和学童クラブ運営法人のページのフォロワーになっていただけますと、この上ない幸いです。よろしくお願いいたします。ご意見ご感想も、お問合せフォームからお寄せください。出典が明記されていれば引用は自由になさってください。)